愛された「元・静かなビートル」ジョージ・ハリスン
ビートルズ時代は目立たない存在だったジョージ・ハリスン。ソロ活動開始後、彼の才能は一気に開花し、「ロックの金字塔」といわれるアルバムを残しています。多くのミュージシャン仲間から愛された彼は、チャリティー・コンサートの先駆けとなった「バングラデシュ・コンサート」を主催するなど、幅広く活躍しました。
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ビートルズからソロへ
「静かなビートル」といわれたジョージ。いくつかの名曲を発表し、バンドへの貢献も決して小さくはないのですが、その個性や才能を十分に発揮しきれなかったことは確かでしょう。解散を機に、彼は一気に才能を開花させます。
ロックの金字塔、「オール・シングス・マスト・パス」
1970年、ビートルズ解散後間もなく、ジョージは「オール・シングス・マスト・パス」を発表しました。このアルバムは佳曲ぞろいで完成度が高く、「ロックの金字塔」といわれています。ジョージは以前から精神世界に深い関心を抱いていましたが、このアルバムでも、ポップで美しいメロディの中に、「神への思い」が感じられます。バックミュージシャンには、エリック・クラプトン、ビリー・プレストンなど、そうそうたるメンバーが揃っています。
チャリティ・コンサートの先駆けに
1971年、ジョージは親交のあったシタール奏者、ラビ・シャンカールからバングラデシュの窮状を知らされ、チャリティー・コンサートを計画、友人たちに協力を呼びかけました。ボブ・ディラン、エリック・クラプトン、リンゴ・スターら多くの大物ミュージシャンが集結し、開催されたのが「コンサート・フォー・バングラデシュ (バングラデシュ・コンサート)」。後の「ライブ・エイド」等の原型となったこのコンサートは大成功、同名のライブアルバムはグラミー賞を獲得しました。
精神世界への傾倒、「リビング・イン・ザ・マテリアル・ワールド」
1973年、ジョージはアルバム「リビング・イン・ザ・マテリアル・ワールド」を発表しました。派手さはありませんが、やや内省的な色彩の濃い、味わいのある曲がそろっています。なお、2011年、ジョージの生涯を描いた同名のドキュメンタリー映画(マーティン・スコセッシ監督「ジョージ・ハリスン/リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド」)が公開されました。
死を悼むミュージシャンたち
その後もジョージは音楽や映画などの分野で幅広い活動を続けましたが、2001年、病気のため惜しまれてこの世を去りました。その翌年、エリック・クラプトンが「コンサート・フォー・ジョージ」(ジョージ・ハリスン追悼コンサート)を主催し、親交の深かったミュージシャンたちが多数参加しました。ポール・マッカートニーによるピアノのイントロに、絞り出すようなクラプトンのボーカルが印象的な「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」など、ジョージの曲を中心に、静かな感動が伝わってくるステージです。
若い人にもぜひ!
音楽ファンのみならず、多くのミュージシャンたちからも愛され、信頼されたジョージ・ハリスン。彼の作り出した美しいメロディ、内省的な、時にはシニカルな歌詞、独特の訴えかけるような繊細な声、それらは生前の彼を知らない若い人たちにもぜひ聴いていただきたいものです。
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