銘酒を目でも嗜む 厳選した高品位な切子冷酒盃・６つ

切子といえば江戸か薩摩か？

切子は大きく分けて2つの種類があり、1つが大伝馬町のビードロ屋が発祥と言われる江戸切子。透明なガラス器に金剛砂や金棒を用いて、手摺りで細工を施したのが始まりといわれています。もう1つが幕末に薩摩藩が事業として主導した薩摩切子。ヨーロッパのカットガラスの手法であるホイールを使用した細工と、色ガラスを用いることが特徴です。現在ではどちらも色ガラスとホイールを使用していますので、作品の出来栄えは職人の腕次第といったところでしょうか。

カガミクリスタル 冷酒杯 風 KAZE

江戸切子の伝統工芸士である林克美の作品「冷酒杯 風 KAZE」風が躍るような風景を切子細工で表現しており、その巧みな手業が見て取れる逸品です。躍動感のあるデザインは大吟醸の日本酒を注ぐのに相応しい出来栄えといえるでしょう。カガミクリスタルはクリスタルガラス器専門のメーカーであり、その製品は日本大使館にも採用され、皇室御用達のブランドであるなど一流のガラス製品を造り出しています。この盃なら銘酒を目でも楽しませてくれることでしょう。


材質：クリスタル
容量：80cc
参考価格：14,071円（Amazon）

廣田硝子 蓋ちょこ 市松

大正浪漫を感じさせる製品も多く扱っている廣田硝子。1899年に創業した江戸切子の老舗であり、切子細工の製品をはじめとして多くの美しいガラス器を造り出しています。「蓋ちょこ 市松」は珍しい蓋付の猪口であり、全面に細かく細工を施された江戸切子らしい逸品です。シャーレの形に造られた蓋にもしっかりとカットが入っており、ゆるめに被せられる姿はどこか愛嬌を感じさせます。熟練した職人の手仕事で造られる高品位かつ高級な猪口であり、生原酒のにごり酒が似合いそうな佇まいです。

材質：ソーダガラス
容量：150cc
参考価格：18,079円（Amazon）

廣田硝子 花蕾 紫 あられ

「花蕾 紫 あられ」は盃の下側部分のみに切子細工を施すことにより、盃を傾けた際に対面の模様が重なって見えるように工夫が凝らされています。「蓋ちょこ 市松」と同じく廣田ガラスの製品ですので、そのクオリティの高さは折り紙つきです。名前の通り花の蕾を模したデザインで、印象派の画家が用いるような柔らかな紫は光によってもその表情を変え、精緻なカットと相まって麗しい佇まいを見せます。猪口や盃に比べると大きめのサイズですので、ロックで味わう酒にも最適なグラスです。

材質：ソーダガラス
容量：300ml
参考価格：16,201円（Amazon）

ツジガラス工芸 猪口 大 八角カゴメ

薩摩切子の伝統的な技法である色かぶせ。これは透明なガラスの上に色ガラスの層を重ねることによって、カットを施した際に生まれる色彩のグラデーションが深美を増す技法です。1986年に創業したツジガラス工芸は、他の老舗に比べると新興のブランドであります。しかし1997年には創業から僅か10年余りで全国伝統工芸品展に入賞。急成長を遂げる気鋭のブランドであり「猪口・大 八角カゴメ」のような緻密な細工と美しい色合いを表現する作品を生み出しています。薩摩切子ということで、魔王や森伊蔵のような高級焼酎にも相応しい逸品です。

材質：クリスタルガラス
容量：-
参考価格：24,840円（Amazon）

八千代切子 冷酒盃 春霞

東洋佐々木ガラスの江戸切子ブランドである八千代切子。八千代切子の製品は高品質なレッドクリスタルガラスを使い、伝統工芸士の資格を持つ職人の手業によって創作されます。酒器の他に花器なども取り揃えており、切子には珍しい墨色のグラスもあるのです。「冷酒盃 春霞」はステムとプレートが付いたワイングラス様式のデザインで、春霞にたなびく雲のようなカットが施されています。薄桃のような淡い色調に繊細なカットが良く似合い、酒を注ぐことによっても表情を変える華やかさを持ったグラスです。

材質：クリスタルガラス
容量：97ml
参考価格：14,280円（Amazon）

ツジガラス工芸 盃 二本矢来 瑠璃

色かぶせと呼ばれる薩摩切子の伝統技法で造り出される器。伝統的な模様である二本矢来はこの色かぶせによって絶妙な色彩のグラデーションを生み出します。「盃 二本矢来 瑠璃」は猪口や盃に比べて背が高く大きめのサイズであり、ロックグラスとしても品よく使えるでしょう。全体に精密な瑠璃色の矢来模様がカッティングされており、高台の付いたデザインは宮廷様式の盃にも見られる意匠です。飲み口部分に細工が無いことも職人の心遣いの細やかさが伺え、百年の孤独などレアな焼酎にも相応しい逸品であります。

材質：クリスタルガラス
容量：-
参考価格：22,680円（Amazon）

酒も料理も器選びでワンランク上質に

注がれる盃や盛られる器がつまらなければ、上質な酒や料理を用意しても品格を下げてしまうかもしれません。やはり上質なもの同士を合わせることによって相乗効果でワンランク上の品位が生まれ、より高級な志向に向かうのではないでしょうか。