管理職になる人の必読書『そうか、君は課長になったのか。』
はじめての管理職として、右も左も分からない人のための鉄板の一冊、佐々木常夫氏の『そうか、君は課長になったのか。』を紹介します。
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リーダーを目指す若者へ
『そうか、君は課長になったのか。』は、元東レ取締役、東レ経営研究所社長を歴任した佐々木常夫氏が、管理職・リーダーを目指す若者へのメッセージとして、一人の架空の人物に宛てた書簡形式の書籍です。
佐々木常夫氏の名前は、日本におけるワークライフバランスのパイオニアとしても知られています。
慈愛に満ちたメッセージ
本書の冒頭に書かれているように、著者はサラリーマンとして活躍すると同時に、家族に起きたトラブルを夫・父として家庭を支えました。その実体験に基づく言葉は、ある種の迫力をもって読む者の心に迫ります。
それは若いリーダーへ向けられた厳しい言葉であると同時に、慈愛に満ちたものになっています。おそらく、著者自身が若い時に父を亡くされたため、求めると同時に自分の中に自然と育まれた父性がこのように厳しくも、温かい言葉として結実したのだと感じます。
志の高さ
本書で著者は「高い志を持て」と説きます。これは一見、精神主義と捉えられがちですが、意図は異なり、何を成し遂げるのかの具体的な目標の設定と、それに真剣に取り組む覚悟を示しています。リーダーが本気にならなければ、それに従う者が真剣になるはずはないからです。
また、部下の言うことをよく聞き、意見を尊重し、考えを汲み取ることの重要さも述べています。それは仕事に参加しているという自覚がなければ、チームや部署としての一体感が失われ、集団としての力を発揮できなくしてしまうと同時に、本人の能力を摘むことになってしまうからです。
こうした管理職・課長としての覚悟・心構えから始まって、具体的な行動についても言及します。
プレイイング・マネージャーにはなるな
本書の中で特に興味深いのは、「プレイング・マネージャーにはなるな」という言葉です。つい人に任せるよりも自分でやった方が早いから、確実にできるからと思いがちですが、最終的には部下の士気を下げ、自分は実務と管理作業で身動きが取れなくなってしまいます。まさにこのような失敗をしてしまった方も多いと思いますので、多くの方の参考となる示唆ですね。
時間管理の徹底
もう一つ興味深いのは「時間管理の徹底」です。ここまでやる必要があるのかと思うほど、具体的・精密に述べられています。実は、これを見習って仕事を進めても部下から猛反発を受けることもあるかもしれません。小手先の真似事では通用しない、絶対的な覚悟をもたなければならないのではないかと考えられます。
若い人にもオススメ
本書はタイトルにもある通り、管理職・リーダー向けに書かれたものですが、もっと若い方が読んでも多くの学びがある書籍です。特に、著者が現役時代に作られたという「仕事の進め方10か条」は、ビジネスの場で働くすべての方に当てはまり、心がけるべき内容に満ち溢れています。ぜひ、手に取って自分の心と照らし合わせながら読んでみてください。
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