誰も逃れられない、誰もがはまり込む人生の法則 ~『ピーターの法則』ローレンス・J・ピーター&レイモンド・ハル〜
昇進すると直面する悩み・課題は「ピーターの法則」によって説明できるかもしれません。今回は、誰も逃げられないと言われている「ピーターの法則」をご紹介します。
- 2,857views
- B!
意外と知られていない「ピーターの法則」
「ピーターの法則」と言われてもあまり耳になじみがない方が多いでしょう。
まして、その法則から誰も逃げられないし、誰もがはまり込んでしまうと言われても納得いかない方が少なくないと思います。
どんな法則なのかを見ていきましょう。
「ピーターの法則」にはまるとどうなる?
・中学校まではトップクラスだったのに、高校に入った途端に成績もパッとせず、目立たない存在になってしまった生徒。
・ヒラ社員の時には活躍していたのに、管理職になった途端、ミスばかり犯して周囲の信頼を失っている人。
こうした人たちはみな、「ピーターの法則」にはまり込んでいるのです。
「ピーターの法則」とは
勉学、仕事などでは、一定の成果を収めたり、能力を認められたりすると、ひとつ上のステップに上がります。
そこには、そのステップに応じた難易度の学習や能力、技術が求められ、また役割や責任が発生します。実力や努力によって課題を克服できれば問題はありません。
ただ、これを克服できない人たちも当然います。
上記の例で言えばこうなります。
・中学レベルであればよい成績を出せるが、高校レベルになるとついていけない。
・社員としての技術や能力は優秀だが、管理職としては責任を果たすことができない。
一つ上のステップをクリアすれば、また次があります。そして、ステップが上がるたびに、何人かがふるい落とされ、無能さを露呈することになります。
これが、ピーターの法則の概略です。
誰も逃れられない
資本主義は階層社会です。
学校も小学校に始まり、中学校、高校、大学と進みます。
会社では新入社員から先輩社員となり、主任、係長、課長、部長、取締役、社長などといった階層構造になっています。
誰もがどこかの階層でつまずき、無能さを露呈してしまうのです。
ピーター博士は法則にはまらない生き方を提唱しています。
国のレベルでもピーターの法則は生じると考えられます。
明治維新後の日本は、欧米列強に対抗するため、富国強兵のスローガンのもと、国力を高め、日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦を経て列強の仲間入りを果たしました。
しかし、そこに待っていたのは、何をするべきかというビジョンのない国家の姿でした。その結果、無謀な第二次世界大戦を引き起こし、大きな損害を蒙ります。
それでも、敗戦から立ち上がり、再び欧米に追い付け、追い越せで高度経済成長を成し遂げ、世界第二位の経済大国になります。
ところが、ここでもその先のビジョンが描けません。バブル期を経て「失われた20年」と呼ばれる時期を過ごし、現在に至ります。
物質的には豊かになったが、心は貧しいと言われて、もう長い年月が経ちます。
成長期には「東洋の奇跡」と世界中から形容されるほどの発展をすることができますが、頂上に登ると、何をすべきかわからなくなります。
ピーターの法則にはまってしまっているのが、現在の日本の姿です。
立ち止まって考えることも重要
誰もが上に行きたい、上に行けばいいことが待っている、幸せになれると考えます。
しかし、それは幻想かもしれません。
そして、実際に幸せを感じている人が少ないのは、ピーターの法則にはまっているからです。
どのように生きていくのか。
上だけを見るのではなく、一度立ち止まって考えてみるのも無駄ではありません。
iTunes Store で ローレンス・J・ピーター, レイモンド・ハル & 渡辺伸也「ピーターの法則」の無料サンプルを入手、もしくはブックを購入できます。このブックは iPhone、iPad、または iPod touch 上で iBooks を使って読むことができます。
この記事のキーワード
この記事のライター
もっとオシャレでカッコイイ毎日をすごしたい人のためのウェブメディア、VOKKA(ヴォッカ)の公式アカウントです。