質実剛健!ボーエ・モーエンセンのおすすめ家具4選
家具にもこだわりをもち、普段の生活をおしゃれにしていきたいものです。今回はデンマークのモダン家具の巨匠ボーエ・モーエンセンのおすすめ家具をご紹介します。
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デンマークのモダン家具 巨匠の一人
ボーエ・モーエンセンは、アルネ・ヤコブセン、ハンス・J・ウェグナーと共に、デンマークのモダン家具を語る上で欠かせない巨匠のひとりです。モーエンセンは、18-19世紀のシェーカー教徒に起源をもつ質素で実用的な家具「シェーカー家具」を、モダンデザインの分野で引用したことでひろく知られています。しかしいっぽうで、大使館などで使われる重厚で気品のあるソファーも手掛けており、その幅広いセンスは今日もなお高く評価されています。
質実剛健の「シェーカーチェア J39」
モーエンセンの仕事を代表する作品は、何といってもこの「シェーカーチェア J39」です。これは第二次世界大戦時にデザインされた椅子で、一般市民むけの安くて質のよい家具という方針で生まれた作品でした。装飾性を排した質素なつくりであるため、原材料の不足していた当時の社会で広く支持され、歴史的な名品として語り継がれることとなりました。モーエンセンは、シェーカー様式の椅子の特徴であった細い背板を一枚板に変更し、基本的な構造はそのままですわり心地を向上させたのでした。現在の復刻モデルは当時からさらに改良されていますが、モーエンセンの「質実剛健」のデザインは今日も失われずファンを魅了し続けています。
戦後の都市生活を象徴する「ダイニングテーブル C18」
名作椅子「J39」には、セットとしてデザインされたダイニングテーブルもありました。それがこの「C18」です。J39とC18は、戦後のデンマークで、特に都市部に住む人たちの、限られた空間の中で効率よく生活したいという要望にこたえ、普及していったのです。簡素で無駄のないフォルム、狭い空間を活かす空間の工夫が凝縮された一般市民むけのデザインの極致ともいえる歴史的な作品です。とかくおしゃれなイメージがある北欧の家具ですが、その歴史は、生活空間を無駄なく質素に活用する彼らの素朴な生活感覚によってつくられてきたといえるでしょう。
自ら座るために作った「スパニッシュチェア」
スペイン好みで知られたモーエンセンは、スペインに足しげく旅行に出かける中で、貴族階級の邸で使われていた一枚革の木製アームチェアに強い衝撃を受けたといわれます。アームチェアのアーム部分は、本来は肘を置くためにありますが、このアーム部分の幅が広いと、新聞やコーヒーなどちょっとしたものを置くスペースにもなります。こうして、アンダルシア地方に伝わる伝統的な椅子の様式をモーエンセンが独自に改良してリ・デザインした「スパニッシュチェア」。彼が自分の邸宅で使うためにデザインしたというそのどっしりしたフォルムも、今日はリプロダクト製品も含めて入手できるようになりました。
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「スポークバックソファ」で巨匠の才能を満喫
ハンス・J・ウェグナーとの共作として知られる有名な「スポークバックソファ」です。英国の伝統的な二人掛けの椅子からヒントを得て1945年にデザインされたものです。片側のフレームが開閉式になっていて、6段階に角度を変えることができるようになっています。ここに使われている革ひもが独特な編み方になっていて、さりげない存在感を主張しています。モーエンセンとJ・ウェグナーは、ライバル同士と思われがちですが、実際はふたりは互いに影響し合い、尊敬しあいながら交流し続けた間柄でした。このスポークバックソファは、そんなデンマークを代表する二人の巨頭の才能をたっぷり味わうことができる作品ともいえます。
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機能に重点を置いたモーエンセンの家具
ボーエ・モーエンセンは、同じデンマークの家具デザイナーで同じ時代に活躍したハンス・J・ウェグナーと、とかく比較されがちです。しかも、初期の作品などは両者の作品にはかなり似たフォルムのものが多いのですが、J・ウェグナーの作品にくらべ、モーエンセンの作品は実直で機能重視ということがいえるでしょう。武骨で硬派のイメージが強いモーエンセン。インテリアとして揃えるよりも、実際に使いながら自分の肌でデザインのすごみを楽しむ、そんな贅沢を味わいたい家具です。
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この記事のライター
藝術文化系のコラム、論評の執筆を多くこなしてきました。VOKKAではインテリアなど、アートに関わる記事を中心に執筆しています。