海外勢ピアニストが大活躍!ショパンコンクール第七回から第九回の覇者

第七回から第九回までのショパンコンクールはアルゲリッチなどの素晴らしいピアニストを輩出しています。また日本人女性二人が入賞するという快挙もありました。他にも現在輝かしい活動をしているピアニストが誕生しました。合計5人をご紹介します。


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日本人2人が入賞という快挙

出典:pixabay.com

第七回は1965年から順次5年おきに開催されています。この第七回には日本の中村紘子が4位になり、第八回には内田光子が2位に輝きました。これ以降日本人の入賞が続きますが、同時に日本国じゅうにピアノブームが沸き起こっています。当時のピアノ人口は、「女の子にはピアノを習わせることが常識」という流行から、相当な数のピアノが家庭に普及しました。ピアノを習うということは、豊かさの象徴でもあったのです。

今回ご紹介するピアニストは第七回から第九回までの1位3人と活躍が顕著な2人の合計5人です。どうぞお聴きください。


第七回 1位 マルタ・アルゲリッチ

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第七回は1965年に開催されました。この回でも第四回のように女性が活躍しています。第1位に輝いたのは、1941年アルゼンチン生まれのアルゲリッチです。彼女は日本びいきで知られており、現在も日本に度々演奏に来ています。いわゆる神童で、8歳ですでにベートーベンピアノ協奏曲を公開演奏したということです。オーストリアで「フリードリヒ・グルダ」「ミケランジェリ」「マガロフ」という世界的ピアニストに師事しています。

コンクール後は、幅広く活躍しましたが現在はなぜかソリストよりも室内楽などを好み、コンサートを開いていますが、九州大分の「別府アルゲリッチ音楽祭」などクラシック音楽の普及や教育のために活動していることは有名です。私生活は指揮者やピアニストなど数回の結婚と離婚を繰り返す、恋多き女性のようで自叙伝にも書いています。ショパンコンクール審査員も勤める女性ピアニストの中では頂点にいるといってよいでしょう。 

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第八回 1位 ギャリック・オールソン

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第八回は1970年に開催されました。オールソンは1948 年アメリカ出身です。ピアノは大御所の「クラウディオ・アラウ」に師事しています。演奏技術には定評があり、あらゆるピアノ曲を網羅し膨大なレパートリーを持っていることが特徴です。コンクール後も精力的に活動を続けているアメリカを代表するピアニストのひとりです。
 
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第八回 2位 内田光子 

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日本人のショパンコンクールにおける現在最高位のピアニストが誕生しました。内田光子は1948年日本生まれです。12歳のときにウィーン音楽院に留学し以降海外で研鑽を積んでいます。ミケランジェリ、ケンプ、マガロフなどの一流ピアニストに師事しました。

1970年代、コンクール2位でありながら日本では知名度が上がらず、不遇の時代があったということですが背景には日本の音楽界の閉鎖的な慣習があったことが推測されます。ですが、徐々に活動に対しての芽が出て世界的ピアニストとしてその実力が知られるようになりました。演奏は、はっきりとした乾いた音色が特徴ですが「モーツァルト」の曲に合っていたようで、その全曲録音と演奏をしています。

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第八回 6位 ヤヌシュ・オレイニチャク

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オレイニチャクは1952年ポーランドに生まれで、18歳でショパン・コンクールに8位入賞しています。その容姿がショパンを想像させるもので、ショパンの伝記映画にピアノ演奏も含めて出演しました。邦題「愛人日記」はフランス映画で、パトロンの作家ジョルジュ・サンドの娘「ソランジュ」役をフランスの人気女優「ソフィー・マルソー」が演じています。オレイニチャクはショパン役です。また、オレイニチャクは、2002年制作の映画「戦場のピアニスト」の劇中音楽を担当しています。
彼のピアノは伸びやかなロマンチックな音色が魅力的な演奏です。

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第九回 1位 クリスチャン・ツィメルマン

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第九回は1975年に開催されました。第五回以来ポーランドの1位がありませんでしたが、ツィメルマンの登場で開催国の面目が果たせたようです。審査員全員一致の1位ですからその実力は注目すべきものがあります。ツィメルマンは1956年ポーランドで生まれています。18歳の初々しい青年で、その丹精な顔立ちがオレイニチャクのように若いときのショパンを彷彿とさせました。
演奏は、若々しく清潔感のある「リリシズム」とゆるがない技術が特徴的で、近年の優勝者であるユンディ・リーは「ツィメルマンを理想とした」と語っています。

私生活では、当時のポーランドの政治が不安定な中の演奏旅行であったため、父親の死に際して帰国を許されず、以降ピアニストに対しての考え方が変わったと伝えられます。ツィメルマンは、自分の子供たちに対してはいっさいピアノに触れさせなかったということがその考えの表れといってよいでしょう。父親への深い愛は、当時のリサイタルのプログラムをすべて死をテーマにした曲に変わっていることからもわかります。リストの「灰色の雲」や「哀しみのゴンドラ」「葬送」といった暗いイメージのものです。

また、父親が設計士でピアノ弾きであったことの遺伝なのか、機械的なことにも興味がありピアノの調律を自分でしたり、音響設備に関して研究をしています。政治や行政に関心を持っていることも有名で、東日本大震災に関心を持ち、度々訪日して演奏することから日本に別邸を持ったということです。 
その演奏スタイルは、曲に対してじっくり研究して弾き込み演奏するというもので「完全主義者」として知られています。 

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ピアノは人生を豊かに表現すること

いかがでしたでしょうか。日本人2人が入賞し、これ以降先輩に続き入賞者が出ます。この高度経済成長期は、社会が豊かになったことが影響してピアノも普及しています。音楽は豊かな環境にあってできるものですが、その表現は人生の悲哀を知ったものでなければできないことです。ショパンコンクールは初めに過ぎないということがいえるかもしれません。入賞者の活躍はその順位に限らず、現在輝かしい活躍をしている人もそうでない人もいるようです。ただ、コンクールでわたしたちに素晴らしい音楽を聴かせてくれたことは記録に残るでしょう。

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検査技師をしておりました。現在は家庭に入り、ライター、アンティークドールのディーラー、人形関連の制作と売買、ピアノ講師などをしています。趣味の薔薇や犬、鳥の世話と夫と子供の世話に忙しい毎日です。

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都内在住。コーヒーとサンドイッチが大好きで1日1カフェ生活を送っている。夏の定番はレモネード、冬の定番はホットチョコレート。オシャレやヘルシーという言葉に敏感なミーハー系女子。

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