愛に溢れた、いぶし銀作曲家ブラームス
華がなく、泥臭い、聞いてて退屈しそうというイメージを持たれがちなブラームスの魅力について、複数のジャンルからご紹介します。
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人の心に染み込んでいく
ブラームスという作曲家ご存知でしょうか。ブラームスはとても愛に溢れた心を持ち、人の心の奥深くに染み込んでいくような音楽を作っていたというが最大の特徴です。有名な曲から、少しイメージと違うような曲、そしてこれぞブラームスと言う曲をご紹介します。
一番ポップで耳馴染みの良い、ハンガリー舞曲集
このハンガリー舞曲の、特に第5番はCMではもちろんテレビ番組の挿入BGMとしても広く使われており、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
元々はハンガリーのジプシーという自由民族の音楽をもとにして作られており、リズミカルでありながら時には揺れ動き、それでいてブラームス特有の重厚さも持ち合わせており、情熱を秘めた熱い気持ちにさせてくれる曲です。
おすすめは有名な指揮者であるカラヤン指揮のこのCDです。他の作曲者の舞曲も入っているので、比較してみるのも面白いかもしれません。
疲れた時に聞くとおすすめ、弦楽六重奏曲第2番op.36
こちらの曲は、弦楽器だけを用いた合奏曲で耳にとても優しく、また音楽は甘く柔らかく、そこまで重々しい重厚さを感じさせないブラームスのヒーリング曲です。
この曲はブラームスが当時婚約者だったアガーテという女性に向けて描いた曲で、別名アガーテとも呼ばれています。当時のブラームスの気持ちがそのまま反映されているかのような、とても優しく甘い雰囲気が漂っており、聞いているだけで優しい気持ちにさせてくれます。
元気な時に聞くと地味と感じてしまうかもしれませんが、少し疲れた時に聞くと、ブラームスのいじらしい人柄を微笑ましく感じることでしょう。
ドイツ人ならではの深い愛、情熱を感じさせてくれる歌曲
ドイツ人といえば、無口、控えめ、そして秘めたる情熱というイメージを、ブラームスはそのまま歌にとして残しています。その中でも「Von ewiger Liebe」(永遠の愛)という曲は、ドイツ人の愛、情熱が色濃く描かれている曲です。
若いカップルがお互いに愛を語っている情景から曲は始まり、男性が「この愛はいつか終わるのではないか」と不安や焦りを激しい音楽とともにぶつけてしまうのですが、女性はとても優しく包み込むような音楽でそれに応え、「私達の愛は永遠です」と壮大な音楽の広がりの中で、確信を持って終わっています。
全体的にブラームス特有の暗さ、重々しさは漂っているのですが、やはりその圧倒的な情熱を持って曲の広がり、輝かしさを描いています。まるでオペラやミュージカルの一部分を見たような熱い気持ちにさせてくれる一曲です。
ブラームスのいぶし銀音楽の集大成、ピアノ作品op.118
ここまでブラームスの魅力について語ってきましたが、やはり集大成とも言える作品は、こちらのピアノ作品「6つ小品集」op.118-2 です。
まるで現代の映画音楽かのような新しさを感じさせる作品で、様々に散りばめられているメロディーがとにかく美しいのです。とてもロマンティックでありながら心の奥深くに訴えかけてくるような一曲です。
当時ブラームスは友人であった同じく作曲家のシューマンの奥さんに想いを寄せながらも、死ぬまで道徳を守り、ただただ支え続けていました。その当時のブラームスの想いや優しさ、美しい心がそのまま曲に表れていると言っても過言ではありません。
ブラームスのいぶし銀を感じ、ただただ涙すること間違いありません。
ブラームスの漂う哀愁
いかがでしたでしょうか。様々な角度からブラームスの魅力についてご紹介しました。
仕事などで疲れたときなどはブラームスの曲を聴きながらゆっくりとした夜をすごしてみるのもいいかもしれません。
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