海外で恥ずかしい思いをしないで済むチップの常識

チップ文化圏、アメリカなどに行った時に何%ほど置くといいのかご存知でしょうか? 日本人として、ビジネスマンとして恥ずかしくないチップの常識をご紹介します。

vokkaVOKKA 編集部
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チップ文化圏、アメリカなどに行った時に何%ほどチップを置くといいのかご存知でしょうか? チップなんてそもそも置かないという人もいるかもしれませんが、これは論外です。ちゃんと置く人でも、日本人の中では「15%置けば十分」というのが定着しているように思えます。しかし、実はこの「15%置けば十分」という思い込みは正解ではありません。
そもそもなぜチップ文化があり、サービスを提供している人はどういう雇用形態になっていて、どういう考えでいくらくらいのチップを置くのが正しい作法なのか、海外に行って恥ずかしくないチップの常識をご紹介します。

「お客様は神様」というわけではない

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チップには2つの側面があります。そもそもは日本の料亭などで行われる「心付け」と同じで、自分にとってプラスとなる行為を受けた時に感謝の気持ちを返すものがチップです。より良いサービスを受けたら、その行為に対する対価としてより多くの「心付け」を渡します。また、自分の好きなお店、好きな店員で、自分に適した最良のサービスを行ってくれる所には感謝の気持ちと応援する気持ちを込めて請求額の倍以上のチップを置く場合もあります。逆にサービスの質が常識レベルから大きく下回った場合は、チップを置かない、もしくは微々たる額しか置きません。

一方、サービスの提供側、チップの貰い手側にとっては、チップというのはとてもわかりやすい成果型の報酬です。このため、より多くの報酬をもらえるようサービス改善の努力をしようとします。

チップという文化があることで、サービスする側はより良いものにして正当な対価を得て、サービスを受ける側は良いサービスを受けるためにより多くの対価を支払うというバランスが成り立っています。

日本のようにお店にとってお客様は神様で、神様のように扱い、これを当然の権利のように要求するお客さんもまれにいますが、これは海外では通用しません。正当な額のチップを置かない人は良いサービスを受けられなくて当然という考え方なのです。

雇用形態を理解しよう

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日本ではウェイターはお店から報酬をもらっていて、受けるサービスの料金が料理の代金にすでに含まれています。裏を返せばサービスに対する対価は店側に勝手に決めていて、お客さん側はそれを問答無用に支払わされているとも言えます。しかし、これは海外ではお客さんが評価し、決める部分です。
したがって、海外のレストランの代金にはサービス料やウェイターの賃金はほとんど含まれていません。高級店になるほど店からウェイターに払われる給料はかなり少額になり、ニューヨークの高級店などでは店がウェイターに支払う時給は$2くらいです。しかし、高級店ほど一流のお客さんが集まり、そこで最高のサービスを提供すれば高額な対価を得られるとわかっているので、レベルの高いプロフェッショナルなウェイターは時給$2でいいのです。そして彼らは最高のサービスをすることで一晩で数百ドル稼ぐこともあります。

これが海外での雇用形態なので、もしあなたが正当な対価の支払い方を理解せずに、チップを置かない、もしくは少ししか置かなかった場合、サービスを受けたのに未払いで出て行ったのと同じことになります。(もちろんサービスが悪かったなど理由がある場合は別ですが。)

正当な対価の基準

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日本では「15%置けば十分」ということが通説化していますし、ガイドブックにもそう書かれています。そして会社から海外行きを命じられた駐在員などは、現地でこのようなアルバイトをすることはないでしょうから、なかなかどれくらいが正当な対価の基準か知る機会がないと思います。実は15%というのは少ないのです。

良いサービスを受け気に入った場合は20%、標準であれば18%が今のアメリカでの基準です。日本人の大半の人が置いている15%というチップは、少し不満だった場合の金額ということになってしまうのです。

日本人にはサービスしたくない

出典:blog.wearespaces.com

どんなに頑張って良いサービスをしようと思っても日本人は15%しか置いて行ってくれないというのが海外でも有名になってしまっているので、海外のウェイターは日本人が来ても担当したくない、もしくは良いサービスをしてあげるだけ無駄と思っています。そこそこしか払わないのだから、そこそこのサービスでいいでしょ、という具合です。

日本人として海外で恥ずかしくないよう、日本人全体としてのこのようなイメージの払拭のためにも、海外のチップの考え方と正当な対価基準は理解したいところですね。

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