ラグビー・五郎丸にならうビジネスシーンでも効果を発揮するマイルール
2015年の新語・流行語大賞に、ラグビーワールドカップ日本代表の五郎丸歩がキックの前に行う五郎丸ポーズがノミネートされました。
五郎丸に限らず、多くのスポーツ選手がそれぞれのマイルールを持っています。
このマイルール、日常生活やビジネスシーンでも応用ができそうです。
(本文中、選手等の敬称は略しました)
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五郎丸ポーズの狙いは精神の安定
両手を組み、伸ばした人差し指を重ね合せる五郎丸ポーズ。
練習の時から同じポーズをとることで、試合の大事な場面での緊張感を緩和し、精神を安定させる効果を狙ったものです。
このゴールが入れば勝利が決定的となり、はずせば勝利が遠のく試合のクライマックス・シーン。スタンドは異様な興奮と雰囲気に包まれます。緊張するなという方がムリな局面です。
あのポーズをとることで、客席の声が徐々に耳に入らなくなり、練習の時と同じようにボールに、そしてキックの動作に集中できる、と五郎丸は話しています。
同じく日本代表の立川理道は、必ず手首に緑色のテープを巻いて試合に臨みます。これは立川の母・みどりさんの名前にあやかったものです。
大きな話題になった五郎丸ポーズ
現在まで続くイチローのルーティン
プロ野球、そしてメジャー・リーグでも活躍するイチローは、素振りの回数、屈伸運動、バットの構え方など打席に入るまでの動作が全て決まっています。
イチローの狙いもまた、一連の動作をすることで試合状況や前の打席の結果などに気持ちを引きずられないようにするためです。
打席に立つ時ほど注目されてはいませんが、イチロー出塁後、必ず塁上でヘルメットに空いている穴から耳に触れる動作を行っています。
これもまた、イチローのルーティン=マイルールで、打撃のことはすっぱりと忘れて走塁に集中するためのものです。
また、試合後はまずグラブとスパイクを磨き、その日の試合を頭の中で反芻して、明日の試合に向けた準備をしています。イチローは、この時にはもう次の試合が始まっている、と述べています。
ヤンキース時代のイチロー。
右手にバットを立てて、左手で右肩のユニフォームを引き上げるルーティンは現在も変わらない。
ビジネスや趣味にも応用がきくマイルール
このほかにも、多くのスポーツ選手がシューズは必ず右から履く、グラウンドには右足から入る、勝った翌日は前日と同じルートで試合場まで行く、勝ち続けている間はヒゲを剃らないなど、様々な工夫をしています。
このような行動はマイルールやルーティン、験担(げんかつ)ぎなど呼び方も様々で、その目的も精神の安定や気持ちの切り替えなど、一見様々ですが、共通しているのは最高のパフォーマンスを発揮すること、良い結果を出し続けることを目的としています。
心理療法で三つのルールというものを用いることがあります。
1.物事がうまくいっているなら変えようとしてはいけない。
2.一度やってうまくいったのなら、それを続ける。
3.物事がうまくいっていない時は、なんでもいいから違うことをする。
このように見てくるとスポーツ選手たちのマイルールやルーティン、さらに験担ぎにさえも、科学的な根拠や効用があると考えて間違いありません。
それならビジネスや趣味などに活かさない手はありません。
プレゼンがうまくいった時のネクタイやアクセサリーを、ラッキー・アイテムとして次回も身に付ける。
昨日は失敗したので、今朝はいつもと反対側の出口から会社に向かう。
ゴルフであまりいいスコアが出ていないので、ゴルフバッグを新しくしてみる
今月はネクタイを新調してから営業成績が上がったので、来月もまた新しいネクタイを買ってみる。
ちょっとした工夫や思いつき、ちいさな投資で、いいことが続いたり、少しユーウツだった日々が劇的に変わることがないとも限りません。
プレゼンに成功した時のネクタイやアクセサリーはラッキー・アイテムに!
よい成績の時は同じバッグを。
悪い成績の時はバッグを変える。
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この記事のライター
フリーライター。歴史・文学からビジネス、スポーツ等、幅広い分野において執筆を行う。