日本のアニメやゲームも大好きなブラックミュージックの良心 Flying Lotus
洗練されていて、芸術的ですらあるブラックミュージックを生み出し続けるFlying Lotus(フライング・ロータス)をご紹介します。
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遊び心のある音楽
アメリカでのヒップホップはもはや二極化が進みすぎて、産業的なものとアングラ的なものの接点が希薄になりつつあります。そうしたカオスのような状況において、このFlying Lotus(フライング・ロータス)という存在は、一点の真っ白な光のような影響力を持っています。確かに、彼の音楽は遊び心がありすぎて自由すぎると感じる方もいるかもしれませんが、それでもその完成度は群を抜いていると言えます。
最近のクラブミュージック
最近のクラブミュージックは圧倒的にEDMのような感じが主流になりつつありますが、Flying Lotusの作る音楽はダンスミュージックが好きな人間にとっての良心とでも言える内容です。
大きなハコで何千、何万の大衆を相手に、彼らを完全に呑み込んでしまうのであるのならEDMのようなやり方は最適なのかもしれません。しかし、そういったやり方はどこか破壊的な香りがしなくもありません。
芸術的な音楽
Flying Lotusの作る音楽は非常に芸術的です。ミュージックビデオも洗練されていて、until the quiet comes以降はまるで映画を見ているかのような映像です。それはまた、ヒップホップであり、真のブラックミュージックであると言えるでしょう。さらに彼の音楽は、真のダンスミュージックであるとも言えます。
肉体から解放される為の儀式、人間たちが古来から神とつながりを認識する手段として用いてきた神秘的な動きがそこに詰まっているのではないかと考えさせられます。彼の作る音楽、そのビートには人の心を躍らせる何かがあるようです。
Flying Lotus - Until The Quiet Comes — short film by Kahlil Joseph, music from Flying Lotus' album
そのビートはときに、DJ Krushを連想させます。彼の作る音楽も常に静寂のなかにありました。一見すると地味で暗い音楽にしか聞こえないこともあるかもしれませんが、彼の作り出す孤高のビートは確実に人を躍らせる何かを持っていました。派手さはありませんがストイックにそして時に人を魅了する旋律も兼ね備えていました。
Flying Lotusも同じような旋律を持っています。Flying Lotusの音楽には、ブラジル音楽やジャズの要素が盛り込まれており、どこかで聞いたことのあるような懐かしいモヤの中に聴く人を引き込んでしまいます。その煙たい情景が浮かぶような世界の中で、失われた時間、つまり過去を見ているかのような感覚にすらさせられてしまいます。
Thundercatとのつながりも
「エヴァは全話観たよ」と豪語するなどアニメオタクで知られるサンダーキャット(Thundercat)。彼もFlying Lotusのアルバムによく参加しています。
親日家でもあるFlying Lotus
Thundercat同様、Flying Lotusも日本の映画やアニメやゲームのファンとしても知られています。来日ライブでは、ドラゴンボールの道着を来て登場したり、ゲームサウンドの要素を盛り込んだりと、随所にその様子がうかがえます。
そんなFlying Lotusの音楽を一度聴いてみてはいかがでしょうか。
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