2015年、劇場版アニメ3作品が公開!「伊藤計劃」をブーム再燃前に押さえよう
日本のみならず世界からも高い評価を受けるSF作家・伊藤計劃。
彼の長編三作品が2015年に劇場アニメとして公開されます。
ここでは映画化される作品達の内容や魅力をご紹介します。
- 3,103views
- B!
日本と世界に衝撃を与えた鬼才「伊藤計劃」
日本人で初めて、世界的SF文学賞「フィリップ・K・ディック賞」を獲得したSF作家・伊藤計劃(いとう・けいかく)。
その完成度の高さは2000年代の出版・書店業界に大きな衝撃を与えました。
2015年、彼の三作品が劇場版アニメとして公開され、今度は更に大きなブームとなって再燃することが予想されています。映画化される三作品の魅力をお伝えします。
虐殺器官
開発途上国で理由不明のテロや虐殺が横行する近未来が舞台。
テロを抑えるべく投入された米軍大尉・シェパードの目線で、内戦の情景が淡々と描かれていきます。
シンプルで抑えた文体なので読みやすいですが、その分、主人公のナイーブさ、彼の「現代人から見た異常さ」が際立ちます。
SF・軍事ファンだけでなく、ミステリ・サスペンスファンにも絶賛された作品。
「ベストSF2007」「ゼロ年代SFベスト国内編」「PLAYBOYミステリー大賞」全てで第1位を獲得しています。
ハーモニー
科学の発達で病気が無くなり、「福祉」「健康」の理念によって完全管理された社会が舞台。
女子高生・トァンの目線で語られる「偽りの楽園」の不自然さ、そしてその社会を否定する少女・ミァハの謎に物語は迫っていきます。
少女目線で語られるせいかどこかライトノベル的でもあり、『虐殺器官』に比べてこちらの方が読みやすいという人も多め。
第40回星雲賞、第30回日本SF大賞、英訳版はディック記念賞審査員特別賞受賞。
屍者の帝国
執筆中に作者が逝去し、SF作家・円城塔が引き継いで完成させた共著作品。
19世紀、死者に魂をインストールする技術を持ち得た社会を舞台にしています。
主人公はなんと『シャーロック・ホームズ』のワトスン氏。
この他『カラマーゾフの兄弟』『風と共に去りぬ』等、19世紀の名著の人物が多数登場する他、舞台は日本へと移り明治の実在の志士たちも登場します。
荒唐無稽に感じられそうですが、緻密な設定によってリアリティを持たせた大作です。
たった2年の活動期間で遺された作品たち
いかがでしたでしょうか。2007年にデビューした伊藤計劃氏は、2009年、病により若くして亡くなりました。
そのため長編は上記3作品の他、ゲーム『メタルギアソリッド』のノベライズ本が1作のみ。
その他、中編2編と短篇集1冊が刊行されています。
長編で伊藤作品に興味を持ったら、是非これらの中編や短編にも挑戦してみましょう。
この記事のキーワード
この記事のライター
もっとオシャレでカッコイイ毎日をすごしたい人のためのウェブメディア、VOKKA(ヴォッカ)の公式アカウントです。