日本製の腕時計ブランド人気おすすめ10選
国内初の腕時計製造に成功したセイコーを中心に発展した日本の時計産業。クオーツ時計への参入によって爆発的に市場が拡大、高精度かつ実用的な日本製の時計は世界中から高く評価されるに至りました。昨今では欧州製腕時計にも引けを取らないラグジュアリーなタイムピースも登場。高い品質を誇る日本製の腕時計ブランドをご紹介しましょう。
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アイキャッチ画像出典:www.minase-watches.com
おすすめする日本の腕時計ブランド
日本では明治維新後に行われた改暦(太陽暦や定時法などの採用)によって近代時計産業が勃興し、公的機関や商店などに時計が設置されるようになりました。明治20年(1887年)に創業した日本で最初の掛時計工場をはじめ多くの時計メーカーが名古屋や大阪で設立。明治25年(1892年)にはセイコーの端緒となる精工舎が設立され、海外メーカーに頼らない独自の時計製造が発展していきます。
大正2年(1913年)にはセイコーが国産初の腕時計「ローレル」を発表し、翌年勃発した第1次世界大戦によって懐中時計から腕時計への転換が進んだといわれています。その後第2次世界大戦によってミリタリーウォッチが進化し、精度・機能・耐久性などの性能が向上。昭和39年(1964年)に開催された東京オリンピックでは、初めてクオーツ時計による計測が行われその高精度を証明しました。
1970年代のクオーツショックによって世界の時計産業はその勢力図を塗り替えられ、日本がトップに躍り出ることになります。その後スウォッチグループの台頭によってスイス時計がその勢力を巻き返し、世界的な時計産業の再編が行われました。
高精度で安価なモデルが多かった日本製の腕時計ですが、その高精度に加えてオリジナリティのあるデザインや高機能を搭載したモデルも増加。熟練の職人による緻密な造りや、ラグジュアリーなスタイルを備えたタイムピースに人気が集まっています。
新たな時代を迎えた日本の時計ブランド、おすすめする10ブランドをご紹介しましょう。
1.カンパノラ(CAMPANOLA)
出典:campanola.jp
コスモサイン
CTV57-1231
宙空の美をデザインコンセプトとして腕時計に宇宙を再現するカンパノラは、シチズンが展開するサブブランドの一つ。一点一点のパーツに徹底してこだわり、漆塗りの技法や高精度な電気鋳造などの技術を取り入れたタイムピースを造り出しています。
コレクションは複雑機構を搭載する「コンプリケーション」や、星空を再現する「コスモサイン」など5ラインを展開。スイス製の機械式キャリバーを搭載するモデルや、シチズンのエコ・ドライブを搭載するモデルもあります。
ご紹介するのは「コスモサイン」コレクションの「CTV57-1231」で、ダイヤルに精密な星座盤・月盤を再現したモデル。北緯35度の全天星座をはじめ1027個の恒星と166の星雲・星団をレイアウト、星座位置早見機能をはじめ様々な機能を備えます。比喩ではなく正にその腕に宇宙を再現する魅惑の国産タイムピースです。
【スペック】
タイプ:クオーツ
サイズ:44.0×14.5(mm)
防水 :日常生活用防水
機能 :星座位置早見機能、北緯35度全天星座表示、その他
価格 :250,000円(税別)
2.シチズン(CITIZEN)
出典:citizen.jp
ザ・シチズン
AQ4030-51A
大正7年(1918年)に設立された尚工舎時計研究所を端緒とし、”市民に愛され親しまれる”想いを表すブランド名を持つシチズン。自社一貫製造ができるマニュファクチュールで、アメリカのブローバやスイスのフレデリック・コンスタントを傘下に収めています。独自の光発電システムエコ・ドライブを擁し、新たに大阪なおみ選手をアンバサダーに迎えました。
コレクションは代表的な「エコ・ドライブ ワン」や「ザ・シチズン」をはじめとした11ラインと、6ラインのサブブランドを展開します。
ご紹介するのは「ザ・シチズン」コレクションから「AQ4030-51A」で、エコ・ドライブを搭載するモデル。ダイヤルにはレイヤー構造で伝統工芸品の土佐和紙を採用するという画期的な設え、旭光模様を表現する和紙独特の風合いを醸しだします。適度に光を透過する和紙だからこそ造ることができた日本発の1本です。
【スペック】
タイプ:クオーツ
サイズ:38.4×12.5(mm)
防水 :10気圧
機能 :デイト表示、その他
価格 :370,000円(税別)
3.グランドセイコー(Grand Seiko)
ヘリテージ
SBGA401
国産で最高級の腕時計を製造することを目指して昭和35年(1960年)に誕生したグランドセイコー。GS規格と呼ばれる厳格な検査基準をクリアした製品のみが世に送り出されており、高精度と高品質を追求した国産高級時計の代名詞として知られています。平成16年(2004年)には第3のムーブメントとして、機械式とクオーツを融合したスプリングドライブ搭載モデルをリリースしました。
コレクションは「エレガンス、ヘリテージ、スポーツ」の3ラインを展開しています。
ご紹介するのは「ヘリテージ」コレクションの新作「SBGA401」で、セイコーフラッグシップサロンとブティック限定のモデル。精緻な模様が施されたブラックダイヤルにピンクゴールドの針とインデックスをセット、3時にデイトを、7時にスプリングドライブのパワーリザーブを表示します。ケースバックにはブランドを象徴する獅子を刻印、国産高級時計を代表するブランドの1本です。
【スペック】
タイプ:スプリングドライブ
サイズ:41×12.5(mm)
防水 :10気圧
機能 :デイト表示、パワーリザーブ表示
価格 :520,000円(税別)
4.ケンテックス(KENTEX)
トゥールビヨン
トゥールビヨン クラシックグランド2
平成元年(1989年)にOEM供給を行うウォッチメーカーとして設立され、現在では熟練した技術を持って自社ブランドを展開するケンテックス。開発から製造まで全て国内で行っており、妥協のない高品質な製品を造り出しています。
コレクションは自衛隊へのリスペクトから生まれた「JSDF」の各シリーズをはじめ、国産初の「トゥールビヨン」など14ラインを展開します。
ご紹介するのは「トゥールビヨン」コレクションから「トゥールビヨン クラシックグランド2」。精緻なギヨシェ彫りが施されたダイヤルは僅かにオフセットした独創的なデザイン、姿勢差を制御する複雑機構のトゥールビヨンを6時に搭載します。ケースサイドには桜と唐草模様のエッチングプレートをセットし、ケースバックはメカニカルを鑑賞できるスケルトン。限定数30本の逸品です。
【スペック】
品番 :E540M-02
タイプ:機械式
サイズ:42×9.4(mm)
防水 :3気圧
機能 :トゥールビヨン、サン&ムーン表示、デイト表示
価格 :540,000円
限定数:30本
5.ノット(Knot)
スクエア
SQ-32SVWH1
文化やライフスタイルを共有し、世界に発信する思いを持って吉祥寺で設立されたノット。開発から販売までスタッフが携わることで中間コストを削減し、国内生産にこだわるウォッチブランドです。15000種類から選べるカスタムオーダーを実現しており、ファッションのようにコーディネイトできる腕時計が手に入ります。
コレクションは9ラインを展開しており、クオーツやソーラーをはじめ機械式時計もラインナップします。
ご紹介するのはデザイン構想1年を経て生まれた「スクエア」コレクションの新作で「SQ-32SVWH1」。日本人の腕に似合うように設計された32mmのコンパクトなケースにホワイトダイヤルをセット、特徴的な針とアラビア数字&バーのインデックスを備えます。高品質な国産ムーブメントMIYOTA1L45を搭載するモデルです。
【スペック】
タイプ:クオーツ
サイズ:32×32(mm)
防水 :3ATM
価格 :15,000円(税別、ストラップ別売り)
6.ミナセ(MINASE)
HiZシリーズ ホライゾン
VM02-M02SB
切削工具メーカーの協和精工が平成17年(2005年)に立ち上げた時計ブランドのミナセ。工房がある秋田県皆瀬がブランド名の由来で、時計製造用の工具で培った高度な技術を活かして時計造りをしています。平成29年(2017年)にはオリジナルムーブメントの開発にも成功、日本のモノ造り精神を具現化するブランドです。
コレクションは「HiZシリーズ」と「マスタークラフトシリーズ」で、「HiZ」に3つのモデルラインを用意します。
ご紹介するのは「HiZシリーズ」の「ホライゾン」から「VM02-M02SB」。地平線をイメージしたケースやダイヤルデザインは薄く立体的、日本刀を想起させるケースサイドなど日本らしい造形美を感じさせます。組木細工をヒントにしたMORE構造で造られるブレスレットは全ての外装パーツが分割でき、傷んだ部分だけの交換が可能。ザラツ研磨によって美しく歪みのない鏡面加工を実現、100年愛されること目指すタイムピースです。
【スペック】
タイプ:自動巻き
サイズ:38×51×11.5(mm)
防水 :5気圧
機能 :デイト表示
価格 :450,000円(税別)
7.オリエントスター(ORIENT STAR)
クラシック スケルトン
WZ0041DX
昭和25年(1950年)に設立された多摩計器を端緒とするオリエントスター。クオーツウォッチ全盛期の時代にも機械式時計を造り続けたブランドで、秋田県羽後町に工房を構えて熟練の職人が高品質な時計を造り出しています。
コレクションは「クラシック、コンテンポラリー、スポーツ、レディース」の4ラインを展開しています。
ご紹介するのは「クラシック」コレクションの「スケルトン」から「WZ0041DX」。ラウンドシェイプのケースに伝統の波目・渦目模様が浮かび上がるスケルトンダイヤルをセット、12時にパワーリザーブを、6時にスモールセコンドを備えます。造形美と立体感が際立つ、日本のクラフトマンシップを感じる1本です。
【スペック】
タイプ:手巻き
サイズ:45.0×39.0×10.6(mm)
防水 :5気圧
機能 :パワーリザーブ表示、秒針停止装置
価格 :240,000円(税別)
8.セイコー(SEIKO)
アストロン
SBXC006
明治14年(1881年)に創業した服部時計店をルーツとするセイコー。明治25年(1892年)に時計工場の精工舎を設立して本格的な時計製造を開始、大正2年(1913年)には国産初の腕時計「ローレル」を発売しました。札幌や長野をはじめ多くのオリンピックで公式時計に採用された実績があり、日本を代表する時計ブランドです。
コレクションは「アストロン」や「プロスペック」などメインとプレミアムで13ラインを展開、「アルバ」や「アニエスベー」などの関連ブランドも取り扱います。
ご紹介するのは世界初のGPSソーラーウオッチ「アストロン」から「SBXC006」。純チタンとセラミックをケース素材に採用し、ローズゴールドダイヤシールドのコーティングを施しています。精悍なブラックダイヤルに立体感のあるバーインデックスを備え、3つのスモールセコンドをセット。GPS衛星電波を受信することで正確な時を刻むことができ、パーペチュアルカレンダーやワールドタイムなど多彩な機能も搭載するモデルです。
【スペック】
タイプ:ソーラークオーツ
サイズ:50.7×42.9×12.2(mm)
防水 :10気圧
機能 :GPS衛星電波修正、パーペチュアルカレンダー、ワールドタイム、その他
価格 :230,000円(税別)
9.リコーエレメックス(RICOH ELEMEX)
タカノ
715001-06
昭和13年(1938年)に精密加工部品など手掛けるメーカーとして創業した高野精密工業をルーツとするリコーエレメックス。昭和34年(1959年)には当時世界最薄といわれた腕時計「タカノシャトー」をリリース、現在では振動アラーム付きの腕時計など独創的なモデルをラインナップしています。
コレクションは創立80周年を記念する「タカノ」をはじめ「リマインダー」など7ラインを展開しています。
ご紹介するのは「タカノシャトー」をオマージュする「タカノ」から「715001-06」。長年にわたって受け継がれてきた技術を結集し、クラシカルなデザインをコンテンポラリーにアレンジしています。ケースやラグには高度な技術を要するザラツ研磨を施し、ガラスにはボックス型加工をすることでクラシカルなイメージを表現。ダイヤルにはボンベ文字盤を採用しエングレービングでアワーマーカーを表示、国産ハイビートムーブメントを搭載するタイムピースです。
【スペック】
タイプ:自動巻き
サイズ:46.4×38.0×9.4(mm)
防水 :日常生活用防水
価格 :150,000円(税別)
10.トゥルーム(TRUME)
出典:www.epson.jp
C コレクション
TR-MB5002
昭和17年(1942年)に時計の部品製造や組み立て工場として創業したエプソンが展開するトゥルーム。最先端の技術によってアナログ時計を極めることを目指すブランドで、ブランド名はTRUE:真実+ME:自分に由来します。
コレクションはアビエーションやパイロットウォッチの「S コレクション」をはじめ、4ラインを展開しています。
ご紹介するのはアーバンスタイルの「C コレクション」から「TR-MB5002」。精悍なオールブラックの設えで、ケースには表面硬化のためプロテクトコーティングを施しています。センサーはGPSと準天頂衛星システムのみちびきに対応して正確な時刻を表示。ストップウォッチやパーペチュアルカレンダーをはじめ多彩な機能を搭載、国産腕時計の技を受け継ぐタイムピースです。
【スペック】
タイプ:ライトチャージクオーツ
サイズ:57.2×45.9×15.5(mm)
防水 :10気圧
機能 :自動時刻受信、ストップウォッチ、パーペチュアルカレンダー、その他
価格 :185,000円(税別)
高い品質に和のスタイルを備えた日本製の腕時計
高品質や高精度そして実用的といわれた日本製の腕時計ですが、伝統工芸の技をはじめ和のテイストを取り入れることで唯一無二のタイムピースが造り出されています。新しい時計を求める際の参考にいかがでしょうか。
※ 掲載内容は執筆時点、スペック・価格等は参考で変更になる場合があります。
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この記事のライター
信州の曲者が集まるCLUB Autistaに所属する道楽者。車と酒と湯を愛し、ひと時を執筆に捧げる。