これだけは知っておきたい!超有名な交響曲オススメ名曲10選【クラシック音楽】
クラシック音楽といえばシンフォニー!今回は交響曲の中でももっとも有名な10曲を選びました。
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アイキャッチ画像出典:ninchisho-online.com
クラシック音楽といえば、交響曲
クラシック音楽で最も耳にする機会の多い交響曲。現在まで名を残す有名作曲家たちが最も力を入れて作曲したのも交響曲です。クラシック初心者なら、まずは交響曲を聴いていきたいところですね。今回はその交響曲の中でも最も有名な10曲をまとめてみました。
ドヴォルザーク:交響曲第9番『新世界より』
アントニン・ドヴォルザーク作曲、交響曲第9番『新世界より』
テレビCMなどでもこの曲の第2楽章、第4楽章のテーマがよく用いられていますね。新世界とはアメリカのこと。新世界アメリカに滞在していたドヴォルザークが故郷ボヘミアに向けて作った曲です。彼はボヘミアの音楽とアメリカ黒人の音楽が似ていることに刺激を受け、この楽曲を作成したと言われています。そのためボヘミアやアメリカ黒人の古い民謡のモチーフがふんだんに取り入れられています。
第1楽章 Adagio - Allegro molto
第2楽章 Largo
第3楽章 Scherzo - Molto vivace
第4楽章 Allegro - Presto
シューベルト:交響曲第7番『未完成』
実は、シューベルトの交響曲第7番は時代によって、その都度変化しています。なぜならこの交響曲がその名の通り「未完成」だから。時代によってこの曲がいつかかれたか、解釈が異なってきたんですね。少し前までは、交響曲第8番として知られていました。
この交響曲、未完成ながら三大交響曲の一つとして知られています。その理由は…。そんなことはもちろん聞けばわかります!シューベルト特有の美しい響き、物悲しさがふんだんに取り入れられています。私がこの曲を聞いたのは14歳のころなのですが、初めて聞いた時の感動は今も忘れていません。未完成のまま残っていなかったらこれほど有名にはならなかったでしょう。
第1楽章 Allegro moderato
第2楽章 Andante con moto
第3楽章 Allegro (未完)
チャイコフスキー:交響曲5番
ピョートル・チャイコフスキー作曲、交響曲第5番。チャイコフスキーの作品は聞く人が赤面してしまうほど情緒的。聞けば彼が何を考えてこのフレーズを作り出したのかわかってしまいそうです。情熱、悲哀、喜び、全てを直球勝負で語りかけてくるような音楽。この交響曲第5番は特にその傾向が強いですね。第一楽章のクラリネットによる『運命の動機』に始まる暗澹性。第二楽章のホルンの美しい調べ。第三楽章のワルツ。第四楽章の豪快さ。まさに名曲です。
第1楽章 Andante - Allegro con anima - Molto più tranquillo
第2楽章 Andante cantabile, con alcuna licenza - Moderato con anima - Andante mosso - Allegro non troppo - Tempo I
第3楽章 Valse. Allegro moderato
第4楽章 Finale. Andante maestoso - Allegro vivace (Alla breve) - Molto vivace - Moderato assai e molto maestoso - Presto
ベートーヴェン:交響曲第5番『運命』
ダダダダーン!!!
ベートーヴェンはこのフレーズだけでこの曲を作ってしまうのですからやはり天才です。
世界三大交響曲の一つとしても数えられる有名すぎる交響曲、ベートーヴェン作曲交響曲第5番『運命』。
有名な「ダダダダーン」というのは「運命の動機」と呼ばれています。この「運命の動機」は第一主題として使われるだけでなく、第二主題、第三主題、と様々な主題が登場してもなお、バックでまとわり続けます。この「運命の動機」が穏やかな旋律の裏に流れ続けることによって、この交響曲に緊張感を生み出ているのですね。
第1楽章 Allegro con brio
第2楽章 Andante con moto
第3楽章 Allegro. atacca
第4楽章 Allegro - Presto
ベートーヴェン:交響曲9番
ベートーヴェンの「第九」!みなさんは「第九」を聴いたことはあるでしょうか?
「第九」といえば年末に聞くことが多いですよね。でも実はこの風習は日本だけなんです。
NHK交響楽団がまだ有名でなかった頃、年末に「第九」を演奏して、大成功。それから日本では「第九」を演奏することが流行しはじめました。「第九」は合唱つきであることから「合唱」もしくは「合唱つき」として副題をつけられることが多く、4人の独唱もついています。これほど大編成なのにこれほど頻繁に演奏される交響曲は稀ですね。
第1楽章Allegro ma non troppo, un poco maestoso
第2楽章Molto vivace
第3楽章Adagio molto e cantabile - Andante moderato - Tempo I - Andante moderato - Tempo I - Stesso tempo
ブラームス:交響曲第1番
4曲あるブラームスの交響曲の中で最も有名な「交響曲第1番」。
ベートーヴェンを尊敬してやまないブラームスはベートーヴェンを超える交響曲を書こうと奮闘し、「ベートーヴェンの10番目の交響曲」と言われるほどの大曲を作曲することに成功しました。この曲の最初の短調の主題はなんだか「運命」と歩調が似ていますが、実は第一楽章の終盤では先ほどの「運命の動機」が使われています。本当にベートーヴェンを強く意識して作曲されている曲なのですね。
第1楽章 Un poco sostenuto - Allegro
第2楽章 Andante sostenuto
第3楽章 Un poco allegretto e grazioso
第4楽章 Adagio - Più andante - Allegro non troppo, ma con brio - Più allegro
マーラー:交響曲第1番
今流行りのマーラー!マーラーは今ではクラシック好きなら誰でも知っているような作曲家ですが、実は有名になったのは最近。マーラーの交響曲は編成が大規模すぎて、近年まではあまり演奏されることはありませんでした。しかもその曲の内容自体が難解!あまり評価されなかったのですね。
そんなマーラーの代表曲、交響曲第1番「巨人」。この曲は比較的編成が小さいことから最も演奏機会の多い交響曲です。この副題はジャンパウルの小説から取られた表題なのですが、作曲家本人は「これは適切な表題ではない」と言って破棄したのだとか。ただ、重々しい第一主題からこの副題をつけた人の気持ちもなんだか察せますよね。
第1楽章 Langsam, Schleppend, wie ein Naturlaut - Im Anfang sehr gemächlich
第2楽章 Kräftig bewegt, doch nicht zu schnell
第3楽章 Feierlich und gemessen, ohne zu schleppen
第4楽章 Stürmisch bewegt
モーツァルト:交響曲第39番、第40番、第41番
モーツァルトの三大交響曲第39番、第40番、第41番。その中でも交響曲第40番は数ある交響曲の中でもたった二曲しかない短調の曲。これらの三曲、動画を見ての通り全部で二時間もの大曲なのですが、たった6週間で書かれたと言われています。映画「アマデウス」をご覧の方はご存知かもしれませんが、この交響曲は死の直前に書かれた晩年の曲。最期までいかに精力的に作曲を続けていたかが伺えます。
ベルリオーズ:幻想交響曲
ベルリオーズ作曲「幻想交響曲」。今までこの記事をご覧の方にはわかると思いますが、今までの曲には交響曲ごとに表題がつけられていましたが、この曲には楽章ごとに表題がつけられています。
第一楽章:「夢、情熱」
第二楽章:「舞踏会」
第三楽章:「野の風景」
第四楽章:「断頭台への行進」
第五楽章:「魔女の夜宴の夢」
大変珍しいことにこの交響曲にはストーリーがついています。ベルリオーズ自身が失恋経験を告白するために作られた交響曲なのです。アヘンと恋に溺れた病的な感受性と激しい想像力を持った作曲家による劇的で「サイケデリック」な交響曲です。
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番
ドミトリイ・ショスタコーヴィチは旧ソビエト連邦の作曲家。この曲を書く以前には「体制への反逆者」として扱われていた彼が自身の名誉を取り戻すために、革命20年を記念して書いた交響曲です。この曲はある意味「わかりやすい音楽」となっていて、今までの先進的で前衛的な交響曲とは異なり、古典的な構成となっています。この曲の作曲以後、ショスタコーヴィチは名誉を徐々に取り戻していきます。特に第四楽章が有名で、力強く迫力ある曲になっています。少しジョンウィリアムズのスターウォーズに似たフレーズなどもあり、大衆受けした理由がわかりような気がしますね。
第1楽章Moderato - Allegro non troppo
第2楽章Allegretto
第3楽章Largo
第4楽章Allegro non troppo
時代ごとに色が異なる
いかがでしたか?今回はモーツァルトからショスタコーヴィチまで幅広い時代の有名な交響曲を集めてみました。モーツアルトとショスタコーヴィチやベルリオーズを聞き比べてみるとかなり違いがありますよね。1750年と1970年の音楽を比べているのですから当たり前なのですが。。。日本では印象派の音楽が好まれるので20世紀前半の音楽を聴く機会が多いかと思いますが、やはり時代を超えて伝わってきたものだけあって、18世紀音楽には18世紀音楽の良さが19世紀音楽には19世紀音楽の良さが必ずあります。色々な交響曲を聴いてお気に入りの交響曲を探してみてくださいね。
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この記事のライター
クラシック音楽と文学と少々のお酒をこよなく愛する20代。現在は筋トレにハマりはじめている。慶應義塾大学在学中。