映画からお洒落を学ぼう!スーツがかっこいい洋画おすすめ10選
できる男の戦闘服、スーツ。いつも着るスーツも、特別な時に着るスーツも、やっぱり誰よりもお洒落にクールに着こなしたいもの。今日は格好いいスーツスタイルを観ることのできる映画を10選、ご紹介したいと思います!
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アイキャッチ画像出典:www.bbc.com
大人のスーツスタイルは、映画から学ぼう!
時代によって、国によって変化をとげてきたスーツ。ぴしっと決まった紳士のスーツ姿は、同性から見ても心惹かれるものがありますよね。フォーマルからスタンダードまで、映画の中で様々な着こなしを見せてくれる映画スターたち。
今回はファッション誌を見ているかのような、おしゃれなスーツスタイルを観ることができる映画を10選ご紹介します。ぜひこれらの映画の中から自分のお気に入りのデザインを、また真似できそうな着こなしを探してみてくださいね!
1. 裏切りのサーカス (2011)
作品概要・あらすじ
舞台は東西冷戦時代、イギリス。主人公ジョージ・スマイリーは、英国諜報部“サーカス”に所属するスパイ。上司であるコントロールとともに引退したスマイリーは、サーカスに潜むソ連の二重スパイ“もぐら”の正体を暴くことに。もぐらの候補は4人のサーカス幹部たち。果たして彼がたどりついた二重スパイの正体とは・・・
『ハリー・ポッター』シリーズのゲイリー・オールドマン、『英国王のスピーチ』のコリン・ファース、ドラマ『シャーロック・ホームズ』シリーズのベネディクト・カンバーバッチなど、イギリスを代表する俳優が勢ぞろいしている『裏切りのサーカス』。洗練されたストーリーはもちろん、登場するスーツも魅力的なんです。
衣装協力はポール・スミス!
この『裏切りのサーカス』は、ポール・スミスが衣装に携わったのだとか。それぞれのキャラクターの性格を表現しているスーツは、派手派手しさはなくとも洗練された大人の魅力が満点です。
主人公スマイリーは、落ち着いた色合いの渋いスーツ。ベネディクト・カンバーバッチ演じるサーカス諜報部員ギラムは、若々しいブルーのネクタイを。スーツだけではなく、街並みやインテリアなどからも当時のイギリスの雰囲気やスパイたちの様子を感じ取ることができます。難解なストーリーですが、登場人物たちのファッションに注目すると物語が読み取りやすくなるかも・・・?英国紳士たちのスパイ合戦『裏切りのサーカス』、細部までゆっくりとお楽しみください。
公開 : 2012年4月21日
監督 : トーマス・アルフレッドソン
出演 : ゲイリー・オールドマン、コリン・ファース、ベネディクト・カンバーバッチ
2. 狙撃者 (1971)
作品概要・あらすじ
同じくイギリス映画の『狙撃者』。ロンドンの大物ギャングたちが暗躍する、クールなサスペンス映画です。
地下組織に所属する主人公のカーターが、事故で死亡した兄のフランクの葬儀に出席するために故郷へ戻ってきたところから始まる物語。しかし、その事故は実は故郷の組織によって仕組まれたもので・・・
カーターを演じるのは『ダークナイト・ライジング』や『インターステラー』など、近年も活躍し続けるベテラン俳優マイケル・ケイン。そのスタイリッシュなバイオレンス・アクションは、今もなおカルト的人気を誇っています。
ダークヒーローの戦闘服“スーツ”
兄の復讐のために立ち上がる凄腕ギャング、主人公のカーター。彼が身をつつむのはネイビーのスリーピースや、黒のスーツにトレンチコート。そのシンプルな着こなしが、“セクシーな悪い男”といった雰囲気を漂わせています。そんな ギャングのファッションをしめくくるアクセサリーは、もちろんショットガン!どんな気分の時に観てもワクワクさせられてしまいます。
カーチェイスあり、銃撃戦あり、犯罪映画でいて心理戦も楽しめるこの映画。イギリスの暗黒社会に生きる男たちを、とことんスタイリッシュに描ききった作品です。男のロマン満載の『狙撃者』、おいしいウイスキーを片手にご覧になってみてはいかがですか?
公開 : 1972年2月11日
監督 : マイク・ホッジス
出演 : マイケル・ケイン
3. チャイナタウン (1974)
作品概要・あらすじ
舞台は1937年のロサンゼルス。私立探偵のジェイクはある日、“モーレイ夫人”と名乗る人物から彼女の夫の浮気調査を依頼されます。すぐに夫の浮気の証拠をつかみ、写真におさめるジェイクでしたが隠し撮りしたはずの写真がなぜか新聞に掲載。おまけにその夫は殺され、本物のモーレイ夫人であるエヴリンが登場します。
次々と起こる不可解な事件、なぜモーレイは殺されたのか?最初に夫人を名乗った女性とは?ジェイクは独自で謎に迫りますが、どんどん異常な事実が浮かびあがってきて・・・
主人公ジェイクを演じるのは、ホラー映画『シャイニング』の怪演でおなじみのジャック・ニコルソンです。
語り継がれるハードボイルド映画の傑作
画面から伝わるそのクオリティ、繊細なディティールは映画により深みを与え、ハードボイルドな空気を醸し出しています。当時のアメリカの空気を感じ取ることができるデザイン、そして今でも真似できそうな変わらない男のスーツスタイル。70年代を代表するファッショナブルなミステリー映画です。
作品全体に漂う虚無感や退廃感。そしてキャラクターをより印象付ける個性的なスーツ。アカデミー賞5部門を受賞したフィルム・ノワールの傑作『チャイナタウン』。ぜひスーツにも注目しながら、ご覧ください。
公開 : 1975年4月12日
監督 : ロマン・ポランスキー
出演 : ジャック・ニコルソン、フェイ・ダナウェイ
4. ゴッドファーザー (1972)
作品概要・あらすじ
誰もが知るギャング映画の名作といえば、『ゴッドファーザー』シリーズ。イタリア人マフィアの家族の愛と悲劇を描いた物語で、映画史に名を刻む傑作です。
主演は『欲望という名の列車』『地獄の黙示録』など、数え切れないほどの名作映画に出演している俳優マーロン・ブランド。マフィア一家の中で1人堅気の人生を歩みたいと願っている三男役にはアル・パチーノ。シリーズ2作目には、ロバート・デ・ニーロも出演しています。
絵画のような重厚感あふれる映像、音楽、緻密な脚本・・・どこをとっても“完璧”といえる、世界中で愛され続ける映画です。
イタリアン・マフィアの着こなしとは・・・
ストーリーはもちろん、ファッションも大きく注目された『ゴッドファーザー』。衣装へのこだわりはただらぬもので、全てブランドはイタリア製のもので統一したそう。まだインターネットが普及していなかった公開当時は、この『ゴッドファーザー』を観てファッション界に入ったという男性も多いそうです。
様々なスーツが登場する『ゴッドファーザー』ですが、ギャングらしく横幅の大きなゆったりとしたデザインが特徴。マーロン・ブランド演じる“ゴッドファーザー”はネイビーやダークグレーのスーツに赤茶のタイを、アル・パチーノ演じる息子はコーデュロイの柔らかそうなジャケットを・・・シリーズを通してキャラクターたちのファッションが少しずつ変わっていくのも観ていて楽しめます。きっと今も色あせない、男らしい魅惑的なスタイリングに出会えるはずです!
公開 : 1972年7月15日
監督 : フランシス・フォード・コッポラ
出演 : マーロン・ブランド、アル・パチーノ、ジェームズ・カーン
5. シングルマン (2009)
作品概要・あらすじ
先ほどご紹介した『裏切りのサーカス』にも出演するコリン・ファースが主演を務める作品が『シングルマン』です。
同性愛の恋人を失った大学教授のジョージ。悲しみから立ち直ることのできない彼は、「今日を人生最後の日にしよう」と決め、ピストル自殺を企てます。銃を手に入れ銃弾をつめ、準備を進めるジョージ。しかし彼の教え子の青年、ケニーがジョージにゆっくりと歩み寄りを見せていて・・・
『シングルマン』を手がけたのはアメリカの著名なファッションデザイナー、トム・フォード。彼が監督したとあって、『シングルマン』はそのストーリーはもちろんのこと、どこを切り取ってもファッショナブルな作品です。
トム・フォードが魅せる、“男の色気”
コリン・ファース演じる主人公ジョージと、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』などに出演するニコラス・ホルト演じるケニーの衣装は、トム・フォード自身がミラノでデザインしたものなのだとか。自身も同性愛者であるトム・フォードが手がけたとあって、この『シングルマン』は“男の色気”でいっぱいです。コリン・ファースの渋い男の色気、ニコラス・ホルトの爽やかで初々しいセクシーさ。ジョージが着ているスーツは品に満ち溢れており、生地の触り心地などもすべて映像から伝わってくるようです。
愛する者の死によってもたらされる喪失と悲壮を、美しく描ききった『シングルマン』。ただおしゃれなだけではない重厚な人間ドラマに、きっと胸が熱くなることでしょう。
公開 : 2010年10月2日
監督 : トム・フォード
出演 : コリン・ファース、ニコラス・ホルト、ジュリアン・ムーア
6. レザボア・ドッグス (1993)
作品概要・あらすじ
『トゥルー・ロマンス』や『パルプ・フィクション』、『イングロリアス・バスターズ』を手がけるクエンティン・タランティーノの初監督作品がこの『レザボア・ドッグス』です。
強盗のために集められた、お互いを知らない6人の男たち。彼らは色を使ったコードネームで互いに呼び合い犯罪を実行しますが、なぜか警察が事前にこの事件を把握していました。いったい誰が“もぐら”だったのか?時系列がバラバラに描かれており、だんだん事件の全貌が明らかになっていく様がなんとも小気味良い映画です。
“くたびれ感”が格好いい
素性を知らない6人の男たちが集められ、宝石店の強盗に向かう。警察がすでにまちかまえており、1人が重症を負ってしまう。この中に警察はいるのか?なぜ計画はばれていたのか・・・?そんなクライム映画である『レザボア・ドッグス』ですが、6人が着ているシンプルな黒のスーツ姿がなんとも格好いいんです。
少しくたっとした印象の黒のジャケットに、同じく黒のネクタイ。決して細かいディティールが施されているわけではないのに、その飾らなさがとても粋。煙草をふかしながら並んで歩く姿に何だかワクワクさせられてしまうはず!タランティーノ監督らしいぶっとんだ過激な描写、1度は耳にしたことのある軽快な音楽で彩られた『レザボア・ドッグス』。スタイリッシュな犯罪映画なんて、観るしかありません!
公開 : 1993年4月24日
監督 : クエンティン・タランティーノ
出演 : ハーヴェイ・カルテル、ティム・ロス、スティーヴ・ブシェミ
7. スティング (1973)
作品概要・あらすじ
舞台は1930年代、シカゴ。ある日詐欺師の3人組がいつものようにお金を騙しとったところ、それは思いもよらない大金でした。悪い予感は的中、そのお金はギャングのもの。起こったギャング組織は詐欺師の1人を殺害してしまいます。仲間たちは報復のために、ギャング相手に一世一代の大博打にでて・・・ユーモラスにスピーディに進んで行く予期できないストーリー、そしてあっと驚くラストとは?痛快で興奮が冷めやらない、第46回アカデミー賞作品賞受賞作品です。
ファッションも結末も見逃せない!
個性豊かな登場人物のキャラにぴったりな、『スティング』のスーツ。物語の主役であり、若い詐欺師のフッカーが着ているのはタイトなズボンにジャケット。フッカーの父親代わりであるルーサーという人物は、ツイードの柔和な印象を与える、暖かそうなスーツ。世代や立場によって多種多様な着こなしをみせているところが何とも面白いです。
スーツに注目していれば、誰がどんな性格で、誰が1番“詐欺師”っぽいかわかってしまうかも?この『スティング』はアカデミー賞作品賞だけでなく、衣装デザイン賞も受賞しています。
公開 : 1974年6月15日
監督 : ジョージ・ロイ・ヒル
出演 : ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、ロバート・ショウ
8. ダーティハリー (1971)
作品概要・あらすじ
舞台はサンフランシスコ。ある日、ホテルの屋上のプールで泳いでいた女性が何者かに狙撃されるという事件が発生しました。捜査をまかされたのは、通称“ダーティハリー”ハリー・キャラハン刑事。“スコルピオ(さそり)”と名乗る犯人は「10万ドル用意しなければ、市民を殺し続ける」と宣言。その言葉通り連続殺人を繰り返すさそりでしたが、ハリー刑事と相棒のチコはじょじょに犯人に近づいていって・・・?
名俳優であり監督である、クリント・イーストウッドが40歳の時に主演を務めた代表作です。たいへん人気を集めた今作はシリーズ化され、全部で5作製作されました。
クリント・イーストウッドが魅せるカジュアルスタイル
『ダーティハリー』で見ることができるのはスーツはもちろんですが、カジュアルなジャケットスタイル。クリント・イーストウッド演じるハリー刑事がが劇中着ているのはツイードのジャケットや細身のパンツ、そして合わせるのは赤茶色のネクタイ。現代でいう“ビジネスカジュアル”なんです!目上の人に会うとき、捜査で動きやすい服装を必要とするとき・・・まさに“TPO”に合わせた着こなしを披露しているんです。
どんなスタイルでも品があり、小洒落たこなれ感が見える。そんなファッションを知りたいときは、ぜひ『ダーティハリー』のクリント・イーストウッドから学んでみてはいかがですか?
公開 : 1972年2月26日
監督 : ドン・シーゲル
出演 : クリント・イーストウッド、ハリー・ガーディノ
9. 007シリーズ (1962〜)
作品概要・あらすじ
スパイ映画といえばやっぱりこれ。イギリス秘密諜報部の工作員、ジェームズ・ボンドの活躍を描いた『007』シリーズ!半世紀以上も老若男女問わず愛され続け、今までに20作品以上も製作されているのは、ストーリーはもちろん細部までに行き届いたそのこだわりにあります。葉巻やメガネ、自動車にスパイには欠かせない拳銃・・・そしてもちろん、スーツ!今までにボンドを演じた俳優は計6人。現在ボンド役を務めているのはダニエル・クレイグです。英国紳士らしいスマートな着こなしながら、“ジェームズ・ボンドらしい”『007』の世界観にマッチしたそのスーツは注目の的となっています。
いつの時代も愛される“ボンド・スタイル”!
1995年公開のシリーズ17作目、ピアーズ・ブロズナンが務めた『007 ゴールデンアイ』から、ダニエル・グレイグのシリーズ21作目『007 カジノロワイヤル』までボンドが着用したのは、イタリアのスーツブランド“ブリオーニ”。英国紳士のボンドがイタリア製のスーツだとイメージが変わるのでは・・・という声もあがりましたが、よりセクシーなボンドになったと大評判を呼びました。
『カジノロワイヤル』以降、最新作『スペクター』までシリーズにスーツを提供しているのは“トム・フォード”。体にぴったりとフィットした、タイトでよりスタイリッシュな着こなしを披露しています。俳優が変わっても時代が変わってもその“ボンドらしい”スタイルをみることができるのは、たくさんのこだわりが詰まっているこそ!ぜひファッションにも注目しながら、『007』シリーズ、観返してみてはいかがですか?
公開 : 1962年〜2015年
1代目ボンド : ショーン・コネリー
2代目ボンド : ジョージ・レーゼンビー
3代目ボンド : ロジャー・ムーア
4代目ボンド : ティモシー・ダルトン
5代目ボンド : ピアーズ・ブロスナン
6代目ボンド : ダニエル・ クレイグ
10. 北北西に進路を取れ (1959)
作品概要・あらすじ
最後にご紹介したいのは『サイコ』や『めまい』などを手がけるホラー・サスペンス映画の巨匠、アルフレッド・ヒッチコック監督による作品『北北西に進路を取れ』です!
主人公は広告マンの男、ロジャー。ある日彼はキャプラという男に間違えられ、タウンゼントを名乗る謎の人物に誘拐されてしまいます。そして人違いであるということが分かると、あやうく自分が殺されそうに。後日タウンゼントが勤めていたときく国連ビルに向かったロジャーですが、そこにいたタウンゼントは全く別の人物でした・・・1人の男がやがて国際的な大陰謀に巻き込まれていく、ヒッチコック監督の王道クライム映画です。
顔に合わせてスーツを調節?
ヒッチコック監督は何でも、時代遅れに見えないよう自分の映画の衣装に入念に気をくばっていたとのことでした。この『北北西に進路を取れ』は、監督自らがスーツのデザインに一部携わったそうです。何でもケーリー・グラントの顔の大きさに合わせて、スーツの幅をギリギリで調節させたのだそう。
劇中で着ているのはシンプルなように見えて、実は細かいグレンチェックのこだわりなスーツ。ライトグレーのネクタイやグレーのソリッドタイの組み合わせは、監督の思惑通り今観ても新鮮な着こなしに見えます。国際的な陰謀に巻き込まれてしまったロジャーの運命はいかに?ダンディな主人公と一緒に、謎解きアクションを体験してみてくださいね!
公開 : 1959年9月17日
監督 : アルフレッド・ヒッチコック
出演 : ケリー・グラント、エヴァ・マリー・セイント
“映画”で自分だけの着こなしを発見して!
いかがでしたでしょうか。今回は面白いストーリーに加え、キャラクターたちのお洒落なスーツも楽しめる映画もご紹介しました。“大人の男”の制服、スーツ。時にセクシーに時に鎧のように、タイトに着るのも外して着るのも格好いい。ぜひ自分だけの個性的なスタイルをみつけたい!という時は、映画の主人公たちからスタイリングを学んでみてくださいね!
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フリーライター。主に映画のことについて執筆中。