少年探偵団だけじゃない!大人が楽しむ江戸川乱歩作品4選
「明智小五郎シリーズ」のイメージが強い江戸川乱歩ですが、幻想的な小説も多数書いています。独特の怪奇的でどこかエロティックな雰囲気をまとった作品は、現代でも多くのファンを獲得し続けています。今回はそんな江戸川乱歩のおすすめ作品をご紹介します。
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「明智シリーズ」だけではない乱歩の世界
江戸川乱歩というと「明智小五郎」が最初に浮かぶものです。
明智と一緒に少年探偵団が登場する子供向けの作品を読んだことがあるという方も多いのではないでしょうか。
しかし乱歩は推理小説に留まらず、大人向けのミステリアスな小説や幻想的な小説も多数書いています。
人間椅子
作家である女性は、椅子職人から不思議なファンレターを受け取ります。
その内容は「ふとした思いつきから、肘掛け椅子の中に入るようになった」というものでした…。
「人間椅子」というタイトルのインパクトも凄いですが、「椅子の中に人間がいる」というなんとも言えない「感触」をひしひしと感じさせる作品です。
芋虫
戦争によって体を動かせなくなった男と、その妻の顛末を描くストーリー。
妻の狂気的な部分を執拗に描いており、嗜虐的な雰囲気にはどこかエロティックさも漂っています。
短編なのでボリュームは少なめですが、読み終えた時にはそのパンチ力に圧倒されます。
パノラマ島奇譚
自分にそっくりの大富豪が病死。
彼になりかわり、ある島を「パノラマ島」という夢の島へと作り替えていく青年の顛末を描く物語です。
ティム・バートンの映画のような、怪奇的で不思議な夢の世界の感覚を楽しめます。
孤島の鬼
乱歩ナンバーワンという評価も高い長編。
恋人が謎の死を遂げ、謎を追ってある島へと向かった主人公は、恐ろしい世界へと足を踏み入れることになります。
形としては推理小説ですが、怪奇的・幻想的な要素がふんだんに盛り込まれており、そのグロテスクさが魅力となっている作品です。
幻想的ながら読みやすい乱歩の小説
もはや「古典」の域に達している江戸川乱歩の作品ですが、基本的に口語的な文体を使ったものが多く、読み進めやすいのが特徴となっています。
「明智シリーズ」にハマるのと同様、これらの作品も1冊読むとまた1冊、と「乱歩ワールド」にハマっていくことでしょう。
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