【懐かしのあのドラマも】大人の恋愛漫画の王道を征く。漫画家「柴門ふみ」作品3選
「東京ラブストーリー」「あすなろ白書」などのタイトルを見て懐かしさを覚える方も多いはず。こうしたトレンディドラマ(死語?)の人気タイトルの多くは柴門ふみという女性漫画家の手により生み出されたものです。
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大人の恋愛を語る上で外せない「柴門ふみ」という漫画家
お母さんに聞いてみよう
柴門 ふみ(さいもん ふみ、1957年1月19日 - )は、日本の漫画家、エッセイスト。徳島県徳島市出身。
バブル期に既発漫画がトレンディドラマの原作として使用される一方で、恋愛エッセイを数多く執筆。恋愛の巨匠、恋愛の教祖等と呼ばれた。ペンネームはポール・サイモンにちなむ。
夫は同じく漫画家の弘兼憲史。
例えば、彼女の代表作である「東京ラブストーリー」は1990年の作品。実は、今アラサーの方ですら知らない人もいるくらいで、むしろその母親世代がど真ん中ストライクなのです。
僕が柴門ふみ知ったきっかけも、実家の押入れから母親が集めていた柴門作品を見つけたこと。当時小学生だった自分には刺激が強い内容で、恐る恐るページをめくっていたのを覚えています。
大人の純愛、一夜の過ち、不倫、離婚などなど、30歳前後の方にとっては自身と重なる内容もあったりと、楽しめるのではないかと思っています。
ドラマ化された作品多数!柴門作品いくつわかる?
本コラムで紹介する作品も含めて、柴門ふみの作品を下記に列挙します(すべてを網羅してはいません)。あなたはいくつわかりますか?
なお、★が付いている作品はドラマ化もされています。
P.S. 元気です、俊平★
さっきまでパパがいた
同・級・生★
東京ラブストーリー★
新・同棲時代
あすなろ白書★
女ともだち
少女以上少年未満
Age,35★
非婚家族★
お仕事です!★
ブックエンド
九龍で会いましょう★
11月でも花火
小早川伸木の恋★
同窓生〜人は、三度、恋をする〜★
本当はもっと紹介したいのだけれど。柴門ふみ作品3選
※ネタバレあり、ご注意ください
東京ラブストーリー
内容を知らなくとも誰もが聞いたことのあるタイトル。四半世紀も前の作品ながら、恋愛と仕事それぞれで悩む登場人物の姿は今でも共感できるはずです。
愛媛から東京の広告代理店に就職した永尾完治と、完治の幼馴染で東京の私立医科大に通う三上健一は久しぶりに再会した。
東京に溶け込んでいる三上に対し、東京の生活に馴染めない完治。会社では上司の和賀夏樹に説教され、同僚でアフリカ育ちの赤名リカに「カンチ」と呼ばれ振り回される日々。
三上は大学にも真面目に通わず、周囲からも浮いていた。長崎尚子はそんな三上を毛嫌いするが、なぜか冷たくもできない。
そんなある日、完治は高校時代に思い続けていた関口さとみと再会したのだった。
今なお語り継がれる柴門ふみの圧倒的人気作品です。
奔放なヒロイン赤名リカとその恋人である永尾完治を中心とした男女の恋愛模様を描いており、同級生との再会からの浮気、既婚者上司との不倫、許婚、結婚式直後に元彼のところに脱走などなど、恋愛諸問題全部乗せのような内容となっています。この作品だけでがっつり1本のコラムになると思います。
ドラマ化もされ、リカの「ねえ、セックスしよ!」というド直球のセリフはお茶の間に衝撃を与えました。なお、この「セックスしよ」というセリフは、取引先からのセクハラに耐えて契約を獲得したリカが、その辛さから完治に話したものです。決して能天気に発した言葉ではありません。
Age,35
人生の折り返し地点あたりにさしかかった35歳という年齢。仕事でもある程度実績を作り、人並みに家庭も持った、そんな年齢。
食品会社で営業課長を務める英志は35歳。職場結婚した同い年の妻朱美、7歳の双子の子供たちと温かい家庭を築いていたが、その裏では常務秘書のミサと不倫の関係を続けていた。ある日、ミサに別れを切り出そうとしたところ、妊娠を告白され動揺する。同じ頃、朱美は大学の同級生だったシンと12年振りに街で再会する。
こちらもドラマ化された有名作品です。
ストーリーをざっくり紹介すると、「旦那が浮気→妻に発覚→妻も浮気→一家離散」という一見悲惨な流れになりますが、登場人物それぞれにある程度救いのあるラストとなっているので不思議と読後感は悪くないです。
綺麗で聡明な朱美という奥さんがいるにもかかわらず、なぜ英志は浮気をするのかと小学生の自分は憤慨しながら読んでいましたが、今改めて読み返すと何とも言えません。
柴門ふみ作品のほとんどに言えることですが、ご家庭をお持ちの方は漫画をきっかけに相手に対して不信感を抱くことのないよう、フィクションだと割り切って欲しいと思います。
新・同棲時代
結婚の一歩手前、同棲時代。
学生からover30まで、様々な男女の恋愛模様を描いた短編集です。
個人的に一番好きなこの作品についてはwikipediaすら無いのが悲しいところです。
・彼女の過去の結納写真を見つけて詮索し、結果別れることになってしまう男の話
・彼女の妹が元風俗嬢で、その妹と過去に関係を持ったことがあるのが彼女にバレて別れる男の話
・彼女が出て行ったあとにキュウリ入りのオムレツを作ってあまりの不味さに吐く男の話
・毎週火曜に人妻と関係を持ち、その関係が終焉を迎える時に、人妻の家にこれまでの情事の回数分「好きだ」というFAXを送信した男の話
・娘がリビングでピアノの「バイエル」を弾いている間に、2階で情事を繰り広げる人妻とメーカー社員の話
などなど
雑な紹介となりましたが、とにかく色々な種類のハッピーエンドやバッドエンド(バッドの方が多めでしょうか)があり、ひとつ位は自分と重ね合わせられる話があるものと思っています。
男性にこそオススメしたい
柴門ふみ作品のファンは女性が中心ですが、個人的には男性の方が楽しめるのではないかと思っています。なぜなら、男性主人公の目線で描いた作品が多数を占めているためです。
「この男と似たようなことをやって別れたことがある」「この男のようにはなるまい」、このような当事者意識を持って読み進められる男性こそ、柴門ふみ作品をより深く味わえるはずです。
また、本コラムで紹介している画像からもわかる通り、流行りの可愛らしい画風ではありませんが、読めば読むほど作品の雰囲気とマッチした味わい深い絵柄だと感じられるようになります。
それでは、充実した大人漫画ライフを過ごしていただければ幸いです。
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この記事のライター
慶應→金融→Web89年世代。幼少期からアニメと漫画に触れながら育ち、高校時代は2年半ほどネットゲームを毎日6時間以上という生活を送っていました。読みやすく納得感のあるものを書いていきたいと思っています。