東京都内で味わえる全国のご当地ラーメンの名店10選

【久留米】　くるめや　内幸町

最近では東京でも広く食べられるようになった豚骨ラーメンですが、そのほとんどは博多長浜系の豚骨ラーメンです。ただ、豚骨ラーメンの発祥は福岡県久留米市あり、久留米ラーメンといご当地ラーメンもあります。その特徴はただでさえ臭いや味わいに特長のある豚骨ラーメンを、さらに尖らせたラーメンです。そんな久留米ラーメンを東京で味わいたい方はくるめやに行ってみてください。

濃厚なスープが、適度な固さの細麺に絡みあい、一口一口がガツンときます。また、サイドに乗った紅ショウガがアクセントとなりスープの味わいを更に引き立てています。
濃厚な味わいと比較的強い臭いゆえに、万人受けすることはないと思います。ただ、好きな人にとっては一度食べると病みつきになってしまうほど中毒性の高いものです。
（東京の店舗は東京向けにアレンジしているため、それほど強い臭いは出していないです。現地ではもっと臭いと思われます。）

【富山】　富山ブラックラーメンだらんま 浅草店

一度は名前を聞いたことがあると思いますが、富山といえば富山ブラックという名前で知られるラーメンが有名です。富山ブラックはその名の通り、かなり醤油の強い黒いスープのラーメンであり、もともとは戦後復興作業に従事する若者向けに白飯と一緒に食べることを想定したラーメンです。そのため、かなりしょっぱいスープが特長的です。
東京では浅草にある「だらんま」で富山ブラックを堪能することができます。このだらんまのラーメンは肉が多いことでも有名で、肉おおめのトッピングにすると、かなり多くなるのでご注意を。白飯と肉たっぷりのラーメンで、お腹がいっぱいになること間違いなしです。

【熊本】　なんつっ亭　品川店

熊本ラーメンは久留米ラーメンの派生のようなラーメンであり、豚骨ベースのスープににんにくチップやマー油などを入れて、豚骨の臭いを消し味を追加している点が特長です。全国のラーメンの中でも黒い油であるマー油を使ったラーメンとして、熊本ラーメンは差異化されています。

そんな熊本ラーメンを東京で食べることができるお店は多くありませんが、なんつッ亭は熊本で修業をした店主によるラーメン店です。獣臭さのない濃厚かつクリーミーなスープと、独自のマー油のブレンドがとてもクセになります。

【和歌山】　のりや食堂　大井町

和歌山ではラーメンは中華そばという名で親しまれており、大きくわけて２種類の中華そばがあります。１つが醤油ベースの豚骨醤油と、豚骨ベースの豚骨醤油です。どちらも豚骨醤油ですが、前者は醤油が強くすっきりとした味わいがあり、後者は豚骨のドロドロと乳化したスープの濃厚な味わいに特長があります。
和歌山においては、前者の醤油ベースが定番ですが、実は東京では後者の豚骨ベースが広く認知されています。これは井出商店がTVチャンピオンや新横浜のラーメン博物館の出店などで知られているからです。

東京で和歌山の中華そばを味わう場合には、大井町にあるのりや食堂をおすすめします。
のりや食堂は豚骨ベースのスープのお店です。豚骨の深みと醤油のすっきりした味わいがうまく重なり、極細ストレート麺に染み込んだ、とても美味しい中華そばです。

【京都】ますたにラーメン　日本橋

京都はラーメンを好きな人ならばご存じだと思いますが、意外にも有名なラーメン店が多いです。都内でも数多くの店舗を持つ天下一品や、黒いスープに特長のある新福菜館と肩を並べる有名店が、このますたにラーメンです。
ますたにラーメンの特長は3層のスープです。一番上の層には大量ながらもあっさりとした背脂が甘味を出し、中層の鶏ガラ醤油がベースの味を作り、そして一番下には辛みにより味の変化を演出する一味唐辛子が沈んでいます。この3層のスープが融合することで、飽きのこない美味しいラーメンとなっています。
また、京都九条ネギがトッピングとしてラーメンに乗っており、濃厚なスープとさっぱりとしたネギの味のマッチングもこのラーメンの味を高めます。

【徳島】　可成家（かなりや）TOKYO 代々木

徳島ラーメンといえば味により、黒系・白系・黄系などに大きく分けられますが、やはり定番として有名なのは「いのたに」に代表される黒系です。黒系とは豚骨スープに濃口の醤油をあわせた黒色のスープに、甘く煮た豚バラ肉、そして生タマゴが乗ったラーメンのことです。通常かなり醤油が強く、若干のしょっぱさにほんのりとした甘さがこのラーメンの特長です。また、タマゴの卵黄を混ぜ合わせることで非常にマイルドな味になります。
東京で黒系の徳島ラーメンを楽しみたい方に是非行って欲しいお店が代々木にある可成家です。徳島の本店の味を再現した徳島ラーメンをご堪能下さい。

【札幌】　羅偉伝（らいでん） 高田馬場店

札幌といえば味噌ラーメンが有名で、その中でも純連すみれが非常に有名です。以前は東京にも「さっぽろ純連　東京店」がありましたが、閉店してしまいました。ただ、そのさっぽろ純連で長年店長をしていた方がオープンしたお店が羅偉伝（らいでん）です。
羅偉伝の札幌味噌ラーメンは、濃厚で甘味とコクのある味噌スープとプリプリのちぢれ麺が上手く絡みあったラーメンです。そして、表面にはラードが浮いており、スープを熱々にキープします。具材はシンプルですが、もやしとひき肉が味噌スープに非常にマッチしています。伝統の味噌ラーメンを東京で味わえる素晴らしいお店が羅偉伝です。

【喜多方】　麺や 七彩 八丁堀

博多ラーメンや札幌ラーメンと並ぶ日本三大ラーメンに数えられるラーメンが喜多方ラーメンです。一般的な、喜多方ラーメンは豚骨スープをベースとしており、店舗によっては煮干しをブレンドすることもあります。東京にも喜多方ラーメンは多数ありますが、八丁堀にある麺や 七彩がおすすめです。

麺や七彩は喜多方ラーメンとして高い完成度のスープと、最高に美味しい麺が特長です。なぜなら、この七彩では、注文を受けてから麺を打つ「打ち立て麺」を楽しむことができるのです。パフォーマンス自体も楽しめますし、1杯1杯丁寧に作られた美味しいラーメンは必食です。

【旭川】　旭川らあめん うえだ　恵比寿

北海道で札幌味噌ラーメン以外のご当地ラーメンとして有名なのが旭川ラーメンです。旭川ラーメンといえば、基本的には醤油ラーメン（正油ラーメン）であり、魚介系と豚骨・鶏がらなどのWスープに特長があります。また、旭川ラーメンはスープにラードを入れることも多いです。
東京で旭川ラーメンといえば、恵比寿にある旭川らあめん うえだが有名です。このお店の醤油ラーメンはスタンダードな優しさのある黒い醤油スープと、加水率の低いスープが染み込むちぢれ麺が特長です。
シンプルながらもよく作りこまれた、丁寧なラーメンを味わうことができます。

【函館】　函館塩ラーメン 五稜郭（ごりょうかく）　荻窪

北海道では札幌、旭川以外にも函館ラーメンも有名です。札幌は味噌、旭川は醤油ですが、函館では塩ベースの透き通ったスープに少し太めの麺を合わせたラーメンが一般的です。
東京で函館塩ラーメンを食べる場合には、荻窪にある五稜郭がおすすめです。
五稜郭は北海道産の食材を用いたスープが売りであり、道南産の昆布や猿払産のホタテなどが贅沢に使われています。麺についても出口製麺という伝統的な函館塩ラーメンの麺を用いており、伝統的な函館ラーメンの誇りを感じるラーメン店です。

ご当地ラーメンを食べてみよう

いかがでしたでしょうか。
最初に紹介した「くるめや」から順番に、クセが少なくなる順番でご紹介してみました。
ご当地ラーメンは日本の多様な食文化の象徴のようなものであり、ラーメンの懐の広さを表すものでもあります。是非それぞれの味わいの違いを知り、堪能してみてください。