本場ケンタッキーを味わう!上質なアメリカンバーボン銘柄ガイド10選
ケンタッキー州を中心に生産されるコーンウィスキーで、アメリカンウィスキーの代表格といえるのがバーボンです。トウモロコシ由来の武骨な味わいと、ホワイトオーク樽の力強い香りが特徴。ストレートやロックはもちろん、昨今ではハイボール人気も上昇中です。今回は本場ケンタッキーのバーボンを厳選してご紹介しましょう。
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アイキャッチ画像出典:www.wildturkeybourbon.com
それはケンタッキーストレートバーボンウィスキー
アメリカ独立戦争において、アメリカ側に味方したフランスのブルボン王朝に敬意を表して名付けられたウィスキーがバーボンです。主にケンタッキー州で生産されるコーンウィスキーの1種で、ジョージタウンに蒸留所を開設したエライジャ・クレイグによってその歴史が始まったと伝わります。
バーボンの製法は連邦アルコール法によって定義されており、トウモロコシを51%以上使いチャーリング(樽の内側を焦がすこと)した新樽で熟成させるといった規定があります。アルコール度数は伝統的にプルーフ(101プルーフなら50.5%)表記されることが多く、産地の規定はありませんがほとんどのバーボンがケンタッキー州で生産されているようです。
ラベルに”ケンタッキーストレートバーボンウィスキー”と記されているのは、ケンタッキー州で生産され2年以上の熟成を経たバーボンです。仕込み水は石灰岩で磨かれた良質なライムストーンウォーター(ミネラル分が豊富な硬水)を用いており、チャーリングされたホワイトオーク樽で熟成しています。
穀物由来の武骨な味わいとの力強い香りが特徴で、トウモロコシによる甘さとともにバニラやキャラメルを思わせる香りを愉しめます。もちろん蒸留所・製法・ブレンドによって味わいも香りも様々、この記事では厳選したケンタッキー州のバーボンをご紹介しましょう。
1. エライジャ・クレイグ
偶然?からチャーリング製法を生み出し”バーボンの父”と呼ばれるエライジャ・クレイグの名を冠した「エライジャ・クレイグ」。現在はルイビルに構えるヘブンヒル・バーンハイム蒸留所で生産されており、”バーボンの父”に恥じないバーボンを生み出すために25年の歳月を費やして製品化されました。
「エライジャ・クレイグ スモールバッチ」は、力強く濃厚な味わいと香りを持つ少量限定生産のプレミアムなバーボンです。バニラやミントに加えて豊かな果実香を感じさせるフレーバー、味わいはスモーキーでありながらもスムースで、香ばしく甘い余韻が続きます。
【基本情報】
容量 :750ml
アルコール:47%
参考価格 :4,237円
2. エヴァン・ウィリアムス
ケンタッキーで初めて蒸留所を開設したと伝わるエヴァン・ウィリアムスの名を戴くバーボンが「エヴァン・ウィリアムス」。現在は「エライジャ・クレイグ」と同じくヘブンヒル・バーンハイム蒸留所で蒸留されており、かつて”世界で最も売れているウィスキーブランド”のトップ10に選ばれたこともある銘柄です。
「エヴァン・ウィリアムス12年」は12年以上熟成された原酒のみをブレンドし、伝統的な101プルーフに仕上げた1本です。香ばしく甘いキャラメル香とシナモンやココナッツを思わせる力強くスパイシーな味わい、上品で深い余韻を愉しめます。
【基本情報】
容量 :750ml
アルコール:50.5%
参考価格:4,980円
3. ジムビーム
1795年に創業し200年以上にわたってビーム一族によって受け継がれてきた歴史深い銘柄が「ジムビーム」。「ジムビーム」に継承された”ジャグ・イースト”と呼ばれる酵母を使い、しっかりと焼き入れを行った樽で規定の2倍の歳月をかけて熟成させました。
「ジムビーム」はホワイトラベルが貼られたスタンダードな品で、4年のエイジングによって”エレガント・スムース・洗練”を実現した1本です。バニラやキャラメルの甘く香ばしい香りと、穀物と樽をしっかりと感じられる味わいが愉しめます。
【基本情報】
容量 :700ml
アルコール :40%
希望小売価格:1,690円
4. ノブクリーク
合衆国の最も偉大な大統領に名が挙がる16代大統領エイブラハム・リンカーンに由来する地からブランド名が名付けられた「ノブクリーク」。ボトルはブーツに隠しやすいことから禁酒法時代に流行したフラスクボトルのスタイル、本来のバーボンを味わえる銘柄です。
「ノブクリーク」は9年以上エイジングされた原酒をブレンドしており、100プルーフの力強さが特徴です。バニラやナッツとオーク樽が調和した香りで、バニラの甘さやキャラメルの香ばしさに加えてスモーキーが潜む味わい。バーボン本来の姿を再現したリッチな1本です。
【基本情報】
容量 :750ml
アルコール :50%
希望小売価格:4,400円
5. アーリー・タイムズ
アーリータイムズ・ステーション村で、1860年に誕生した古き良きアメリカのバーボンが「アーリー・タイムズ」。禁酒法時代を医療用ウィスキー生産で乗り切り、1950年代にはアメリカでNo1といわれるブランドに成長、カクテルベースとしても親しまれる銘柄です。
「アーリー・タイムズ ホワイト」は次世代のバーボンとして日本で先行発売された品で、驚くほどなめらかで飲みやすい1本に仕上げています。ハチミツ・ソフトキャラメル・レモンピールを思わせる華やかな香り、清涼感と滑らかさを両立した上品な味わいが特徴です。
【基本情報】
容量 :700ml
アルコール :40%
希望小売価格:1,518円
6. フォアローゼズ
創始者ポール・ジョーンズJrの運命の出会いを彩った深紅の四輪の薔薇から名付けられた「フォアローゼズ」。厳選素材と伝統製法を駆使して造られたバーボンのラベルには、ブランドを象徴する薔薇のコサージュが描かれています。
「フォアローゼズ ブラック」は日本限定で販売されている品で、通常より永めに熟成された原酒をブレンドしています。まろやかなスパイシーさとオーク樽由来の甘く仄かな香りで、シナモンやナツメグといったスパイス感が心地よい芳醇な味わい、なめらかな余韻が続く1本です。
【基本情報】
容量 :700ml
アルコール :40%
希望小売価格:オープン価格
7. メーカーズマーク
1950年代のスタイルを今に残す蒸留所の敷地に、良質な湧水を湛えるスプリング・フェド湖を擁する「メーカーズマーク」。石灰岩に磨かれたライムストーンウォーターを仕込み水に用い、ライ麦ではなく冬小麦を使用してバーボンを造り出しています。
「メーカーズマーク」はライムストーンウォーターと冬小麦を組み合わせることで、他にはないシルキーでまろやかな口当たりに仕上げられています。ハチミツやバニラとともにオレンジのフルーティーさが香り、冬小麦やバニラの甘さを感じさせる味わい。ブランドを象徴する赤い封蝋は現在でも手作業で行われています。
【基本情報】
容量 :700ml
アルコール :45%
希望小売価格:3,800円
8. ワイルドターキー
良質なライムストーンウォーターを手に入れることができるケンタッキーリバー近くに蒸留所を構える「ワイルドターキー」。自家製酵母やしっかりと焼き入れをしたオーク樽をはじめ、遺伝子組み換え穀物不使用など、素材と製法にこだわったバーボンを生み出しています。
「ワイルドターキー 8年」はバーボンとしては長期といえる8年熟成された原酒を使っており、力強い101プルーフながら繊細な飲み心地を実現しました。カラメルやバニラの甘さとオークの樽香を感じさせる豊かなフレーバー、穀物由来の重厚な味わいを愉しめるフルボディテイストに仕上げた1本です。
【基本情報】
容量 :700ml
アルコール :50,5%
希望小売価格:4,158円
9. バッファロー・トレース
1773年に開設された全米最古の蒸留所を端緒とし、歴史の変遷とともに名を変え現在に至る「バッファロー・トレース蒸留所」。2005年には米国の蒸留所として初めて“Distillery of the year”を受賞、世界でも屈指といわれるバーボンを生産しています。
「バッファロー・トレース」は最上級のトウモロコシ・ライ麦・大麦麦芽を使い、スモールバッチで仕込まれたプレミアムなクラフトバーボンです。バニラ・ミント・糖蜜などが調和した複雑なアロマ、仄かにスモーキーでラグジュアリーな味わいを愉しめます。
【基本情報】
容量 :750ml
アルコール :45%
希望小売価格:3,828円
10. ウッドフォードリザーブ
1812年に開設された小さな蒸留所からスタートし、現在は国指定歴史建造物に登録されている「ウッドフォードリザーブ蒸留所」。良質なライムストーンウォーターを仕込み水に使い、ライ麦比率を高くすることで「ウッドフォードリザーブ」ならではのバーボンを造り出しています。
「ウッドフォードリザーブ」は石灰岩ブロックの貯蔵庫で寝かせるという独特な熟成方法を用いています。濃厚なバニラ香や完熟した果実香に加え、バタースコッチやシナモンを感じさせるエレガントなアロマ。バニラやキャラメルの甘さにスパイシーさがマッチした味わいで、永くなめらかな余韻が続きます。
【基本情報】
容量 :750ml
アルコール :43%
希望小売価格:4,090円
本場のバーボンでグラスを満たす
歴史深い蒸留所が立ち並ぶケンタッキー州で生産されるのは、良質なライムストーンウォーターで仕込まれチャーリングされた新樽で熟成されたバーボン。味も香りもバラエティ豊かに揃うバーボンから、今夜貴方のグラスに注がれるのはどの1本でしょう。
※ 掲載内容は執筆時点、基本情報や価格等は参考で変更になる場合があります。
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この記事のライター
信州の曲者が集まるCLUB Autistaに所属する道楽者。車と酒と湯を愛し、ひと時を執筆に捧げる。