質の高い夏の眠りを手に入れよう!
家の中で、夏の暑さで一番悩まされるのは寝室ではないでしょうか。寝苦しい夜が続くと疲労がたまり、仕事にも大きなしわ寄せがきてしまうこともあります。暑さ対策を一点集中投資して、寝室の涼しさをアップさせたいこともあるでしょう。そこで、寝室の中の現在の環境を見直して、涼しい気分で安眠できる工夫がないか検討してみましょう。
- 3,771views
- B!
寝苦しい暑い夏の日に
家の中で、夏の暑さに悩まされるのはリビングだけではありません。とりわけ、日々の健康的な生活に直接影響するのが寝室ではないでしょうか。寝苦しい夜が続くと疲労がたまり、仕事にも大きなしわ寄せがきてしまうこともあるからです。暑さ対策を一点集中投資して、夏だけリビングで寝るというのもひとつの方法ですが、どうしても寝室の涼しさをアップさせたいこともあるでしょう。そこで、寝室の中の現在の環境を見直して、涼しい気分で安眠できる工夫がないか検討してみましょう。
高床式ベッドで汗を下に逃がす
畳やバンブーラグなどでごろ寝をすると涼しく眠れるのは、身体と床面との間にすきまができるからです。寝苦しい夜は布団の上で汗ばんできますが、この汗が身体の下に逃げることができれば、じめじめして不快な気分が格段に改善されます。そこで、床面との間にすきまができるように高床式で眠ることがおすすめです。現在ベッドを使用しているなら、ベッドの面ができるかぎり通気性のよい構造になっているかを確認しましょう。ふだんベッドを使っていない場合や畳の間の場合、わざわざベッドを買わなくても「すのこ」を使うことで効果が得られます。その場合、大きな荷重に耐えるようにしっかりした強度のものを選びましょう。
湿気を逃がすマットと冷感掛け布団のコンビ
通気性を考慮したベッドを用意しても、その上に敷くマットが蒸れてしまうようでは効果がありません。夏用のマットと敷布団には、夜中の汗を下に逃がしてやるような通気性のよい素材を選びたいものです。そこで近年注目されているのがエアミールというトラス構造の人工素材。本来は介護用のマットとして使われていましたが、軽量で扱いやすく、通気性が抜群によいため一般にも使われるようになりつつあります。また、ひんやりした肌触りの冷感マットも近年の流行です。このタイプのマットは通気性ではなく特殊なジェルで暑苦しさを緩和してくれるものなので、布団の下に敷くよりも掛け布団として使うのがよいでしょう。
昔ながらの通気枕で頭寒足熱
快適な睡眠を得る上で欠かせないのが枕のセレクトです。日ごろ使い慣れた枕で眠れればいいのですが、ただ、それが夏の暑い夜にも適しているとは限りません。特に、頭部をすっぽり覆うような大きな枕や、保温性の高い枕は、汗ばむ夜に寝苦しくなります。そこでおすすめなのが、やはり通気性のよい枕です。「竹枕」や「藤枕」など、粗めに編んだ自然素材のシンプルな枕は昔から日本では夏の定番アイテムとして使われてきたものです。こうした枕はフカフカの枕に慣れた人には最初は硬いと感じるかもしれません。しかし枕は本来は頭というよりも首を支えるように使うもの。「頭寒足熱」で夏の睡眠時間を快適なものにしましょう。
寝室にはマルチカラーのLED照明を
お部屋の照明は、一般的には暖色系がやすらぎを感じさせるため、寝室には弱いオレンジ色の照明が好まれる傾向にあります。しかし猛暑の夜に暖かさを感じさせる照明のもとではなおさら暑苦しさに襲われ、なかなか眠れないということも。そのため、寝室に青い色のLED照明を使うことが近年好まれています。青のような寒色系の照明下では実際に体温が下がったという実験データもあるようです。しかし青い光は人間を冷静な気持ちにさせ、集中力を高める効果もあるとされるため、安眠に向いているかどうかは意見が分かれます。そこで、LED技術が普及してきた今、光の色をコントロールできる電球もあるため、季節や雰囲気に応じて色を上手に使いこなしてみるのもいいでしょう。
たとえ猛暑でも質の高い眠りを
質の高い眠りは健康の秘訣といわれます。それだけに、猛暑で眠れない夜が続くと朝から疲労感に襲われ、仕事も生活も乱れてしまいがちになります。疲れた身体で日中の暑さを耐え、そして夜が来るとふたたび寝付けない夜に苦労するという悪循環になるのです。こうした夏場の悪循環を断ち切るには、賢くシンプルな生活を心がけ、暑さを迎え撃つ体力をきっちり温存することに尽きます。そのためにも寝室の環境を今一度見直して、リラックスできる涼しい空間に改良してみませんか。
この記事のキーワード
この記事のライター
藝術文化系のコラム、論評の執筆を多くこなしてきました。VOKKAではインテリアなど、アートに関わる記事を中心に執筆しています。