通気性の確保と一緒に考える「虫」対策
暑い夏の夜をしのぐために、風通しをよくして涼しく過ごしたいと思っても、悩ましいのは、窓などの隙間から侵入する「虫」。そこで、家の通気性をよくしながらも、同時に蚊の侵入を防いで、自然の風で涼しい夜を過ごすにはどうしたらよいかを考えてみましょう。
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窓を開けても悩ましい虫
暑い夏の夜をしのぐのは大変です。なるべくエアコンに頼らずに、風通しをよくして涼しく過ごしたいと思っても、悩ましいのは、やっぱり開け放った窓などの隙間から侵入する「虫」たちです。どこからともなく現れ、枕元で安眠を妨げるあの羽音は本当に不快なもの。そのため窓という窓を全部閉め切ってエアコンをまわしてしまう人も多いのでは。そこで、家の通気性をよくしながらも、同時に蚊の侵入を防いで、自然の風で涼しい夜を過ごすにはどうしたらよいかを考えてみましょう。
虫の「進入経路」をふさぐ
夏になると、どこからともなく必ず現れる蚊。窓を閉め切っているのに、なぜかお部屋の中で刺されてしまったという経験は多くの人にあるのでは。外からの蚊の侵入経路として代表的なのは、窓、玄関、そして換気・通気口です。窓を閉め切っても、玄関での人間の出入りの際に入っていたり、高いところにある換気扇口や通気口から侵入することがあり、意外に盲点は多いものです。特に通気口は一般に見落としやすい侵入路です。また、外に水の「たまり」があると蚊の発生源になっている可能性があります。通気口や換気扇など、蚊の出入り口になっている孔に使えるフィルターなどを利用して、蚊の侵入経路をふさぐことが大切です。
侵入を防ぐキホンはやっぱり網戸
窓からの虫を侵入を防ぐアイテムといえば網戸です。近年の家屋の窓にはさまざまなスタイルがあって、形状に合ったさまざまなタイプの網戸の製品が多くあります。たとえば玄関などの開き戸に使えるアコーディオン式の網戸、上下で巻き取るロール式網戸、使わない時に折りたためる折戸式網戸などがあります。家の通気のために重要な窓については、思い切って網戸の増設施工を検討してみてはいかがでしょうか。自分の持ち家でない場合のように改造ができないという人におすすめなのが、マジックテープで貼り付ける簡便なシート式の網戸です。オフシーズンには畳んでしまっておけるので邪魔にもなりません。
周囲にうろつく虫を撃退する
外からの蚊の侵入を物理的に防ぐ手立てに加えて、外にウロウロする蚊を家によせつけないように工夫することで、夏場の蚊の悩みは劇的に改善します。外にいる蚊を追い払う方法として、スプレー式の薬剤も売られていますが、蚊が嫌うハーブをベランダで育てたり、シトロネラやバニラを使ったアロマキャンドルを燃やすという方法もよく知られています。また、薬剤を使った殺虫器の使用に抵抗がある赤ちゃんやペットがいる家庭には、食品製造の現場などでみかける電気式の捕虫器・殺虫器を検討してみてはいかがでしょうか。最近では家庭用に開発された人に無害で、電気代もわずかな製品も多く販売されています。
就寝時の虫よけの王道「蚊帳」を見直す
蚊の侵入を防ぐ手立てを打っても、玄関の出入りの際に侵入したり、家の中や排水溝でふ化するケースもあるため、家の中の虫よけも考えなければなりません。家の中の防虫対策として、定番は蚊取り線香ですが、火を使う蚊取り線香や、薬剤を用いる殺虫マット類には、ペットや赤ちゃんのいる家庭では抵抗があるかもしれません。最近はスマホを使った虫よけアプリなるものも注目されましたが、安眠を手に入れるには悩ましいものです。そこで、ケミカルにも電気にも頼らない「蚊帳(かや)」を見直してはいかがでしょう。近年はベビーベッドやダブルベッドに合わせてアレンジされ、洋風のお部屋でも違和感なく使える製品もあるのです。
虫を遮って快適な夏の生活を
風がよく通るお部屋をつくることと、外からの蚊の侵入を防ぐこととは、なかなか両立しにくい問題です。しかし、窓を閉め切ってエアコン生活を送ったとしても、侵入や発生を完全にゼロにするのも難しいものです。大切なことは、家のまわりに虫の発生源となる水溜りをつくらないこと、生ごみなどの処理をこまめに行うこと、排水溝などをつねにきれいに保つことです。家の中も外も清潔を心がけて「風通しのよいクリーンな環境」を維持することは、実は虫が近づきにくくすることと矛盾しないスタイルなのです。
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この記事のライター
藝術文化系のコラム、論評の執筆を多くこなしてきました。VOKKAではインテリアなど、アートに関わる記事を中心に執筆しています。