乙女心はかわらない ～百人一首編～

そもそも百人一首って

平安時代から鎌倉時代初期までの和歌を集めた詞華集のことをいいます。編者は藤原定家で、百首の和歌は、年代順に並べられていて、男性歌人が約８割で女性歌人は２割です。

つまり、和歌は男性が詠むことは多かったのです。

遠距離恋愛を乗り越える

瀬をはやみ　岩にせかるる滝川の　割れても末に　あはむとぞ思ふ（崇徳院）

川の流れは、岩にぶつかって時に二つに分かれることもあります。けれど、川はまた一つになって流れるのです。

恋って一度離れてしまった気持ちを再び取り戻すことって難しいですよね。それが、二人の距離が離れてしまったことが原因だとしたら。

でも、離れている距離を言葉によって縮めていくことができればきっと絆が深まると思います。

女性のわがままって

難波潟　短き葦の　ふしの間も　あはでこの世を　すぐしてよとや（伊勢）

仕事で忙しい男性にとって、「会いたい」の一言が重荷に感じることってありませんか？
でも、短い時間でも一緒にいたいと望んでしまう乙女心は今も昔も変わらないんです。

そんなわがままを許してあげたくなる一首です。

噂に騙されないで！！

恋すてふ　わが名はまだき　立ちにけり　人知れずこそ　思ひそめしか（壬生忠見）

人のうわさっていうのは、今も昔も怖いものです。

たった一つの恋が人目にさらされるだけで、女の子は自分の恋に自信を失ってしまうものなのです。
けれど思い続けている気持ちの大きさは隠し切れないほど膨らんでしまうもの。

そんな乙女心を見逃さないでください。

かけがえのない存在

君がため　惜しからざりし　命さへ　長くもがなと　思ひぬるかな（藤原義孝）

その人に出会うまでは、きっとモノクロの毎日だったけれどこの人に出会って運命が変わった！なんて
ことがあったら、素敵な恋ですよね。

恋一つに命をかけるなんて、言葉にすることが恥ずかしくて言えないひとも多いはずです。

でも自分のどんなものをかけても愛そうとしてくれている姿勢に女性は喜びを覚えるものです。

終わりに

和歌は、たった３１文字という限られた文字数で言葉を超える思いを伝えなくてはいけません。

目に見えるもの、感じた気持ちを素直に言葉にする。
自分の思いを伝えるのが恥ずかしかったり、自分の気持ちに整理がつかなかったりするときに百人一首を読んでみてください。

今も詠み継がれている和歌を恋愛のお手本にしてみませんか？