ランボルギーニのおすすめ人気車種・シリーズを徹底解説
イタリア・ボローニャを本拠とし、フェラーリと双璧を成すスーパースポーツカーブランドのランボルギーニ。圧倒的な高性能と美しいデザインが目を惹きつけるランボルギーニの魅力をご紹介しましょう。
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アイキャッチ画像出典:www.lamborghini.com
猛牛と駆け抜けるボローニャのスーパースポーツ・ランボルギーニ
歴史とモータースポーツ
350 GT
トラクターなどの製造販売事業の成功によって、潤沢な富を築いたフェルッチオ・ランボルギーニ。彼はフェラーリなど当時のスーパースポーツカーを収集していましたが”車内が暑い・スピードが遅い”など、どのモデルにも満足することができませんでした。そこで自身がスーパースポーツカー事業を立ち上げることになり計画を始動。フェラーリに対抗しうるスーパースポーツカーを造り出すと宣言し、1963年にランボルギーニ・アウトモービリが設立されたのです。
同年のトリノ・ショーで周囲を驚かせる美しい2シーター・グランツーリズモ「350 GT」のプレミアが行われ翌年にはデビュー。続いて2+2の後継モデルの「400 GT」もリリースされました。
ミウラ
1966年のジュネーブ・ショーでは、当時世界一速いと謳われた傑作「ミウラ」を発表。マルチェロ・ガンディーニによる革新的な美しいデザインのボディを身に纏い、V12エンジンをミッドシップマウントする2シーターです。この「ミウラ」をベースにプロトタイプとして1台だけ製造されたのが伝説の「イオタ」。オリジナルの「イオタ」は事故により廃車になったと伝わっており、「SVJ」の名で数台のレプリカが製造されたといわれています。
カウンタック
1974年、スーパーカーの代名詞でありその名もイタリア語で”驚き”を表す「カウンタック」がデビュー。マルチェロ・ガンディーニによるアグレッシブで近未来的なエクステリアには象徴するシザースドアが備えられ、日本においても驚異的な人気を博しました。
「カウンタック」はプロトタイプとして制作された「LP400」からはじまり、ウォルター・ウルフによるチューニングを受けた「LP500S」や4バルブ化された「5000QV」など次々に進化。1985年の「25thアニバーサリー」が最終モデルとなり、後継車に受け継がれました。
ディアブロ
1990年には「カウンタック」の後継モデルとして”悪魔”を表すネーミングの「ディアブロ」が登場。その後フラッグシップは「ムルシェラゴ」にバトンタッチ、2000年代に入り「ガヤルド」など”ベビー・ランボルギーニ”を復活させラインナップが拡充されました。2011年には新たなフラッグシップ「アヴェンタドール」がデビューし、ベビーランボも「ウラカン」へ。その後SSUVと呼ばれる「ウルス」もラインナップに加わることになります。
創業者のフェルッチオ・ランボルギーニによって”レースに参戦しない”としていたランボルギーニですが、1989年からF1のラルースチームにエンジンの供給を開始。1990年のF1日本グランプリにおいて、ラルースチームのドライバー・鈴木亜久里が日本人初のF1表彰台という快挙を成し遂げました。
市販車ベースではスーパーGTなどのレースにも参戦し、ランボルギーニ・スーパートロフェオと呼ばれるワンメイクレースも開催しています。
ランボルギーニを象徴するのが「ファイティング・ブル」のエンブレムで、モデルネームとしても闘牛に由来する名前が多く用いられています。”フェラーリの跳ね馬に対抗するため”など諸説がありますが、”創業者フェルッチオ・ランボルギーニが牡牛座だったから”というのが通説となっているようです。
創業から8年後には経営難により全株式を売却したランボルギーニ。その後イタリア政府の管理下やクライスラーの傘下となりましたが、現在はフォルクスワーゲングループのアウディ傘下となっています。2019年にはフェルッチオ・ランボルギーニの生涯を描いた映画が公開予定、ご期待下さい。
ラインナップ
クーペ&ロードスターはフラッグシップの「アヴェンタドール」と、ベビーランボの「ウラカン」。そしてスーパー・スポーツ・ユーティリティ・ビークルと呼ばれる「ウルス」をラインナップ。希少な台数限定のヒューオフモデルもリリースされています。
代表的なテクノロジー
【ANIMA:Adaptive Network Intelligence Management】
アダプティブネットワーク・インテリジェンス・マネージメント。路面状況・走行シーン・ドライビングスタイルにあわせて車両制御プログラムを変更することで、優れたドライビングダイナミクスを発揮します。
【LDS:Lamborghini Dynamic Steering】
ランボルギーニ・ダイナミック・ステアリング。ギヤレシオ可変式の電動パワーステアリングで、安定性重視からダイレクト感のあるハンドリングまで対応します。
【LRS:Lamborghini Rear-wheel Steering】
ランボルギーニ・リアホイール・ステアリング。高速域では同位相に、低速域では逆位層にリヤタイヤの舵角を制御するシステムです。
【LMS】
ランボルギーニ・磁気レオロジー・サスペンション。磁性を持つ液体:磁性流体の特性を利用して減衰力を制御するダンパーを備えたサスペンションです。
【LDVA:Lamborghini Dinamica Veicolo Attiva】
ランボルギーニ・ディナミカ・ヴェイコロ・アッティーヴァ。車両情報をモニターして、LDS・LRS・LMS・4WDなどをリアルタイムに統合制御するシステムです。
【ISR:Independent Shifting Rods】
インディペンデント・シフティング・ロッズ。独立したシフトロッドを備えたシングルクラッチの軽量・コンパクトなオートマティックトランスミッション。ハイレスポンスかつ素早いシフトチェンジが可能です。
独創的なスーパースポーツカーを造り出すランボルギーニ、そのモデルと魅力をご紹介しましょう。
ウルス
ランボルギーニが世界初のSSUV:スーパー・スポーツ・ユーティリティ・ビークルをコンセプトに開発した「ウルス」。2018年からデリバリーが開始されており、シングルグレードで4人乗りと5人乗りを用意します。
SUVでありながら一目でランボルギーニと分かる大胆なかつアヴァンギャルドなエクステリアデザイン。Y字や6角形のモチーフを多用したウェッジシェイプなスタイルで、大きく張り出したリアフェンダーなどエモーショナルな雰囲気に溢れています。
搭載されるエンジンは同社初といわれるV8ターボエンジンでクラス最強レベルの650HPの高出力を誇り、強大なトルクを受け止める8速ATを組み合わせて四輪を駆動。アクティブ・トルクベクトリングで制御することで、サーキットから砂漠まで様々な路面状況や走行シーンにおいて卓越した走行性能を発揮します。
オンロード&オフロードそれぞれに3つのプログラムが用意されたANIMAコントローラーにより、好みのドライビングダイナミクスが選択可能です。そして四輪操舵システムを採用することでフルサイズのボディでも取り回しが向上。快適な乗り心地を生み出すアダプティブ・エアサスペンションや、強力な制動力を発揮するカーボンセラミックブレーキを装備します。
インテリアは戦闘機をイメージさせるコックピット空間でありながら、天然レザーやアルカンターラを駆使したラグジュアリーな空間。メーターやインフォテイメントなど機能別に3台のTFTモニターがセットされており、ドライバーは直観的な操作が可能です。これまでのランボルギーニで最も多彩なオプションも用意。圧倒的なパフォーマンを秘めたSSUVが誕生しました。
【スペック例】
ボディサイズ :全長5112×全幅2016×全高1638(mm)
エンジン :3996cc V型8気筒 650HP
トランスミッション:8速AT
駆動方式 :4輪駆動
車両本体価格 :28,161,795円~
ウラカン
ベビーランボとして復活した「ガヤルド」の後継車が「ウラカン」。ボディタイプはクーペとスパイダーがあり、それぞれにRWD仕様や高性能な「PERFORMANTE」を用意します。
ご紹介するのは超軽量ソフトトップ・ルーフを備える「Huracán Spyder」。エッジの効いた6角形をモチーフに散りばめたエクステリアは彫刻的かつエモーショナル、僅か17秒でフルオープンにでき空と一体になるドライビングが愉しめます。
直噴とポート噴射ができるデュアルインジェクションを備えたエンジンは、効率性に優れながら卓越したパフォーマンスを発揮。ランボルギーニ独自の7速DCT-LDFを組み合わせて電子制御4WDシステムがそのパワーを路面に伝達、ハイレベルな安定性とドライバビリティを手に入れました。カーボンとアルミで構成されるシャシーは軽量・高剛性を確保し、緻密に制御されるLDSが優れたハンドリングを実現します。
インテリアも6角形をモチーフにした戦闘的なスタイルで、ドライブへの高揚感が高まるコックピット。創業当初からのコンセプトに従って、ゆとりのスペースと快適な空間を実現しています。メータークラスターにナビ画面を表示できるモニターを備え、多彩なインフォテイメントに対応。リヤガラスをオープンすれば、官能的なエンジンサウンドが車内に響く仕掛けです。
【スペック例】
モデル :Huracán Spyder
ボディサイズ :全長4459×全幅1924×全高1180(mm)
エンジン :5204cc V型10気筒 610HP
トランスミッション:7速DCT-LDF
駆動方式 :4輪駆動
車両本体価格 :32,704,443円~
アヴェンタドールS
「ムルシェラゴ」の後継モデルとしてデビューした「アヴェンタドール」の深化バージョンが「アヴェンタドールS」。ボディタイプはクーペとロードスターがあり、770HPの心臓を与えられた「SVJ Coupé」も用意します。
ご紹介するのは「Aventador S Coupé」で、「アヴェンタドール」の意匠を引き継ぎながらも大幅にエアロダイナミクスを進化。自然界や航空工学から取り入れたデザインを具現化し、フロントのダウンフォースは130%アップ、冷却効率も向上しています。
スープアップされ740HPの高出力を発生するエンジンは、ハイレスポンスかつ強烈な加速力を発揮。ここに先進の7速ISRが組み合わされ四輪を駆動、LDVAが車両を統合制御し絶大なポテンシャルを引き出します。四輪のステアリングを制御することで、俊敏かつ優れたハンドリングを実現。4つのドライビングモードそれぞれに最適なプログラミングが入力されており、走行シーンやスタイルにあわせてセレクトすることができます。
フォーミュラマシンと同様にシングルピースのカーボンコンポジットモノコックを採用し、軽量・高剛性・高耐久を実現。レーシングカー譲りのプッシュロッド式サスペンションは空力や低重心に貢献、このモデルのために開発された新世代タイヤ「Pirelli P Zero」を装着します。
エクステリアと同じく6角形のモチーフを取り入れたインテリアは、ドライバーを包み込むコックピット機能とスーパースポーツとしてのラグジュアリーを併せ持つ空間です。最新のテクノロジーを投入しグラフィックを刷新したTFTインタラクティブディスプレイは、様々なインフォテイメントに対応。最高品質のマテリアルを厳選して各部が仕立てられており、トリムや仕上げには多彩なオプションを用意しています。
【スペック例】
モデル :Aventador S Coupé
ボディサイズ :全長4797×全幅2030×全高1136(mm)
エンジン :6498cc V型12気筒 750HP
トランスミッション:7速ISR
駆動方式 :4輪駆動
車両本体価格 :44,925,905円~
ヒューオフ
センテナリオ
センテナリオ・ロードスター
ヒューオフ:Few Offは極めて少量の台数が限定生産されるスペシャルモデルで、公道走行を可能とする認定を受けた車両。2007年に開催されたフランクフルト・モーターショーにおいてプレミアが行われた「レヴェントン」が最初のモデルでした。その後も「レヴェントン・ロードスター」「ヴェネーノ」と続き、2016年にはフェルッチオ・ランボルギーニ生誕100周年を記念して「センテナリオ」を発表。「センテナリオ」はクーペとロードスターそれぞれ20台ずつ、計40台しか生産されませんでした。
ファイティング・ブルが象徴するランボルギーニ
フェラーリとともにスーパースポーツを象徴するランボルギーニ。伝説的な名車をはじめ数々の逸話に彩られたランボルギーニの魅力とモデルをご紹介しました。
※ 掲載内容は執筆時点、スペック・価格等は参考で変更になる場合があります。
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※ 一部日本仕様と異なる場合があります。
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この記事のライター
信州の曲者が集まるCLUB Autistaに所属する道楽者。車と酒と湯を愛し、ひと時を執筆に捧げる。