ジープのおすすめ人気車種・シリーズを徹底解説
「どこへでも行ける。何でもできる。」をスピリットに掲げ、本格的な四輪駆動モデルを造り出すジープ。高い走破性を誇るボディオンフレーム構造や4WDシステムを備えたモデルもラインナップするジープの魅力をご紹介しましょう。
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アイキャッチ画像出典:www.jeep-japan.com
ジープならどこへでも行ける。ジープなら何でもできる。
歴史
WILLYS MA
1941年にアメリカン・バンタム、ウィリス・オーバーランド、フォードの3社によって共同生産された軍用の軽量偵察車「Willys」を端緒とするジープ。戦後にウィリス・オーバーランド社がジープを商標登録したといわれており、日本でも三菱自動車がノックダウン生産を行っていました。ブランド所有会社はカイザーやAMCなど変遷し、現在はFCA(フィアットクライスラーオートモービル)のブランドとなっています。
CJ-5
戦後は民生品の分野にも展開し、農業用車両やピックアップトラックとして活躍。1950年代に入りレジャーユースの人気が高まると、出力や耐久性が向上し静粛性が高められたモデルがリリースされました。そして1954年にデビューした「CJ-5」は快適性・多用途性が向上し、高いオフロード性能を発揮。以降30年に渡って生産された人気モデルで、150ヵ国以上の国々で販売されました。
Super Wagoneer
1960年代に入って本格4WDにもオリジナリティやラグジュアリーといった要素が求められるようになり、ラインナップを拡充。1966年にはブランド初のラグジュアリー4×4として「Super Wagoneer」がデビュー、セダンの快適性とワゴンの実用性に4×4の走破性が融合したモデルとして人気を博しました。
拡充したラインナップにはロードスターやピックアップをはじめ、パワートップコンバーチブルを備えたモデルなど多彩なボディタイプを用意しました。
Cherokee Briarwood
1970年代に手動で駆動力を切り替える必要がない、革新的なフルタイム4WDシステムを採用したモデルが登場。1984年にはコンパクトSUV市場の拡大を予見、モノコックボディを採用しフルサイズモデルより大幅に軽量・コンパクトな「Cherokee」がリリースされ日本においても人気を獲得しました。
1990年代以降はよりオンロード性能を高めたモデルがラインナップされ、エクステリアもさらにスタイリッシュに。2016年には141万台の最高販売台数を記録、次世代に向けた本格SUVを創出しています。
ラインナップ
国内のラインナップは基本的に本国と同様で、FF仕様も用意するのがコンパクトな「レネゲード」と「コンパス」。そして新型がデビューしたばかりの本格派「ラングラー」と、プレミアムな「チェロキー」「グランドチェロキー」の5モデルを揃えています。
代表的なテクノロジー
【TRAIL RATED】
ジープブランドの中でも特に卓越した4×4性能を持つモデルに与えられる称号。「トラクション・渡河性能・機動性・接地性・対地障害角」の基準を満たし、過酷なトレイルでのテストに合格したことを証明するバッジがセットされます。
【セレクトラックフルタイム4×4システム】
電子制御されるセンターデフを備えたフルタイム4WDでありながら、手動で駆動レンジを切り替えることができるシステム。「2H・4H AUTO・4H・4L」のレンジがあり走行中でも切り替え可能、様々な路面状況や走行シーンで高い走破性を発揮します。
【セレクテレインシステム】
パワートレインやトラクションを制御するために「AUTO・SNOW・SPORT・SAND/MUD・ROCK」の5モードを切り替えることができる4WDシステム。様々な路面状況や走行シーンに対応します。
【セレクトラックシステム】
トルク配分やパワートレインをはじめサスペンション・スタビリティを統合制御。路面状況や走行シーンにあわせたパフォーマンスを発揮するシステムです。
【クォドラトラックアクティブオンデマンド4×4システム】
ハイパワーに対応した強固なトランスファーや、電子制御式のリヤLSDを備えるフルタイム4WDシステム。トルク配分やサスペンションセッティングはセレクトラックシステムで切り替えることができ、卓越した走破性を発揮します。
コンパクトSUVをはじめ本格4WDやプレミアムモデルもラインナップするジープ、そのシリーズとおすすめするモデルをご紹介しましょう。
レネゲード
ラインナップ中で最もコンパクトなモデルがブランド初のスモールSUV「レネゲード」で、FF仕様を2グレードと4WD仕様を1グレード用意しています。
ご紹介するのはベーシックな「LONGITUDE」で、アンダー300万円という価格設定も魅力的なグレード。初代ウィリスの意匠を受け継ぐフロントマスクが印象的、力強さとスタイルを融合したエクステリアです。マルチエアテクノロジーを採用したコンパクトなターボエンジンを搭載し、6速のDCTを組み合わせて前輪を駆動。爽快な加速感と低燃費を両立しており、高い安全性も実現しています。
独創的なデザインのインテリアはスモールボディながらゆとりのあるスペースがあり、アドベンチャースポーツをイメージさせる空間。デュアルゾーンオートエアコンをはじめ快適装備も充実しており、6:4分割で可倒できるリヤシートなど多彩なアレンジと実用的なラゲッジを提供します。
【スペック例】
グレード :LONGITUDE
ボディサイズ :全長4255×全幅1805×全高1695(mm)
エンジン :1.4L-L型4気筒 140PS
トランスミッション:6速DCT
駆動方式 :前輪駆動
車両本体価格 :2,990,000円~
コンパス
2006年にデビューしたコンパクトなクロスオーバーSUVの「コンパス」。現行モデルは2代目で、FF仕様を2グレードと4WD仕様を1グレード用意します。
ご紹介するのはスタンダードな「LONGITUDE」で、滑らかな加速性能を発揮するマルチエアエンジンにレスポンス良くスムーズな6速ATを組み合わせて前輪を駆動。フラッグシップモデル「グランドチェロキー」をオマージュしたエクステリアが印象的で、力強さの中にエレガントを感じさせるデザインです。
上質さと快適性を追求したインテリアは、エクステリアとも調和するエレガントな仕上がりです。フルカラー7incマルチビューディスプレイを備え、整然としたスイッチレイアウトが直観的な操作感を実現。6:4分割可倒式リヤシートを備えてアレンジもフレキシブル、カーゴタイダウンフックなどの便利なアイテムや機能的な収納スペースも用意します。
【スペック例】
グレード :LONGITUDE
ボディサイズ :全長4400×全幅1810×全高1640(mm)
エンジン :2.4L-L型4気筒 175PS
トランスミッション:6速AT
駆動方式 :前輪駆動
車両本体価格 :3,510,000円~
ラングラー
1987年にCJ型の後継モデルとしてデビューした「ラングラー」。2018年に11年ぶりのフルモデルチェンジを受けて4代目となるLJ型をラインオフ、2ドア仕様1モデルと4ドア仕様2モデルを用意しています。
ご紹介するのは4ドア仕様の「UNLIMITED SPORT」で、パワフルかつ低燃費なターボエンジンに加速性能が高くスムーズな8速ATを組み合わせます。本格4WDとしてボディオンフレーム構造やリジットアクスルを継承しており、新たに高張力スチールや軽量アルミニウムを使用することで軽量化と高剛性を実現。過酷なトレイルでも卓越した接地性を備えており、荒れた岩場をものともしない対地障害角も確保しています。
そしてセレクトラックフルタイム4×4システムを採用することで圧倒的な走破性を発揮。トランスファーでローレンジをセレクトすれば、スタックからも驚異的な脱出力を見せてくれるでしょう。初代からのアイコニックなエクステリアデザインを継承し、優れた4輪駆動性能を表す”TRAIL RATED”の称号を与えられたヘビーデューティモデルです。
ヘリテージモデルを想起させる独創的なインテリアは、直観的なスイッチレイアウトでオフロード走行中でも的確な操作性を実現。新たに追加された遮音対策によって静粛性が向上しており、デュアルゾーンオートエアコンなどの快適装備も充実しています。各所に機能的な収納スペースもあり、リヤシートを倒せば最大2000Lの大容量ラゲッジに。フリーダムトップと呼ばれる3ピースのモジュラーハードトップは手軽にオープンエアドライブを楽しむことができ、車内は対候性の高い仕上がりとなっています。
【スペック例】
グレード :UNLIMITED SPORT
ボディサイズ :全長4870×全幅1985×全高1845(mm)
エンジン :2.0L-L型4気筒 272PS
トランスミッション:8速AT
駆動方式 :2/4輪駆動
車両本体価格 :4,940,000円~
チェロキー
1974年に初代モデルがデビューし、現行モデルはプレミアム感のあるクロスオーバーSUVとなった「チェロキー」。4WDモデルのみで2グレードを用意しており、2019年には「TRAILHAWK」など2グレードを追加する予定です。
ご紹介するのはプレミアムな装備の「LIMITED」で、高出力と低燃費を両立した新型のターボエンジンを搭載します。滑らかに加速する多段化された9速ATや、独立懸架式サスペンションによって安定した高速走行を実現。そしてアクティブドライブがトルク配分を制御、セレクテレインシステムによってオフロードでも高い走破性を発揮します。
ラグジュアリーさが際立つエクステリアは、伝統の7スロットグリルを備えた流麗なスタイルが印象的。プレミアム感を感じさせるインテリアには8.4incのタッチパネルを備え、ナビをはじめとしたインフォテイメントの直観的操作が可能です。ヒーターやベンチレーションを搭載したレザーシートは、適度なサポート性と快適な乗り心地を実現しメモリー機能も用意。アレンジの多彩なラゲッジには、便利なハンズフリーパワーリフトゲートも装備します。
【スペック例】
グレード :LIMITED
ボディサイズ :全長4665×全幅1860×全高1725(mm)
エンジン :2.0L-L型4気筒 272PS
トランスミッション:9速AT
駆動方式 :4輪駆動
車両本体価格 :4,790,000円~
グランドチェロキー
1993年に初代モデルが登場し現行で4代目となるフラッグシップが「グランドチェロキー」。全車4WDでV6エンジン仕様を3グレードとV8エンジン仕様の「SRT8」※を用意します。そして現在は販売を休止している「TRACKHAWK」は、700PSオーバーのエンジンを搭載する超弩級グレードです。
ご紹介するのは「SRT8」でサーキットを走破する圧倒的パフォーマンスを魅せる6.4L HEMI V8エンジンと、効率的にハイパワーを伝達する8速ATを搭載。高出力に対応するクォドラトラックアクティブオンデマンド4×4とセレクトラックシステムを組み合わせて、様々な路面状況や走行シーンで卓越した走破性を発揮します。
そして最大加速のためにローンチコントロールを備え、強力なストッピングパワーを生み出すブレンボ製ブレーキシステムもセット。オンロードでもオフロードでも意のままのハンドリングが体感でき、ダイナミックな走りを実現しています。
フラッグシップに相応しいラグジュアリーなインテリアは、「SRT8」用にカーボンやイリジウムシルバーのアクセントでスポーティな仕立てに。デュアルゾーンエアコンやインフォテイメントをはじめ、ハーマン/カードン製のサウンドシステムなどプレミアムな装備が充実しています。随所に機能的な収納スペースを配置し、6:4分割可倒式リヤシートを備えたラゲッジは最大で1554Lの容量を確保。ハンズフリーでオープンできるパワーリフトゲートも装備しました。
【スペック例】
グレード :SRT8
ボディサイズ :全長4850×全幅1985×全高1800(mm)
エンジン :6.4L-V型8気筒 468PS
トランスミッション:8速AT
駆動方式 :4輪駆動
車両本体価格 :8,100,000円~
※SRT:Street and Racing Technology
広大な大陸で鍛えられたジープの4WD
コンパクトなクロスオーバーSUVからプレミアムSUV、そして卓越したパフォーマンスを発揮する本格4×4まで多彩なラインナップを揃えるジープ。広大な大陸を駆け抜けるジープの魅力にふれてみませんか。
※ 掲載内容は執筆時点、スペック・価格等は参考で変更になる場合があります。
※ 画像とグレードは一致しない場合があります。
※ 一部日本仕様と異なる場合があります。
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この記事のライター
信州の曲者が集まるCLUB Autistaに所属する道楽者。車と酒と湯を愛し、ひと時を執筆に捧げる。