ルノーのおすすめ人気車種・シリーズを徹底解説
日産自動車とアライアンスを締結し、世界でもトップクラスの自動車メーカーとなったフランスのルノー。各国へグローバルに展開しており、日本国内にも魅力的なモデルをリリースしています。ルノーのおすすめモデル・シリーズをご紹介しましょう。
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アイキャッチ画像出典:www.renault.jp
ルノー兄弟から始まった世界規模の自動車メーカー
歴史とモータースポーツ
1898年にルイ・ルノーが創業したルノー。翌年には2人の兄弟とともにルノー・フレール社を設立し、現在のFRレイアウトの原型といわれるダイレクト・ドライブを採用した自動車「ヴォワチュレット」がデビューします。1905年以降にパリ市内を走るタクシーを大量に受注し飛躍的に発展、第一次大戦時には兵員の輸送にこのタクシーが利用され”マルヌのタクシー”として名を馳せました。
第二次大戦の混乱期を経て1945年に国営会社として新たにスタートしたルノー。パリ・サロンで発表した小型車の「4CV」がベストセラーとなり、日本でも日野ルノーとしてノックダウン生産されました。そしてフランスの乗用車で史上最多の生産台数を誇る「4」や、その後にデビューしたハッチバックの「5」が大ヒット。1980年代に入り欧州の自動車メーカーとしてはいち早くミニバンスタイルのモデル「エスパス」をリリースするなど、先進的な車造りを続けています。
1996年には民営化されその後日産自動車ともアライアンスを締結、菱型のエンブレム・ロサンジュを掲げ世界でもトップクラスの自動車メーカーとなりました。
創業当初からモータースポーツに積極的に参戦したルノーは、1902年にパリ・ウィーンレースで優勝。1926年には「ルノー40CVタイプNMデ・レコード」が24時間速度記録を樹立しました。
そしてル・マン24時間レースやF1、ラリーなど様々なカテゴリーに挑戦し、1970年代には「5アルピーヌ」がラリーで大活躍。1990年代にはF1のエンジンサプライヤーとして圧倒的な実力を見せ多くのチャンピオンを獲得、2018年もレッドブル・レーシングにエンジンを供給しています。
ラインナップ
国内ではコンパクトモデルが「トゥインゴ」、ハッチバックの「ルーテシア」と「メガーヌ」に加えてステーションワゴンの「メガーヌ スポーツ ツアラー」。SUVが「キャプチャー」と「カジャー」で、コンパクトなミニバンの「カングー」をラインナップしています。
そして「ルーテシア」と「メガーヌ」には、ハイパフォーマンスなルノー・スポール仕様の「R.S.」も用意します。
代表的なテクノロジー
【EDC:エフィシエントデュアルクラッチ】
ダイレクトなシフトフィールで、素早い変速が可能なデュアルクラッチトランスミッション。エネルギー効率が良く、スムーズかつ滑らかに加速します。
【4CONTROL】
高速走行時は同位相に低速走行時は逆位層にリヤステアを制御する四輪操舵システム。正確な走行ラインと安定した路面追従性を発揮します。
【4HCC:4ハイドロリック・コンプレッション・コントロール】
メインダンパーの底部にセカンダリーダンパーをセットすることで、縮み限界領域でも減衰力を発生するシステム。ラリーからフィードバックされた技術で、ハイレベルにタイヤの接地性を確保します。
世界でもトップクラスのシェアを誇るルノー、国内でリリースされているシリーズとおすすめのモデルをご紹介しましょう。
コンパクト
トゥインゴ
Aセグメントのコンパクトカーで3代目となる「トゥインゴ」。MT仕様やキャンバストップモデルに加えて高性能なGTなど4グレードを展開します。
ご紹介するのは「INTENS Canvas top」で、スタイリッシュなキャンバストップを備えたグレード。低回転域からレスポンスに優れるコンパクトなターボエンジンに、高効率でダイレクトなシフトフィールの6速EDCを組み合わせます。現行型から採用されたRRレイアウトによって力強いドライブフィールとスペース効率を両立。見切りの良いボンネットや高めのアイポイントに加えて4.3mの最小回転半径が取り回しの良さを実現しています。
名車「5ターボ」をモチーフにデザインされたオリジナリティの高いエクステリア。ルーフ後端まで大きく設えた電動キャンバストップは開放感抜群で、手軽にオープンエアドライブが楽しめます。インテリアはポップなデザインで、カラーも3色を用意。RRレイアウトによってコンパクトボディでも室内は広々、粋なパリのエッセンスを感じられるコンパクトカーです。
【スペック例】
グレード :INTENS Canvas top
ボディサイズ :全長3620×全幅1650×全高1545(mm)
エンジン :0.9L-L型3気筒 90PS
トランスミッション:6速EDC
駆動方式 :後輪駆動
車両本体価格 :2,040,000円~
ハッチバック・ワゴン
ルーテシア
ベストセラーだった「5」の後継者としてデビューした「クリオ」の日本への輸出名が「ルーテシア」。現行型で4代目となりMT仕様や受注生産モデルを含めて3グレードを展開、高性能な「R.S.」も用意します。
ご紹介するのは17incアルミホイールやタッチスクリーンを標準装備する「INTENS」。2.0Lエンジン並みの高トルクを発生する1.2Lターボエンジンを搭載し、6速EDCを組み合わせました。レスポンス良く爽快な加速感で、多彩な表情を見せるフランスの路を駆け抜けます。
タイヤを四隅に配置しリヤドアノブをコンシールすることで2ドアライクなスタイルとしたエクステリアは、走り出すアスリートを想起させるモダンかつ躍動感のあるデザイン。フランス車らしいシンプルなインテリアには疲れにくい設計のシートや、7incのタッチスクリーンを備えます。2017年にフランスの国内販売台数でNo.1を獲得したベストセラーモデルです。
【スペック例】
グレード :INTENS
ボディサイズ :全長4095×全幅1750×全高1445(mm)
エンジン :1.2L-L型4気筒 118PS
トランスミッション:6速EDC
駆動方式 :前輪駆動
車両本体価格 :2,340,000円~
メガーヌ
現行モデルで4代目となる「メガーヌ」。高性能な「R.S.」を含めて、それぞれに排気量の異なるガソリンエンジンを搭載した3グレードを展開します。
ご紹介するのは2018年8月に国内でもデリバリーが開始された「R.S.」で、ルノー・スポールをはじめエキスパートエンジニアが開発した高性能エンジンを搭載。タービンはツインスクロールでDLC※加工バルブリフターなどのレーシング技術も投入、フラットなトルク特性と高出力を発揮します。
組み合わされるのは「R.S.」専用で開発された6速EDCで、5モードのギアレシオとシフトパターンが設定されておりパドルシフトも装備。四輪操舵システムの4CONTROLと4HCCサスペンションによって、傑出したハンドリング性能を実現しました。
サーキット名を冠した19incホイールをはじめレーシーなフロントマスクやワイドなフェンダーなど、熱い走りを予感させる「R.S.」専用のエモーショナルなエクステリア。フロントのエアインテークやセンター出しのエクゾーストパイプがスポーティなパフォーマンスを主張します。随所にレッドステッチを施したインテリアはカーボン調の設えで、サポート性の高いアルカンタラ張りのスポーツシートをセット。随所にセットされた「R.S.」のエンブレムがスポーツマインドを昂ぶらせる仕上げです。
【スペック例】
グレード :R.S.
ボディサイズ :全長4410×全幅1875×全高1435(mm)
エンジン :1.8L-L型4気筒 279PS
トランスミッション:6速EDC
駆動方式 :前輪駆動
車両本体価格 :4,400,000円~
※DLC:ダイヤモンドライクカーボン
メガーヌ スポーツ ツアラー
「メガーヌ」をベースにワゴンのユーティリティを手に入れたのが「メガーヌ スポーツ ツアラー」で、「Sport Tourer GT」のみのシングルグレード。「GT」専用の高効率な1.6Lエンジンを搭載、多段化した7速EDCと組み合わせることで高いパフォーマンスを発揮します。基盤となるのはラリーからフィードバックされたGTシャシーで、「R.S.」と同じく4CONTROLを装備。エンジンのレスポンスやEDCの変速タイミングなど、好みに合わせたセッティングができるルノーマルチセンスを備えます。
ルーフレールを備えワゴンとしてストレッチされながらも、躍動感のあるスポーティなエクステリア。シンプル&スマートなインテリアは、ナパレザー仕上げのステアリングやアルカンタラのシートを備えたスポーティでシックな空間です。6:4分割のリヤシートやフック・トノカバーなどを備えたラゲッジはフラットで使い勝手の良い空間、優れたユーティリティ性を発揮します。
【スペック例】
グレード :Sport Tourer GT
ボディサイズ :全長4635×全幅1815×全高1450(mm)
エンジン :1.6L-L型4気筒 205PS
トランスミッション:7速EDC
駆動方式 :前輪駆動
車両本体価格 :3,599,000円~
SUV
キャプチャー
コンパクトなクロスオーバーSUVの「キャプチャー」。ファブリックシートとレザーシートの2グレードを用意します。
ご紹介するのはファブリックシートの「INTENS」で、クラスオーバーのパワー感があるエンジンと6速EDCを搭載。路面状況や走行シーンに対応して走行モードをセレクトできるエクステンデッドグリップや、マッド&スノータイヤを装備します。エクステンデッドグリップのエキスパートモードをセレクトすれば、ホイルスピンしたタイヤを自動的にブレーキで制御。滑りやすいオフロード走行時にでも適切なトラクションを確保します。
エモーショナルなエクステリアは、2トーンルーフがスタイリッシュな印象と個性的なフォルムを表現。洗練されたインテリアは、デザイン性に優れたシンプルな設えで機能的な空間です。6:4分割のリヤシートやマルチポジションラゲッジフロアボードを備えたラゲッジはアレンジも多彩、実用的なユーティリティ性を備えます。
【スペック例】
グレード :INTENS
ボディサイズ :全長4135×全幅1780×全高1535(mm)
エンジン :1.2L-L型4気筒 118PS
トランスミッション:6速EDC
駆動方式 :前輪駆動
車両本体価格 :2,699,000円~
カジャー
2018年から国内でも正式にデリバリーが開始されたミドルレンジのクロスオーバーSUV「カジャー」。国内では「INTENS」のみのシングルグレードでFF仕様になります。
オーバーブースト機能を備えたダウンサイジングターボエンジンは、低速域からトルクフルでハイレスポンスかつ静粛性の高い設計。湿式多板クラッチを採用して耐久性が向上した7速EDCがエンジンのパフォーマンスを引き出します。ブレーキエネルギーを回生するエナジースマートマネジメントや、燃費を抑えるECOモードを搭載することで高効率も実現しました。
ダイナミックなシルエットを描くエクステリアは、躍動感とフレンチのモダンが融合した個性的なデザイン。アラウンドボディプロテクターがSUVの力強さを表現し、デザイン性の高いフルLEDヘッドランプがアイキャッチになります。
インテリアはオーソドックスなレイアウトで、ロングドライブでも疲れにくいフルレザーシートなど上質な設え。テールゲート側からリヤシートを折り畳むことができ、フレキシブルなアレンジができるラゲッジは実用的なユーティリティを発揮します。スマートフォンをミラーリングできるマルチメディアシステムのR-Link 2も装備、粋で先進的なフレンチSUVです。
【スペック例】
グレード :INTENS
ボディサイズ :全長4455×全幅1835×全高1610(mm)
エンジン :1.2L-L型4気筒 131PS
トランスミッション:7速EDC
駆動方式 :前輪駆動
車両本体価格 :3,470,000円~
ミニバン
カングー
2ボックス形状を持つフルゴネットタイプのミニバンで、「エクスプレス」の後継車として”ルドスパス=遊びの空間”をコンセプトにデビューした「カングー」。現行モデルは2代目となりMT仕様とEDC仕様の2グレードを用意します。
ご紹介するのはこのクラスでは珍しいMT仕様の「ZEN 6MT」で、コンパクトな直噴ターボエンジンとスポーティな6速MTの組み合わせ。エナジースマートマネジメントやECOモードも搭載し、優れた燃費性能を発揮します。
アイコニックなエクステリアは初代モデルからのキープコンセプトで、ロサンジュのエンブレムが際立つ洗練されたスタイル。狭いスペースでの乗降性や荷物の積載性が高い両側スライドドアと、ダブルバックドアを備えます。前席にはオーバーヘッドコンソールを、2列目には3連式オーバーヘッドボックスを備え、床下収納やラゲッジを上下2段に仕切れるトノボードなど高機能な収納力を発揮。フランス車らしい実用性と遊び心を兼ね備えた個性的な1台です。
【スペック例】
グレード :ZEN 6MT
ボディサイズ :全長4280×全幅1830×全高1810(mm)
エンジン :1.2L-L型4気筒 115PS
トランスミッション:6速MT
駆動方式 :前輪駆動
車両本体価格 :2,499,000円~
フレンチデザインと個性的なラインナップのルノー
優雅さや粋を感じさせるフレンチデザインで、パーソナリティに富んだモデルをラインナップするルノー。フランスから世界トップクラスの自動車メーカーに成長したルノーの魅力をご紹介しました。
※ 掲載内容は執筆時点、スペック・価格等は参考で変更になる場合があります。
※ 画像とグレードは一致しない場合があります。
※ 一部日本仕様と異なる場合があります。
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この記事のライター
信州の曲者が集まるCLUB Autistaに所属する道楽者。車と酒と湯を愛し、ひと時を執筆に捧げる。