チーズとコーヒーの最高のペアリングをご紹介◎
チーズとワインは王道の組み合わせですが、実は北欧の国ではコーヒーとチーズの食べ合わせが伝統的に行われています。そのようなコーヒーチーズの最高のマッチングをコーヒー、チーズを研究されている講師の方と共に探ります。
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風味が変わるコーヒーチーズという食べ方
チーズといえばワインと考えてしまいがちですが、実は北欧の国では「コーヒーチーズ」なるものが伝統的に食されています。2015年に消費量が過去最高を記録するなど、日本でも一般的な食文化として根付いてきたチーズ。そして集中したい時、リフレッシュしたい時などに飲むコーヒー。合わないように思えるこの2つのペアリング。実はアレンジ次第で驚きを生む素晴らしいペアリングになるのです。
こんなペアリングを試してみました
ウォッシュタイプのチーズとグアテマラのコーヒー
チーズの表皮を塩水や酒で拭いながら熟成させる、ウォッシュタイプのチーズ。原料乳に生クリームを添加して作られたダブルクリームタイプ(乳脂肪分60%以上)で、マイルドで濃厚なミルク感を楽しむことができるチーズです。
産地グアテマラの豆種を使い、フルウォッシュド、浅煎りで焙煎したカシューナッツやはちみつ、オレンジのような風味のコーヒー。
チーズを口に含み、後からコーヒーを加えると口の中で溶け合い、両者の風味が混じり合った非常にまろやかな味わいに変わります。
【オススメちょい足し食材】シナモン
白カビタイプのチーズとエチオピアのコーヒー
湿気のある環境下で2週間~1ヵ月程度熟成させた白カビタイプのチーズ。今回のチーズは低温殺菌された牛乳で作られたチーズで、無殺菌乳製のものと比べるとマイルドな風味が特徴です。
対してコーヒーは、エチオピアのアラカが産地の豆種で、フルウォッシュド、浅煎りで焙煎したものでプラムや茶葉、ジャスミンのようなイメージの風味が楽しめます。
チーズと茶葉感のあるコーヒーを口に含み絡めていくと、茶葉感や苦みがあったコーヒーが紅茶のような味わいに変わっていきます。
【オススメちょい足し食材】りんごジャム
青カビタイプのチーズとブラジルのコーヒー
原料乳の中もしくはカードを形成した段階で、粉末状の青カビをふりかけることで特融のマーブル模様を作り、熟成期間中に中にも空気が入るように穴を開けることで全体に繁殖させる青カビタイプのチーズ。今回のチーズはマイルドでナッツのような風味のあるうま味のしっかりしたチーズです。
合わせるコーヒーは、ブラジルの豆種でナチュラル、浅煎りで焙煎したものでアーモンドやきな粉、りんごのような香ばしさのある風味のコーヒーです。
この組み合わせにメープルシロップをかけて食すと、コーヒーの酸味や苦みとチーズのお互いの強いクセが中和され、新たな風味を作り出します。
【オススメちょい足し食材】メープルシロップ
講師プロフィール
齋藤 淳(さいとう・じゅん)氏
「4/4 SEASONS COFFEE」店主、バリスタ。バリスタ世界チャンピオ
ン Paul Bassett が展開する店舗にてノウハウを学ぶ。
「ゲストハウス Nui.」のバリスタとして活躍後、2015年10月、新宿御苑前
に現店を開業。コーヒーを農作物と捉えて、生豆の選定から抽出まで素材の
味を追求。「コーヒーのあるの日常を日本に根差す」というテーマのもと、
店舗運営とともに活躍の場を広げている。
佐野 嘉彦(さの・よしひこ)氏
Japan Cheese Award運営委員、2017 Mondial du Fromage・国際チーズ
コンクール審査員。 Webマガジン「CHEESE Media」編集長。
東京外国語大学卒業後、スペインに留学。翻訳の勉強の傍らスペイン国内を
巡り、チーズやワインを中心とした食文化を探究。帰国後、国内外の企業で
マーケティング業務に従事した後、ニューヨーク発祥のレストランガイド
『ZAGAT』日本版の編集、レコール・デュ・ヴァンでの講師、『料理通信』
のWeb編集を経て、現職に至る。現在は「CHEESE STAND」を展開する株
式会社nobiluに所属し、同店のPRも担当。C.P.A.認定 チーズプロフェッショ
ナル、J.S.A.認定 ワインエキスパート。