政府公認フィレンツェ観光ガイドが選ぶフィレンツェの高級ホテルおすすめ10選
イタリアの中でも人気トップのフィレンツェ。サルヴァトーレ・フェラガモの本店も、グッチが創業したのもこの街。ファッションも芸術も常に最先端なのがフィレンツェです。そんな魅力いっぱいのこの街で政府公認の観光ガイドをしている筆者が、とっておきの高級ホテルをお届けします。
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フィレンツェってどんな街?ルネサンス時代に栄えた花の都
フィレンツェはイタリアの中部に位置する街です。イタリアの観光地の中でもローマやミラノ、ヴェネツィアと並んで人気の街の一つ。その魅力はルネサンス時代の芸術作品にあります。レオナルド・ダ・ヴィンチもミケランジェロもこの街で芸術を学びました。世界的にも有名なウフィツィ美術館には「ヴィーナスの誕生」やレオナルドの初期の作品が並びます。芸術が常に身近に感じられるフィレンツェ。審美眼は美術館だけでなく街や生活にもしっかりと生かされています。500年以上も前の古い建物が今でもオフィスや居住スペースとして使われているのもこの街の特徴。そんなフィレンツェ人の美意識がたっぷり感じられる高級ホテルを厳選して10軒紹介します。
都会派にお勧めしたいシティー・スィート編
フィレンツェの街は徒歩でどこでも回れるのが特徴です。そんな中でも街の活気を感じられるのが、ショッピング街や観光地が集まる中心地。フィレンツェの伝統的な雰囲気を残しつつも、ファッショナブルなインテリアが部屋を飾る・・・そんな都会派にぴったりの高級ホテルを3軒紹介します。
世界のセレブたちを魅了する ウェスティン・エクセルシオール・フィレンツェ
ハリウッドのセレブたちの旅行先としても大人気のフィレンツェ。ダニエル・デイ=ルイスはフィレンツェに魅せられて靴職人の元で修行しました。そんなセレブたちが滞在先として選ぶのがこのウェスティン・エクセルシオールです。フィレンツェの街を流れるアルノ川のそばにあり360度の景色を眺められるのがこのホテルの魅力。プレジデンシャル・スィートのテラスにはジャグジーがあり、最高の景色を眺めながらゆったりした時間を過ごすことができます。
ホテル最上階にあるレストラン「セスト・オン・アルノ」は景色を堪能できるように総ガラス張り。夏になるとテラスでシャンパンを傾ける人たちが集まります。ミシュランで星を獲得した若手のシェフ、マッテオ・ロレンツィーニが本場イタリア、そしてフレンチ、アジアンテーストを取り入れた料理を提供してくれます。最高の景色を眺めながら、セレブたちをも魅了するトップクラスの味をぜひ味わってください。
『コンデナスト トラベラー』誌のゴールドリストおよび2013年のフィレンツェのベストホテルに選ばれたウェスティン エクセルシオール,フィレンツェは、フィレンツェの歴史とモダンな設備をあわせ持つホテルです。
住所:Piazza Ognissanti 3, Florence, 50123<br />電話番号:+39 055 27151<br />参考価格:プレジデンシャル・スィート 8,000ユーロ
新しいフィレンツェの象徴レプブリカ広場を一望できる ホテル・サヴォイ
フィレンツェには「ピアッツア」と呼ばれる広場が街のいたるところにあります。その中でも街の中心にあるレプブリカ広場は19世紀に作られた新しい広場です。フィレンツェで一番おしゃれなカフェが並ぶのもこのエリア。とびきりのおしゃれをしたフィレンツェっ子たちが広場に張り出したカフェに座ります。その広場の前にあるのがホテル・サヴォイです。入り口にはシルクハットにマントを羽織ったホテルマンが立っており、笑顔で迎えてくれます。このホテルの最大の特徴はフィレンツェのシティ・ビューが楽しめること。フィレンツェの象徴とも言えるドゥオモが見える部屋、そしておしゃれなレプリカ広場が見えるスィートには総大理石のバスルームが付いています。朝はドゥオモの鐘の音とルームサービスの朝食で始める、そんなリッチな体験をできる最高級ホテルです。
フィレンツェの中心地レプブリカ広場の前のホテル
住所:PIAZZA DELLA REPUBBLICA 7, FLORENCE, 50123<br />電話番号:+39 055 27 35 1<br />参考価格:レプブリカ広場が見えるスィート 3,320ユーロ
ショッピングにも観光にも便利に使える最高の立地 JKプレイス・フィレンツェ
ルネサンス文化が花開いたフィレンツェは周り切れないほど多くの観光地がありますが、その中でも最も美しい教会の一つがサンタ・マリア・ノヴェッラ教会です。この教会に付属する薬局は世界最古の薬局として知られており、日本でも高級コスメとして人気があります。その教会の前にあるのがJKプレース。内装はモダンでシック、スィートルームは2階建てになっており、下のリビングルームでゆったり過ごした後は、上の階のベッドルームからフィレンツェの街の景色を堪能することができます。
フィレンツェっ子たちに人気なのが、このホテルのブランチ。幾何学模様の教会のファサードと広場に咲く花を眺めながら、地元トスカーナ地方で採れる材料を使った料理を味わえます。日曜日の昼下がりに軽いカクテルを傾けながら美味しい料理を楽しむのがイタリア流。時間をかけて一つ一つのフィンガーフードを味わいましょう。
サンタ・マリア・ノヴェッラ教会が見えるホテル
住所:Piazza Santa Maria Novella, 7-9r 50123 Firenze<br />電話番号:+39 055 26 45 181<br />参考価格:マスタールーム 1,300ユーロから
伝統的な雰囲気で統一されたクラシック・ホテル編
13世紀にはヨーロッパで最大の都市に発展したフィレンツェ。その後15〜16世紀にかけてルネサンス発祥の街としてイタリアの伝統を築き上げました。今でも500年以上前の建物が生活に使用されています。そんなフィレンツェの長い歴史と引き継がれてきた伝統を感じられるホテル4軒を紹介します。
ミシュラン三ツ星のレストランを併設する ルレ・サンタ・クローチェ
イタリアの偉人たちが眠る教会サンタ・クローチェ。この教会のすぐ側にフィレンツェの最高級レストラン、エノテカ・ピンキオーリがあります。ミシュラン三ツ星を獲得したこのレストランと同じ建物に入っているのがルレ・サンタ・クローチェです。18世紀にローマ教皇庁の財政係だったバルディヌッチが贅を尽くして建てた建物。高い天井に磨き上げられた床板が光ります。趣向を凝らした部屋の中でもサンタ・クローチェ・ロイヤル・スィートは格別。フィレンツェのホテルでも最大級の260平米の部屋には、18世紀の絵画が飾られて落ち着いた雰囲気を醸し出します。フィレンツェの最高の芸術を堪能してください。
住所:Via Ghibellina 87, 50122 Firenze Italia<br />電話番号:+39 055 2342230<br />参考価格:サンタ・クローチェ・ロイヤル・スィート 3,000ユーロから
街の中心で別荘の気分を味わえる シーナ・ヴィッラ・メディチ
イタリアの中世の街は城壁の中で発達しました。ゆったりとした空間は郊外に広がるのですが、このシーナ・ヴィッラ・メディチはその中でも例外です。フィレンツェの中央駅から500mの距離にありながら、大きな庭とプールが併設されています。もともと貴族の宮殿であったため、中は広く高級な家具が並んでいます。街の中心から徒歩10分程度であるにもかかわらず閑静な雰囲気が漂います。
そんな贅沢な雰囲気をさらに味わえるのが庭に面したレストランです。フィレンツェの暑い夏にプールで汗を流し、カクテルで涼めば心もリフレッシュできます。フィレンツェの観光地でアートを味わった後に、極上の空間で疲れを癒せるホテル。メンズファッションを代表するピッティ・ウォーモの会場にもほど近いので、開催しているときにぜひ足を伸ばしてみましょう。
住所:Via Il Prato 42, 50123 Firenze<br />電話番号:+39 055 277171<br />参考価格:イル・マニーフィコ・ロイヤル・スィート 3,450ユーロ
ハイ・ブランド・ストリートに位置する ヘルヴェティア・アンド・ブリストル・フィレンツェ
ハリウッドスターたちの足元を飾ってきたサルヴァトーレ・フェラガモの本店がフィレンツェにあるのはご存知でしょうか?グッチが創業したのもフィレンツェ、そしてそれ以外にもイタリアには魅力的なブランドがたくさんあります。そんなハイ・ブランドが並ぶショッピングストリートのすぐ側にあるのがヘルヴェティア・ブリストル・フィレンツェです。ホテルの向かい側にはルイヴィトン、その隣には現代アートを展示している宮殿があります。そんな高級感漂うエリアに位置するこのホテル。最高の立地を利用したパノラミック・スィートからはフィレンツェの主要な建造物が一望できます。ショッピングに観光に最大限に利用したいホテルです。
住所:Via dei Pescioni, 2, 50123 Firenze<br />電話番号:+ 39 055 26651 <br />参考価格:パノラミック・スィート 1,050ユーロから
世界の名画が並ぶウフィツィ美術館の隣 ホテル・ベルニーニ・パレス
ホテル・ベルニーニ・パレス
歴史あるフィレンツェの中でも最も格調高いホテルの一つ、ベルニーニ・パレス・ホテル。レオナルド・ダ・ヴィンチなどの名画が並ぶウフィツィ美術館も、映画「インフェルノ」の舞台になったヴェッキオ宮殿もこのホテルの隣です。現在の建物は19世紀に建てられたもの。中に入るとエレガントな家具でまとめられています。政治の中心でもあったこの場所では歴史的に旅行者を受け入れてきました。15世紀にはギリシャからの大使、19世紀にはイタリアの政治家たちが利用しています。
このホテルの必見は天井いっぱいに広がるフレスコ画。フィレンツェでは天井にフレスコ画を描く伝統が14世紀からあります。朝食が提供されるのは、イタリアの統一の際に活躍した歴史上の人物たちが天井に描かれた高級感あふれるダイニング。華麗なるイタリアの歴史を存分に感じられるフィレンツェでも一押しのホテルです。
住所:Piazza San Firenze, 29, 50122 Firenze<br />電話番号:+39 055 288621<br />参考価格:スタンダード・スィート 930ユーロから
街中の喧騒から少し足を伸ばして穏やかな時間を楽しむ ヴィッラ編
世界中から観光客が押し寄せるフィレンツェ。年間で1千5百万人が訪れます。ホテルに帰ったら、街中の喧騒から少し離れてリラックスしたいと思う方にオススメしたいホテルを集めました。街の中心部までも遠くなく、緑を感じられる場所をピックアップして紹介します。
ルネサンスの贅を尽くした別荘を満喫できる フォー・シーズンズ
フィレンツェの街中から北に向かって散歩をしていると大きな宮殿が並ぶエリアにたどり着きます。どの宮殿も入り口から手入れされた庭園が見えます。ここはルネサンス時代に、街の権力者たちが狩りを楽しんだ地域。彼らは贅を凝らしてここに別荘を建てたのです。そんな宮殿の一つをホテルにしたのがフォー・シーズンズ。膨大な敷地の中を歩けばまるで王侯貴族になった気分を味わえます。屋内にある中庭はルネサンスの建築家サン・ガッロによるもの。中央にはミケランジェロの彫刻のコピーが設置され、15世紀そのままの雰囲気を醸し出しています。そしてここのもう一つの魅力が大きな庭園です。緑いっぱいの庭園を眺めながらディナーを味わえば、忘れられない思い出となるでしょう。
Four Seasons Hotel Firenze offers a combination of Old World luxury and lush modern amenities at our quiet garden sanctuary in the heart of Florence.
住所:Borgo Pinti 99, 50121 Florence<br />電話:+39 055 26261<br />参考価格:ロイヤル・スィート 15,500ユーロ
昭和天皇も宿泊されたロココ調の邸宅ホテル ヴィッラ・コーラ
絵葉書のようなフィレンツェの街を一望できることで有名なミケランジェロ広場。このエリアはフィレンツェの中でも高級住宅街として知られています。そこにそびえ立つのがヴィッラ・コーラです。イタリア統一直後の19世紀末、フィレンツェは5年間イタリアの首都になりました。海外から大使や貴族などがフィレンツェに邸宅を建てたのもこの頃。ドイツのオッペンハイム男爵がヴィッラ・コーラを建てたのもこの頃。ロココとネオバロックの絢爛な装飾はヴェルサイユ宮殿を思い起こさせます。昭和天皇も宿泊された由緒正しきホテルで最高の贅沢を味わってください。
住所:Viale Machiavelli 18, 50125 Firenze<br />電話番号:+39 055 22 87 90<br />参考価格:インペリアル・スィート 1,560ユーロ
ミケランジェロ設計の丘の上にあるヴィッラ ベル・モンド・ヴィッラ・サン・ミケーレ
フィレンツェの郊外、フィエーゾレの丘は別荘地として発展しました。現在でもハリウッド・スターたちの別荘があることで知られています。15世紀にフィレンツェの権力者メディチ家が別荘を建てたのもここ。景色を楽しむために丘の斜面に庭園を造ったのがイタリア式庭園の始まりとなりました。このホテルは元修道院を利用しており、ファサードはミケランジェロの設計と言われています。離れのリモナイアは完全に独立した空間です。プライベートプールがあり、庭からはフィレンツェの街を見下ろすことができます。フィレンツェの街を見ながらトスカーナの風に吹かれてリラックスできるホテルです。
住所:Via Doccia 4, 50014 Fiesole, Florence<br />電話番号:+39 055 567 8200<br />参考価格:リモナイア・ヴィッラ 9,900ユーロ<br />
街中でも郊外でもフィレンツェの美的センスを思う存分楽しんで
街の中心地にあるモダンなホテルから、フィレンツェの伝統を楽しめるホテル、そして郊外にあるヴィッラまで趣の異なるホテルを紹介してきました。モダンなホテルも含めて共通するのは、フィレンツェが代々受け継いできた美学です。表面は変わってもルネサンス時代から変わらない美的センスがそこかしこに感じられます。お好みのテイストに合わせてあなたなりのフィレンツェ滞在を楽しんでください。
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この記事のライター
イタリア政府公認観光ガイド。本場イタリアからグルメ、ワイン、そしてイタリア男のカッコイイ生き様をお届けします。大手外資系企業で勤務中のある日「トスカーナの風に吹かれたい!」と思いつき、キャリアを捨ててイタリアに移住。フィレンツェ公認観光ガイドとして、大好きなルネサンス発祥の地フィレンツェで、現代にも通じる芸術、歴史、ライフスタイルを紹介しています。Twitterでほぼ毎日イタリアの「生」の情報を提供中。