役者界を席巻する!山田孝之を知るためのおすすめ作品15選
今やドラマに映画、CMなど、見ない日はないほどの人気俳優になった山田孝之。爽やか好青年というイメージを抱いていたという方も多いのではないでしょうか。彼がいかにしてここまでの変化を遂げ、人気俳優と呼ばれるまでになったのか。そんな山田孝之をよく知ることが出来る作品を紹介します。
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「カメレオン俳優」と言われる山田孝之の魅力とは
日本の中堅俳優のなかでも、多くの映画・ドラマ・CMなどに出演し、人々を魅了している山田孝之。
今年34歳になる彼を一躍有名にしたワードが「カメレオン俳優」です。
「カメレオン俳優」とは、文字のごとくカメレオンのように役柄によって全くキャラやルックスが激変し、その作品ごとの世界観に合わせた演技を出来る役者のこと。
コミカルな役から強面のヤミ金業者までを演じる彼は、そんな「カメレオン俳優」の第一人者と言ってもいいでしょう。
今の映画・ドラマ界で知ることを欠かせない俳優・山田孝之の、魅力あふれる作品15選を今回は紹介していきます。
1. 『ちゅらさん』シリーズ(2001年〜)
概要とあらすじ
2001年の上半期から始まり、その後シリーズ4まで作品化されたNHKの連続テレビ小説。
最高視聴率では29.3%を叩き出すなど、かなりのヒット作となりました。山田孝之が出演したのは2004年に放送されたシリーズ3までとなっています。
沖縄県を舞台に、国仲涼子が主演を務めた古波蔵恵里が、恋や家族、職場での関係のなかで人間的に成長する様子を描いた物語となっています。
役者として生きることを決意
この作品で当時17歳だった山田孝之は古波蔵恵里の弟、古波蔵恵達役を演じています。
冷静なのに時には姉思いな一面も見せるこの役で、彼は正統派イケメン俳優として世間に少しずつ認知されるきっかけとなりました。
若手俳優の登竜門ともされるNHK連続テレビ小説の出演ですが、山田孝之自身も、この作品に出演したことで「あ、芝居って楽しいのかも。俳優として生きてみよっかな」と思ったと綴っています。
『ちゅらさん』シリーズ
ドラマ:『ちゅらさん』(2001年)、『ちゅらさん2』(2003年)、『ちゅらさん3』(2004年)、『ちゅらさん4』(2007年)
プロデューサー:菅康弘
出演:国仲涼子 小橋賢児 山田孝之 ほか
2. WATER BOYS(2003年)
概要とあらすじ
平均視聴率16.0%を記録し、フジテレビ系列で放送されたテレビドラマ。
主題歌には福山雅治の『虹』が使用され、実際に劇中でもシンクロのバックミュージックとしても流れました。
舞台は妻夫木聡が主演を努めた映画版『WATER BOYS』から2年後。
男子シンクロナイズドスイミングに憧れて高校に入学した山田孝之演じる進藤勘九郎が、高校最後の学園祭でシンクロ公演のリーダーに選ばれますが、突如そのシンクロ公演は中止されることになってしまいます。学校側との様々な壁や、シンクロ同好会のメンバーとの衝突などを乗り越えながら、シンクロ公演の実現経向けた日々を描いたストーリーとなっています。
正統派イケメン俳優としての山田孝之
映画『モテキ』で有名になった森山未來など、今を取り巻く若手俳優たちと共演したなかで主演を務めた山田孝之は、『WATER BOYS』によってその正統派イケメン俳優の階段をさらに大きく登っていくこととなります。
その甘い顔立ちとともに爽やかさを全面に押し出したことで、多くの層からの支持を集めました。
また、この作品への出演が決まったとき、山田孝之は泳げなかったそうです。そのため、水泳指導のコーチとともに25mを泳げるようになるまで特訓したと言っています。
『WATER BOYS』(全11話)(2003年)
プロデューサー:船津浩一
出演:山田孝之 森山未來 瑛太 ほか
3. ドラマ版『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004年)
概要とあらすじ
2004年にTBS系列で放送された、小説家・片山恭一の同名青春小説を実写ドラマ化した作品です。
映画『20世紀少年』シリーズの監督を務めた堤幸彦や、昨年話題になった『逃げるは恥だが、役に立つ』でも演出を務めた石井康晴が演出を担当しました。
最愛の恋人(綾瀬はるか)を亡くした主人公・松本朔太郎(山田孝之)が、彼女の思い出・過去と向き合い、未来に向かって歩きだすドラマオリジナルのストーリーになっています。
若いながらも見せつけた圧倒的な演技力
この時の山田孝之は21歳でしたが、制服を違和感なく着こなすほどにまだまだその甘いフェイスは残っています。
一話の冒頭、制服姿で涙を流すシーンでは、多くの視聴者を惹きつけ、今に続くその絶大な演技力を見せ始めています。
実際に彼はこの作品でドラマアカデミー賞の主演男優賞を受賞しています。
『世界の中心で、愛をさけぶ』(全11話)(2004年)
プロデューサー:石丸彰彦
出演:山田孝之 綾瀬はるか 松下由樹 ほか
4. 電車男(2005年)
概要とあらすじ
インターネットの電子掲示板である2ちゃんねるへの書き込みを基にした恋愛小説をもとに映画化された作品。映画『バクマン。』や『君の名は。』などをプロデュースした川村元気による企画。全国東宝系で公開され、興行収入は37億円を突破した大ヒット映画となっています。
電車内で酔っぱらいに絡まれた女性(中谷美紀)を助けた、主人公・通称"電車男”(山田孝之)。助けた女性と絡んでいくうちに徐々に心惹かれていくも、オタク青年である彼にはどうしていいかわかりません。そこで彼が助けを求めたのは匿名インターネット掲示板でした。
主人公"電車男”がその女性との関係を進めていく物語となっています。
「カメレオン俳優」の片鱗を覗かせた『電車男』
これまで爽やかな好青年の役を演じることの多かった山田孝之ですが、ここで一気に出演作・役柄の雰囲気が一変します。
恐らくここが「カメレオン俳優」としての片鱗を見せ始めた最初の作品だったとも言えるでしょう。
内気なオタク青年を演じた山田孝之は、その個性的な演技やどんな役柄でもこなせる性格から業界内でもかなり注目され始めました。
『電車男』(2005年)
監督:村上正典
出演:山田孝之 中谷美紀 瑛太 ほか
5. 白夜行(2006年)
概要とあらすじ
原作は東野圭吾の同名ミステリー長編小説。実写ドラマとなったこの作品は、TBS系列で放送されました。
主演・山田孝之とヒロイン・綾瀬はるかのコンビは、前述したドラマ『世界の中心で、愛をさけぶ』に続いて2回目となっています。
幼少時、初恋の少女を助けるために父親を殺した少年と、その少年を庇うために母親の命を奪った少女。
その後14年間に渡る2人の残酷な愛と罪を重ねながら、事件の真相を追い続ける刑事(武田鉄矢)と物語を展開させていきます。
"爽やかな好青年"のイメージを一変
今でこそダークな役を演じることも多くなった山田孝之ですが、そういった役柄を演じることが出来ることを見せつけたのがこの作品でしょう。
ダークな雰囲気とその中に見せる哀しみに満ちた笑顔を、うまく表現しています。
表情を見せるため、プロデューサーから撮影前に髪を切るかどうか相談された彼は、あえて髪を切らずに表情よりも暗い雰囲気を醸し出すことで、見る人を惹きつける役作りに挑んだそうです。
『白夜行』(全11話)(2006年)
プロデューサー:石丸彰彦
出演:山田孝之 綾瀬はるか 武田鉄矢 ほか
6. 『クローズZERO』シリーズ(2007年〜)
概要とあらすじ
高橋ヒロシの漫画『クローズ』を原作として公開された邦画。2009年にシリーズ2作目となる『クローズZEROⅡ』、2014年にシリーズ3作目となる『クローズEXPLODE』が公開されています。
県内随一の不良高校である鈴蘭高校。未だかつてその頂点である番長に上り詰めた者はいない。
そんな中で小栗旬演じる主人公・滝谷源治がその番長を目指す過程で描く人間・アクションドラマとなっています。山田孝之は、本作の滝谷源治のライバル・芹沢多摩雄役を演じました。
新たなイメージを作りあげることへの挑戦
山田孝之自身は、この作品をチャンスだと捉えていたようです。今までの彼の出演作品は、それぞれ雰囲気は違えど泣ける作品が大半を占めていました。彼はこの映画で、不良役として貫禄や強さというイメージを見せつけていくことで、俳優としての新たな一面を見せていこうと思っていたと言っています。
そのためにヒゲを生やし、前髪を上げ、主演の小栗旬とともにボクシングジムに行ったそうです。
この作品は3作公開していますが、山田孝之は2作目の『クローズZEROⅡ』までとなっております。
『クローズZERO』シリーズ
映画:『クローズZERO』(2007年)、『クローズZEROⅡ』(2009年)
監督:三池崇史
出演:小栗旬 高岡蒼甫、やべきょうすけ、山田孝之 ほか
7. 大洗にも星はふるなり(2009年)
概要とあらすじ
監督・福田雄一が作った戯曲をもとに、同氏が監督・脚本を務め、映像化した作品です。
後に『勇者ヨシヒコ』シリーズに続く長い付き合いとなる福田雄一監督と山田孝之。
この作品はそんな2人の最初の共作となっています。この作品以降、山田孝之は、いわゆる「福田組」として多くの福田雄一作品に出演していくことになります。
クリスマスの近づいたある日、山田孝之演じる主人公・杉本のもとに、夏にアルバイトをしていた海の家のマドンナ・江里子から「イヴの夜にあの海の家で会いたい」という手紙が届きました。自信過剰な杉本は海の家に向かいますが、そこには同じ境遇の4人がいました。自分こそが江里子の本命と信じ始めた各々は、2人を巻き込んだ7人で、江里子へのアピール合戦を繰り広げ始めます。
コメディ役者としての山田孝之
山田孝之としては、本格的なコメディに大きな役で出演したのはこれが始めてでした。今までの彼のイメージを払拭するように、また新たな姿を見せたのがこの作品。今でこそ、CMなどでコメディチックな表情を多く見せていますが、当時はそのようなイメージはあまりありませんでした。目と口を大きく見開き、指を指しながら相手を嘲笑したりするなど、『勇者ヨシヒコ』シリーズなどに見られるような表情を多く見ることが出来ます。
また、この作品では福田組として活動していく、ムロツヨシや佐藤二朗などとも共演しています。
『大洗にも星はふるなり』
監督:福田雄一
出演:山田孝之 山本裕介 ムロツヨシ 佐藤二朗 ほか
8. 『闇金ウシジマくん』シリーズ(2010年〜)
概要とあらすじ
真鍋昌平による大人気マンガ『闇金ウシジマくん』の実写ドラマ化、及びその映画化です。
原作は『ビッグコミックスピリッツ』で2004年から連載されており、単行本の累計発行部数は800万部を突破しています。2010年に山田孝之主演で実写ドラマ化されて以来、2016年のSeason3まで放送されました。また、それに伴い、2012年から計4作、本ドラマの劇場版も公開されています。
10日で5割の利息で貸し付ける闇金業者「カウカウファイナンス」。その社長である丑嶋馨(山田孝之)と、カウカウファイナンスの社員、訪れる客の周りで展開される人間模様と、普段目にすることのない裏社会をテーマにストーリーは繰り広げられていきます。
外面だけでなく内面までも徹底された役作り
『クローズZERO』にて圧のある男を演じきった山田孝之は、この作品によってさらにそのレベルが上がりました。彼はこの作品の主人公・丑嶋馨を演じきるにあたって、外見も内面も物凄い役作りをしています。丸メガネを中心に、今までの長髪をバッサリと切り、その特徴的なヒゲを最大限に活かして原作を超えるくらいの威圧感を表現しました。また、内面も、冷めて無機質な人間性を、ほとんど顔を動かさないという表情でうまく作り出しています。
前年に『大洗にも星はふるなり』でかなりコメディチックな役を演じた山田孝之ですが、この作品ではその雰囲気を大きく変えました。このイメージを常に変化させる彼の役作りにも注目です。
出典:s.eximg.jp
『闇金ウシジマくん』シリーズ
ドラマ:Season1(2010年)、Season2(2014年)、Season3(2016年)
映画:Part1(2012年)、Part2(2014年)、Part3(2016年)、Final(2016年)
監督:山口雅俊
出演:山田孝之 やべきょうすけ 崎本大海 ほか
9. 『勇者ヨシヒコ』シリーズ(2011年〜)
概要とあらすじ
2009年に公開された『大洗にも星はふるなり』でタッグを組んだ福田雄一監督×山田孝之のコンビの復活しです。
大人気ゲーム『ドラゴンクエスト』シリーズの要素をふんだんに盛り込んだ内容のコメディ・ドラマであり、他作品のパロディなども多く本ドラマ内に用いられています。シリーズとしては『勇者ヨシヒコと魔王の城』、『勇者ヨシヒコと悪霊の鍵』、『勇者ヨシヒコと導かれし七人』の全3部がテレビ東京系列で放送されました。
ある出来事をきっかけに冒険の旅に出ることになったヨシヒコ(山田孝之)は、道中でダンジョー(宅麻伸)、ムラサキ(木南晴夏)、メレブ(ムロツヨシ)と出会います。彼らとともに魔王を倒すため、ヨシヒコは様々な困難に立ち向かっていきます。
「面白い」ことには時間も予算も関係ない
この作品は山田孝之という俳優を世間に広く認知させた、彼の代表作の1つとも言えます。
「予算の少ない冒険活劇」と題されたこのドラマは、文字通り、明らかにつくりものだとわかるような『ドラクエ』シリーズのスライムを模した敵などが登場する見るからにコメディです。まるでコントのようなその内容ですが、天然キャラのヨシヒコを真剣にこなす山田孝之の演技は、多くの人気を博しました。
福田監督からこの作品への出演オファーを受けた際、「深夜の時間で低予算」ということを伝えられた山田孝之は、「面白いことに時間もお金も関係ない」とオファーを快諾したそうです。
また、ムロツヨシや佐藤二朗などとともに福田雄一監督とタッグを組む"福田組"と呼ばれるメンバーとしても大きく知られるきっかけとなった作品とも言えます。
『勇者ヨシヒコ』シリーズ
ドラマ:『勇者ヨシヒコと魔王の城』(2011年)、『勇者ヨシヒコと悪霊の鍵』(2012年)、『勇者ヨシヒコと導かれし七人』(2016年)
監督:福田雄一
出演:山田孝之 宅麻伸 木南晴夏 佐藤二朗 ほか
10. 『荒川アンダー ザ ブリッジ』シリーズ(2011年〜)
出典:king-cr.jp
概要とあらすじ
単行本の累計発行部数600万部を突破した中村光による『荒川アンダー ザ ブリッジ』の実写化ドラマ、とその映画。原作は2004年から2015年まで連載され、全15巻で完結しています。
2011年に林遣都主演で『荒川アンダー ザ ブリッジ』が放送され、翌年に『荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE』として実写映画化されました。
大財閥の御曹司である主人公・リク(林遣都)は、幼少期の頃から英才教育を受けるエリート。リクは荒川の河川敷を歩いている際に、ニノ(桐谷美玲)という少女と出会うことになります。そんな2人はある約束から恋人として河川敷でホームレス生活を始めました。2人を中心に、村長(小栗旬)、星(山田孝之)、シスター(城田優)など不思議なキャラクターたちが展開する新感覚なストーリーです!
幅広く、豪華な交友関係
山田孝之は、非常に交友関係が広いことでも知られています。ミュージシャンのGacktやONE OK ROCKのボーカルtakaから、数々の共演を果たしている小栗旬や綾野剛などです。特に『クローズZERO』シリーズで作られた交友関係は強いものになっているそうです。この実写版『荒川アンダー ザ ブリッジ』に出演するきっかけとなったのも、製作元であるスクウェア・エニックスに対し、村長役での出演を直談判した小栗旬(『クローズZERO』シリーズで共演)が、「友人である山田孝之も星役で出たがっている」とキャスティングしたことがきっかけで、山田孝之の出演が決定したそうです。監督や映画会社からだけでなく、こういった俳優同士の関係から出演に至ることもそう珍しいことではないそうです。
『荒川アンダー ザ ブリッジ』シリーズ
ドラマ:『荒川アンダー ザ ブリッジ』(2011年)
映画:『荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE』(2012年)
監督:飯塚健
出演:林遣都 桐谷美玲 小栗旬 山田孝之 城田優 ほか
11. 凶悪(2013年)
概要とあらすじ
ノンフィクション小説『凶悪-ある死刑囚の告発-』を原作とした社会派映画。何かをしかと見つめ続ける山田孝之の眼力と、その後ろで薄ら笑いを浮かべる不気味なリリー・フランキーとピエール瀧が特徴的なポスターとなっています。役者の演技の凄さや、この映画全体からにじみ出るダークな雰囲気が評判を生み、日本アカデミー賞の多くの部門でノミネートされたり、モントリオール世界映画祭にも出品されました。
取材のため東京拘置所を訪れたジャーナリストの藤井(山田孝之)は、ヤクザの死刑囚・須藤(ピエール瀧)から、自分が判決を受けた事件の他に、3つの事件に関わっていることを伝えられます。そして、その全ての首謀者に「先生」(リリー・フランキー)という首謀者がいることも。藤井は3つの事件と「先生」について調査を進めますが、やがて恐ろしい事件の真相が明らかになっていきます。
監督も絶賛した山田孝之の役作りの仕方
山田孝之、ピエール瀧、リリー・フランキーの3人の演技が不気味に光っているのがこの作品です。その暗く、ジメジメとした雰囲気はポスターからも滲み出ています。そしてその中でも、特に山田孝之の演技には目を見張るものがあります。作中でジャーナリストの藤井(山田孝之)は死刑囚・須藤(ピエール瀧)と面会する頻度が段々と増していきます。藤井は面会する度に、そして事件の真相を知っていく度に狂気性に駆られていきます。山田孝之は、その少しずつ増していく狂気性を11段階の喜怒哀楽に分けることで役作りしていったそうです。今からこの映画を観るという方は、作中における山田孝之の表情の変化にも注目して観ていくと、さらに楽しめるかもしれません。
『凶悪』(2013年)
監督:白石和彌
出演:山田孝之 ピエール瀧 リリー・フランキー ほか
12. 信長協奏曲
概要とあらすじ
第57回小学館漫画賞少年向け部門を受賞した石井あゆみ原作『信長協奏曲』の実写ドラマ化、及びその映画化作品。ドラマはフジテレビの月9枠にて、この時間帯としては初の時代劇作品として放送されました。また、主演を務めた小栗旬は、『リッチマン、プアウーマン』以来2年ぶりの月9主演となっています。ドラマ版終了から約1年後に、ドラマ版の続編として映画版が公開されました。
誰もが知っている織田信長が、“現代からタイムスリップした普通の高校生だった”という斬新な設定のもと、弱小大名にすぎなかった織田家の若武者たちが、未来から来たサブローの力によって「天下統一」という途方もない夢に向かってこぎ出します。"現代の若者"と"戦国の世を生きる武士"のジェネレーションギャップに戸惑いながらも、池田恒興(向井理)、羽柴秀吉(山田孝之)らと繰り広げる笑いあり、涙ありの人間ドラマとなっています。
俳優仲間"小栗旬"の作り出す陽気さと"山田孝之"の作り出す陰気さ
上で紹介した『荒川アンダー ザ ブリッジ』に続き、この作品の出演もまた、主演を務めた小栗旬からのオファーが出演のきっかけになったそうです。この作品における羽柴秀吉も、立ち位置としては悪役であり、表と裏の顔を持ち合わせています。周囲の役者仲間も、山田孝之が作り出す表情の変化の多彩さには一目置いているようです。
小栗旬演じるサブローは、よく織田信長が歴史上言われている通りの「うつけ」者です。何があっても「平和が一番」と、周囲の家臣たちと笑っています。一方の、山田孝之演じる羽柴秀吉は、信長に肉親を殺された過去を持ち、憎しみを募らせているため、「いつか抹殺してやる」と時折暗いオーラを解き放っています。この小栗旬の作り出す明るい表情と、山田孝之が過去作品からも作り出してきたダークな表情の対比に注目です。
『信長協奏曲』シリーズ
ドラマ:『信長協奏曲』(2014年)
映画:『信長協奏曲』(2016年)
監督:松山博昭
出演:小栗旬 柴咲コウ 向井理 山田孝之 ほか
13. 山田孝之のカンヌ映画祭
概要とあらすじ
『天然コケッコー』や『苦役列車』などでメガホンを取った山下敦弘監督と山田孝之によるドキュメンタリー風ドラマ。以前にも同様に、この2人のタッグで『山田孝之の東京都北区赤羽』がテレビ東京系列で放送されており、今回はその第2段のような形になっています。このドラマから派生して生まれた映画が、次に紹介する『映画 山田孝之 3D』となっています。
この映像は、カンヌ国際映画祭の最高賞「パルムドール」を狙う山田孝之と、山下敦弘監督の密着ドキュメンタリーです。山田孝之は2016年の夏、自らがプロデューサーとなって、監督に山下敦弘、主演に芦田愛菜を迎えた映像作品を撮ることを決意します。彼らはフランスへ渡ったり、第50回カンヌ国際映画祭で新人監督賞を受賞した河瀨直美監督と出会うなかで、様々な困難とぶつかりながらも、なんとか映画製作へと移っていきます。
ドラマ?それともドキュメンタリー?
様々なCMに出演したり、TEEの楽曲「恋のはじまり」においてMV監督を務めた彼は、一人の役者の範疇を超えた「面白い」ことをしていきたいと思っているそうです。先日は、プレミアムなコンテンツをライブ動画で販売するECプラットホームを運営する会社「ミーアンドスターズ」を立ち上げ、そのCEO(最高経営責任者)にもなりました。
そしてこの作品を観ていると、これがドラマなのか、ドキュメンタリーなのかわからなくなってきます。「主演ではなく、プロデューサーとして映画を作りたい」。今の彼なら本当に言っていてもおかしくないセリフです。しかし、この作品を最後まで観ていると、これが本当にドラマだったのか、ドキュメンタリーだったのかがわかります。まだ観ていないという方は、是非、どっちなのか考えながら、山田孝之という人物を楽しんでみてください。
『山田孝之のカンヌ映画祭』(2017年)
監督:山下敦弘 松江哲明
出演:山田孝之 山下敦弘 芦田愛菜 ほか
14. 映画 山田孝之 3D
概要とあらすじ
テレビ東京系列の深夜ドラマ『山田孝之のカンヌ映画祭』をきっかけに生まれた映画。「山田孝之」という人物を、言葉や音、過去や未来から掘り下げていきます。
ポスターにある通り、実際にこの映画をカンヌ映画祭に出品したようです。ノミネートされたのか、落選したのか、はたまた当選したのか。それはこの映画を観てからのお楽しみです。
山田孝之が何を考えて行動し、演技をしているのか
一人の役者について、ひたすら掘り下げていくという映画はとても珍しいです。このタイトルにある"3D"というのは、"山田孝之"という人間が、いくつもの層から出来ているという意味を込めて付けられているそうです。ここまで読んで、彼をもっと知ってみたいという方にとって、この映画はさらに山田孝之という人物について教えてくれると思います。
役者の世界において、様々なスペシャリストと作品をつくり、多くの人に「いなくてはならない、唯一無二の存在」と言わせてきた山田孝之。演技以外のことにも手を出し、「面白い」ことを求めてきた彼が、いま何を考え行動し、演技をしているのかを知ることが出来ます。
『映画 山田孝之 3D』(2017年)
監督:山下敦弘 松江哲明
出演:山田孝之 ほか
15. ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章
概要とあらすじ
荒木飛呂彦原作による人気マンガ『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズから、第4部にあたる『ジョジョの奇妙な冒険 Part4 ダイヤモンドは砕けない』を実写映画化した作品。第4部は日本が舞台であり、邦画での実写化がしやすい作品でもあります。実写映画化にこぎつけるまでは、5年以上かけて原作者である荒木飛呂彦を説得したそうです。また、監督は『クローズZERO』シリーズや映画『るろうに剣心』シリーズなど、多くのマンガ実写化を担当してきた三池崇史が務めています。
舞台は日本。N県S市杜王町に住む高校生・東方仗助(山崎賢人)は、あることをきっかけに杜王町に潜む邪悪なスタンド使いたちとの戦いに巻き込まれてゆくこととなります。この第一部では、広瀬康一(神木隆之介)らとともに、スタンド使い・アンジェロ(山田孝之)との戦いに挑むことになります。
主演でなくても作品の雰囲気を大きく変えられる役者
この作品で山田孝之が演じるアンジェロは、IQ160を持つ日本史上最低の殺人鬼という設定です。山田孝之は、このアンジェロの狂気性を役に反映させるために、撮影の休憩中も「人が歩いたりするのを見て、色々な殺し方を頭の中でずっと考えていました。」と語っています。
『クローズZERO』や『信長協奏曲』でも観られたように、山田孝之は主演の役柄だけでなく、こういったダークな雰囲気を纏った役柄も多くこなしています。しかし、その中でも、作品の雰囲気を大きく変えてしまうような演技を出来るのが山田孝之の魅力です。作品ごとに目つきや表情なども変わり、その雰囲気を上手くつくりだしている彼の役作りには目を見張るものがあります。
『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』(2017年)
監督:三池崇史
出演:山崎賢人 神木隆之介 小松菜奈 山田孝之 ほか
"山田孝之" さらに「面白い」ことへ
いかがでしたでしょうか。今や日本を代表する役者になった山田孝之という俳優を少しでも知って頂けたでしょうか。彼はその演技力の素晴らしさから、2010年には米ハリウッド・レポーター誌の「世界の注目俳優10人」にも選ばれています。
そんな山田孝之は今、演者としてだけでなく、プロデューサーとして映画に全面的に関わる立場にも立とうとしています。2018年公開予定の映画『ハードコア』。この作品で、山田孝之は自らが主演だけでなくプロデュースも行います。作中では山田孝之の兄弟役に、仲が良いことで知られている佐藤健、そして監督は『映画 山田孝之 3D』でも監督を務めた山下敦弘がメガホンを取ります。
このように演技以外の「面白い」ことを求めて、様々なことに挑戦する山田孝之。今後も彼の関わる作品からは目が離せません。
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慶應義塾大学の学生です!映画や本など、エンターテイメントを中心に幅広いことを紹介していこうと思います!