英国紳士、コリン・ファース

柔和な笑みにダンディな雰囲気。まさに“紳士”という言葉がぴったりなコリン・ファースはイギリス出身の56歳です。
イギリスの映画からハリウッド作品まで、様々な作品で活躍しているコリン・ファース。母国を代表する俳優である彼が初めて演技の経験をしたのはなんと幼少期なのだとか！本格的に俳優の道を志したのはロンドン芸術大学に在学している時。出演した舞台『アナザー・カントリー』が大ヒットし、それがきっかけで映画業界に足を踏み入れたそうです。
なんと今までコリン・ファースが出演した映画の興行収入は、合計で約3000億円にもなるのだとか。その映画界への貢献が認められ、ハリウッドの名所“ウォーク・オブ・フェイム”にその名前が刻まれました。また2011年には母国で大英帝国勲章を受賞しています。

プライベートでも真面目で温厚な人物として知られているコリン・ファース。彼が今までに出演している映画は名作ばかり！今回は男も憧れるダンディな男、コリン・ファースの若い頃から近年の出演作品まで、おすすめ映画を15選ご紹介します。

1. アナザー・カントリー (1984)

作品概要・あらすじ

コリン・ファースが初出演を飾った映画がこの『アナザー・カントリー』。彼はもともと舞台の『アナザー・カントリー』にも出演しており、それが縁で映画版にも出演することになったそうです。

舞台は1930年代、イギリスの名門男子校のイートン校。主人公のガイは、別の寮の美しい青年ハーコートに一目惚れをしてしまいます。しかしまだ同性愛者は犯罪者とみなされてしまう時代。ガイの友人で共産主義者のトミーは、ガイに忠告をするのですが・・・
なぜ主人公は後に祖国を裏切り、スパイとしてロシアに亡命することになったのか？パブリックスクールで共産主義に傾倒していく若者たちを描いた青春映画です。

耽美的な世界観で描かれる、青年たちの恋と夢

“ダンディなおじ様”のイメージが強いコリン・ファースですが、この映画に出演した時は若干23歳！この頃からすでに“英国紳士”のオーラが漂う彼の姿を見ることができます。
同性愛が禁じられている時代、そして青年たちが通っているのは将来が約束されている名門校。同性愛者であるがゆえの苦悩、第二次世界大戦前という混沌とした時代の中で共産主義に傾いていく若者たち・・・青年たちによる耽美的な恋愛物語でもありますが、当時の時代を知ることのできる歴史ドラマでもある作品です。コリン・ファースの初々しいデビューシーンをぜひ目撃してみてくださいね！

公開 : 1985年8月1日
監督 : マレク・カニエフスカ
出演 : ルパート・エヴァレット、コリン・ファース

2. 恋の掟 (1989)

作品概要・あらすじ

舞台は18世紀、フランス。恋の復讐に燃える若き未亡人、メルトゥイユ公爵夫人。そんな公爵夫人をかつてすてた男、ジェルクール将軍。若く悪名高いプレイボーイ、ヴァルモン。そんなプレイボーイが恋をする清純な女性、トゥルベール・・・貴族社会を舞台に繰り広げられる、スキャンダラスな大人の恋の物語です。
コリン・ファースはこんな映画で女心を弄ぶプレイボーイ、ヴァルモンを演じています。

入り乱れる複雑な関係！この恋の行方はいかに？

上品で優雅な貴族社会の裏で起こっている、愛憎入り混じるドロドロの多角関係。年端も満たない美しい少女を自分のものにしようとする男、自分を裏切った男の婚約者を貶めようとする公爵夫人・・・この映画でのコリン・ファースは、なんとプレイボーイという役どころ。最近演じている役を思い浮かべると、少しびっくりさせられてしまいますよね！悪名高い青年ヴァルモンですが、どこか気品がにじみ出ているのは演じているのがコリン・ファースだからかもしれません。
恋愛の駆け引きをたっぷりと観ることができる『恋の掟』。貴族たちのドロドロの恋の関係の結末は、観てからのお楽しみです！

公開 : 1992年10月24日
監督 : ミロス・フォアマン
出演 : アネット・ベニング、コリン・ファース、メグ・ティリー

3. 恋におちたシェイクスピア (1998)

作品概要・あらすじ

『ロミオとジュリエット』や『リア王』など、数々の名作を残している劇作家ウィリアム・シェイクスピア。そんな彼の若き日の恋を描いた映画が『恋におちたシェイクスピア』です。

舞台は16世紀、ロンドン。スランプに陥っていたシェイクスピアがオーディションにやってきた若者、トマス・ケントの後を追っていくとそこには1人の美しい女性が。彼女の名前はヴァイオラ。シェイクスピアを信奉していたヴァイオラと彼は瞬く間に恋におち、シェイクスピアの執筆も再び軌道に乗り始めます。トマス・ケントを主役にした劇の稽古も順調に進んでいた最中、ヴァイオラから別れの手紙を渡されるシェイクスピア。実は彼女には驚きの秘密があって・・・

シェイクスピアの恋人の秘密とは？

当時の舞台や衣装を忠実に再現したゴージャスな世界観と、丁寧に凝られたそのストーリーでアカデミー賞作品賞やゴールデングローブ賞を受賞した『恋におちたシェイクスピア』。背景にはシェイクスピアの代表作品『ロミオとジュリエット』が描かれており、実在の人物も多く登場するこの映画はシェイクスピアの人生についても知ることができます。
コリン・ファースが演じるのは、彼にしては珍しく憎まれ役のウェセックス卿。嫌味ったらしいコリン・ファースの演技が見られるところも、この作品の楽しみの1つかも？豪華絢爛、重厚感たっぷりの映画が観たい！というときにぜひ、シェイクスピアの悲喜劇を描いた『恋におちたシェイクスピア』手にとってみてくださいね。

公開 : 1999年5月1日
監督 : ジョン・マッデン
出演 : グウィネス・バルトロー、ジョセフ・ファインズ、ジョディ・リンチ

4. ブリジット・ジョーンズの日記 (2001)

作品概要・あらすじ

全世界の女性を共感の渦に巻き込んだといっても過言ではないのがこの作品、『ブリジット・ジョーンズの日記』です。名前を聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか？
ロンドンの出版社につとめるブリジット・ジョーンズ、32歳。お酒と煙草がやめられない、ダイエットもしたいけれどなかなか実行できない・・・そんなブリジットは新年のパーティーで弁護士のマークに出会いますが、彼の着ているダサいセーターに幻滅。その後職場のハンサムな上司、ダニエルといい感じになる彼女ですが、まさかのマークから好意をよせられて？恋に仕事に奮闘するブリジットの姿を描いた、大ヒットラブコメディです。

コリン・ファースのハマり役！

コリン・ファースが演じるのは、パーティーでトナカイのセーターを着ていた弁護士のマーク。寡黙で真面目くさった偏屈な男・・・でも不器用な優しさを見せる一面も？本当にコリン・ファースはこのような性格ではないのかと思うぐらい、まさに“ハマり役”なんです。痩せたいけれど痩せられない、素敵な恋がしたいけれどなかなかうまくいかない！そんな等身大の新しいヒロイン、ブリジット・ジョーンズを主人公にした映画は世界中で大ヒット。第2作目、そして2016年には第3作目も公開されるなど不動の人気を誇っています。

ブリジットのはちゃめちゃな天然っぷり、そしてタイプの違う男性2人の格好よさに男性も楽しめるラブコメディ『ブリジット・ジョーンズの日記』。絶対にポジティブな気持ちになれる作品です。

公開 : 2001年9月22日
監督 : シャロン・マグアイア
出演 : レニー・ゼルウィガー、コリン・ファース、ヒュー・グラント

5. 真珠の耳飾りの少女 (2003)

作品概要・あらすじ

みなさんはバロック期を代表するオランダの画家、ヨハネス・フェルメールの作品“真珠の耳飾りの少女”という絵画をご存知でしょうか。青いターバンを巻き、こちらを振り返る若く美しい少女の肖像画。その絵から着想をえた映画が『真珠の耳飾りの少女』です。
舞台は15世紀のオランダ。少女グリートは、フェルメールの家に使用人として働くことになります。実はタイル絵師の父をもつグリートは、色彩や陰影に対してフェルメールの妻よりも理解を持っていました。フェルメールはそんなグリートをモデルに、作品を創造することを決意するのですが・・・

絵画を切り取ったような映像に注目

コリン・ファースが演じるのは画家フェルメール。真珠の耳飾りの少女のモデルとなるグリートを演じるのは『アベンジャーズ』シリーズや『ゴースト・イン・ザ・シェル』に出演する女優、スカーレット・ヨハンソンです。
この映画はフェルメールの色彩や構図をそのまま表現しているとして、アカデミー賞3部門の候補になるなど高い評価を受けました。芸術家の苦悩や狂気、絵画が動いているかのような美しい映像を観ることができる『真珠の耳飾りの少女』。夜にゆっくりと味わいたい作品です。

公開 : 2004年4月10日
監督 : ピーター・ウェーバー
出演 : コリン・ファース、スカーレット・ヨハンソン

6. ラブ・アクチュアリー (2003)

作品概要・あらすじ

舞台はクリスマスまであと5週間という時期のロンドン。落ちぶれたロック歌手、弟に恋人をとられたミステリー作家、親友の恋人への恋心に葛藤しながら彼らの結婚式に立ち会う男性。そして若い秘書に一目惚れしてしまう、イギリスの首相・・・美しいクリスマス・シーズンの街を舞台に綴られる、アンサンブル・ラブストーリーです。
コリン・ファースが演じるのは恋人が自分の弟と浮気している現場に踏み入ってしまうミステリー作家、ジェイミーです。

様々な愛の形を描いたあたたかい物語

落ちぶれたロック歌手を演じるのはイギリスを代表するベテラン俳優、ビル・ナイ。若くハンサムなイギリス首相を演じるのは『ブリジット・ジョーンズの日記』でコリン・ファースとも共演しているヒュー・グラント。他にもキーラ・ナイトレイやアラン・リックマン、リーアム・ニーソンなど豪華スターが顔を連ねています。

19人、9組の愛の形を描いた『ラブ・アクチュアリー』。浮気や不倫の恋から初々しい初恋、親子の愛情まで。様々な彼らの愛の物語にあたたかい気持ちに包まれること、間違いありません。そんな『ラブ・アクチュアリー』は近日、14年後の世界を描いた短編映画が公開されるそうです！ぜひ続編をご覧になる前に、本作をもう1度チェックしてみてはいかがですか？

公開 : 2004年2月7日
監督 : リチャード・カーティス
出演 : ビル・ナイ、コリン・ファース、リーアム・ニーソン

7. マンマ・ミーア！ (2008)

作品概要・あらすじ

2001年にブロードウェイで初上演され、世界的に大ヒットしたミュージカル『マンマ・ミーア！』。それを映画化したものが同名作品の『マンマ・ミーア！』です。

舞台はギリシャの小島。結婚式を控えたソフィーは、ホテルを経営する母親のドナと2人暮らし。実はソフィーは、自分の父親が誰なのか知りませんでした。パパと一緒にバージンロードを歩きたい！そう思ったソフィーは母親の日記を盗み見、候補と思われる3人の男性に手紙を出すことに。出した結果、なんと3人とも島にやってきてしまって・・・？ソフィーの恋、ドナの愛、親子の絆を描いたロマンティック・コメディです。
コリン・ファースはソフィーの父親候補の1人、イギリス人の真面目な銀行家であるハリーを演じています。

ABBAの懐かしの名曲にのせて・・・

『マンマ・ミーア！』は『ダンシング・クイーン』などを代表曲にもつスウェーデンのグループ、ABBAの曲をベースに制作された物語です。登場人物たちが感情をこめて歌い上げる懐かしの名曲の数々に、あっという間に物語の世界に引き込まれてしまいます。

ジェームズ・ボンドを演じたこともあるピアーズ・ブロスナン、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズにも出演するステラン・スカルスガルド、そしてコリン・ファースといった名俳優たちの珍しい歌声や、コミカルな演技を見ることができる『マンマ・ミーア！』。美しい島を舞台に繰り広げられるドタバタ劇に微笑ましくなり、そして最後はあたたかい涙がこぼれてしまうような作品です。

公開 : 2009年1月30日
監督 : フィリダ・ロイド
出演 : メリル・ストリープ、ピアーズ・ブロスナン、アマンダ・セイフライド

8. シングルマン (2009)

作品概要・あらすじ

主人公の大学教授ジョージは、長年連れ添っていた同性愛の恋人ジムを8ヶ月前に事故で失い、失意のどん底にありました。生きる意味を見いだせなくなっていたジョージは遺書をしたため、ピストル自殺を考えます。しかしそんなジョージのもとに、彼の生徒であるケニーという青年がゆっくりと歩み寄っていて・・・
この作品を手がけたのは世界的なファッションデザイナーであり、自身も同性愛者であるトム・フォード。コリン・ファースは今まで演じた役の中で、この『シングルマン』のジョージ役が1番気に入っているそうです。

切り取られる“生”と“死”の美しさ

トム・フォードが監督を務めたとあり、登場するスーツや車、装飾品など『シングルマン』はどこを切り取ってもお洒落な作品にしあがっています。しかしそのスタイリッシュな映像の中に恋人を失ったジョージの悲痛や絶望、悔恨が淡々と描かれており、言葉に出さなくとも訴えかけるような彼の感情に心を揺さぶられる作品です。
本当に愛する人を失った時、人はどうなってしまうのか。そしてまたどのように生きていけばいいのか。トム・フォードが贈る美しい愛の物語『シングルマン』。大人の色気満載なコリン・ファースの魅力とともにお楽しみください。

公開 : 2010年10月2日
監督 : トム・フォード
出演 : コリン・ファース、ジュリアン・ムーア、ニコラス・ホルト

9. 英国王のスピーチ (2010)

作品概要・あらすじ

現在のイギリス女王、エリザベス2世の父親であるジョージ6世と、彼の吃音の治療にあたった言語療法士の友情を描いた作品が『英国王のスピーチ』です。
ヨーク公(ジョージ6世)は幼い頃から吃音症に悩まされており、とても内気で頑固な性格です。妻のエリザベスは夫の吃音を治そうと様々な医師に治療を頼みますがなかなかうまくいきません。しかしそんなある日、スピーチ矯正の専門家であるライオネル・ローグと出会って・・・
『英国王のスピーチ』はアカデミー賞で作品賞、主演男優賞をふくむ4部門に輝き、コリン・ファースは英国アカデミー賞で、ゴールデングローブ賞でも主演男優賞を受賞しました。

なぜ彼は、国民から愛される王になったのか？

王室であるヨーク公に対し、最初から愛称で呼ぶなどフランクな態度をとる言語療法士のローグ。それでも2人の気持ちはだんだんと通じ合っていき、ヨーク公の吃音も改善されていきます。
2人の男の人生のポイント、そしてヨーク公を支える周りの人々の愛情を描いた『英国王のスピーチ』。なぜ内気な性格の男性が、国民から慕われる国王になったのか？観終わったあとはあたたかい感動につつまれる作品です。コリン・ファースの名演も、物語にますます深みを与えています。

公開 : 2011年2月26日
監督 : トム・フーパー
出演 : コリン・ファース、ヘレナ・ボナム＝カーター、ジェフリー・ラッシュ

10. 裏切りのサーカス (2011)

作品概要・あらすじ

舞台は東西冷戦下、イギリス。英国秘密情報部“サーカス”の幹部、スマイリーは引退した元上司のコントロールから「サーカスの中にもぐら(裏切り者がいる)」との言葉を受け取ります。4人の“もぐら”候補の幹部たち、ソ連の大物スパイである“カーラ”とスマイリーの過去、スマイリーの片腕となる若きサーカス中堅幹部の男ギラム。サーカスに潜むもぐらは一体誰なのか？この『裏切りのサーカス』は数々の映画祭にノミネートされ、批評家たちから高い評価を受けました。

この中にいる裏切り者は誰だ？

スマイリーを演じるのは、『レオン』や『ハリー・ポッター』シリーズなど悪役から紳士の役まで幅広い役をこなす名優ゲイリー・オールドマン。コリン・ファースはサーカスの幹部で、影で実権を握っていると噂される男“テイラー”ビルを演じています。堂々とした中に狡猾さが見え隠れする演技にも注目です。

ポール・スミスが製作に携わったという衣装のスーツ、難解なストーリーと歴史背景、そして物語の裏に隠れたスパイたちの愛憎劇。何度でも観返したくなる洗練されたスパイ映画『裏切りのサーカス』。スパイ合戦の最後に待ち受ける驚きと哀愁を帯びた結末を、ぜひ目撃してみてください。

公開 : 2012年4月21日
監督 : トーマス・アルフレッドソン
出演 : ゲイリー・オールドマン、コリン・ファース、ジョン・ハート

11. モネ・ゲーム (2012)

作品概要・あらすじ

印象派を代表するフランスの画家、クロード・モネの絵画をめぐる犯罪劇をコミカルに描いた映画が『モネ・ゲーム』です。

美術キュレーターのハリーはメディア王、ライオネルの下で働いていましたが、彼の横柄な人柄に長年不満を感じていました。そんなある日ハリーは、モネの絵画のニセモノを取り扱った詐欺を思いつきます。カウガールのPJを相棒に雇い、ライオネルを騙そうとするのですがど天然のPJの行動のせいでなかなか思うようにいかず・・・
コリン・ファースは詐欺を企てるハリー役を、PJを演じるのは“ラブコメ界の女王”キャメロン・ディアスです。独特なサスペンス映画に定評のあるコーエン兄弟が脚本を担当としたとあり、この作品には大きな注目が集まりました。

挫折の連続！果たして詐欺は成功するのか？

1966年製作のアメリカ映画『犯罪貴族』のリメイクである『モネ・ゲーム』。恨みたっぷりの億万長者、ライオネルを騙したくて仕方がないのに全くうまい事運ばない！PJを演じるキャメロン・ディアスのキュートな天然っぷり、そんなPJに振り回されてしまうコリン・ファース演じるハリーのダメんずっぷりに抱腹絶倒。コミカルに進んで行くストーリーに飽きる事なく魅入ってしまいます。
笑えてすっきり、知的な紳士による犯罪コメディ『モネ・ゲーム』。彼女とでも、友達とでも、1人で観ても楽しめる作品です。

公開 : 2013年5月17日
監督 : マイケル・ホフマン
出演 : コリン・ファース、キャメロン・ディアス、アラン・リックマン

12. デビルズ・ノット (2013)

作品概要・あらすじ

悲惨な幼児殺人事件、容疑者として捕まった当時10代の少年たち。しかし彼らは冤罪だったのです。そんな衝撃的な内容で話題となった“ウェスト・メンフィス事件”を取り扱ったノンフィクション小説を映画化した作品が『デビルズ・ノット』です。

1993年、ウェスト・メンフィスで幼い子供たちが残虐なや手口で殺される事件が発生。地元警察が逮捕したのは、悪魔崇拝者との噂がある３人の少年たちを逮捕します。逮捕に疑問を感じた私立探偵ロンは独自に捜査を開始、すると次々と不可解な事実が浮かびあがってきて・・・
コリン・ファースは主人公の探偵、ロンを演じています。逮捕されてしまう少年の1人を演じるのは、『アメイジング・スパイダーマン』に出演する注目の若手俳優デイン・デハーンです。

冤罪の恐ろしさを描いた作品

オカルトとヘビーメタルが好きな10代の少年たちを、殺人者と決めつけた警察。無罪と主張するにも関わらず、彼らの言葉は誰にも耳にしません。これが本当にあった事件なのかと思うと思わず震えがはしる、衝撃の伝記映画です。
過激の一途をたどるメディアの報道や、周囲の思い込み。本当の犯人はいったい誰なのか、逮捕された少年たちの運命はどうなるのか・・・偏見や差別の恐ろしさを描いた『デビルズ・ノット』、その結末をぜひ確かめてみてください。

公開 : 2014年11月14日
監督 : アトム・エゴヤン
出演 : コリン・ファース、リース・ウィザースプーン、デイン・デハーン

13. マジック・イン・ムーンライト (2014)

作品概要・あらすじ

舞台は1920年代、フランス。イギリス人のマジシャン、スタンリーは魔法や超能力などいっさい信じない偏屈な男。そんな彼はある日、アメリカの大富豪を振り回している霊能者ソフィーの正体を暴いてほしいと頼まれます。しかしソフィーの本物の透視能力にただただ驚かされてしまい・・・
監督は『ミッドナイト・イン・パリ』や『カフェ・ソサエティ』を手がけるウディ・アレン。コリン・ファースはマジシャンのスタンリーをユーモラスに熱演。霊能者のソフィーを演じるのは『ラ・ラ・ランド』主演の人気女優、エマ・ストーンです。

「この恋には、種もしかけもありません！」

今回コリン・ファースが演じるスタンリーは、偏屈で無愛想、しかも皮肉たっぷり。そんな彼が若く快活なソフィーと出会い、だんだんと変わっていく姿がとてもユーモラスで微笑ましくなってしまいます。驚異的な霊能力をみせるソフィーを演じるエマ・ストーンもとてもチャーミング！ロマンティックでおしゃれな、1920年代のフランスで巻き起こるまるでマジックのようなラブコメディです。
もしかしたら本当の恋をするときには、誰の心にもトリックは通じないものなのかも・・・皮肉やなのにどこか憎めない、コリン・ファースの名演にぜひ注目してくださいね！

公開 : 2015年4月11日
監督 : ウディ・アレン
出演 : コリン・ファース、エマ・ストーン

14. キングスマン (2014)

作品概要・あらすじ

イギリスに住む青年エグジーは、兵役を終えてからというもの働きもせず、自堕落な生活を送っていました。そんな彼の前に現れたのは壮年の紳士、ハリー・ハート。実は彼はどこの国にも属さない最強スパイ組織“キングスマン”のメンバーだったのです。
キングスマンにスカウトされ、正式に入るために訓練をつむエグジー。しかしその同じころ、アメリカの悪徳大富豪ヴァレンタインが世界征服をもくろんでいて・・・
コリン・ファースはこの映画でキングスマンのエージェント、ハリー役を熱演！スーツ姿でのアクションで新境地を開拓しました。

表の顔は高級テーラー、裏の顔は最強スパイ軍団！

高級テーラーの地下には、実はスパイ組織の秘密基地が。防弾スーツ、銃にもなる傘、毒刀をしこんである靴・・・そんな設定、ワクワクさせられるに決まっていますよね！

ハリーによって紳士としてのマナーを身につけ、一流スパイとしての訓練を積んでいくエグジー。果たして彼はキングスマンに入ることができるのか？そしてヴァレンタインが企む恐ろしい計画を阻止することができるのか？スーツをきめ、華麗なアクションを披露するコリン・ファースに誰もが釘付けになってしまうこと間違いなし！そんな大ヒット痛快スパイ映画『キングスマン』は、続編『キングスマン : ゴールデン・サークル』の公開がすでにアメリカで決まっています。まだ今作を観ていないという人は、続編公開前にチェックをお忘れなく。

公開 : 2015年9月11日
監督 : マシュー・ヴォーン
出演 : コリン・ファース、タロン・エガートン、マーク・ストロング

15. ベストセラー 編集者バーキンズに捧ぐ (2015)

作品概要・あらすじ

1920年代、ニューヨーク。敏腕編集者のパーキンズは、ある1人の無名作家に目をつけました。彼の名前はトマス・ウルフ。パーキンズはトマス・ウルフのことを影から支え続け・・・
コリン・ファースが演じるのは仕事熱心な優秀な編集者、パーキンズ。無名の作家、トマス・ウルフを演じるのは『シャーロック・ホームズ』シリーズや『A.I』『ガタカ』などに出演するジュード・ロウ。トマス・ウルフの愛人役にはニコール・キッドマンと、豪華キャストたちによる共演も魅力です。

数々の名作の裏には、1人の男の支えがあった

『老人と海』の作者でありノーベル文学賞受賞作家、アーネスト・ヘミングウェイ。『グレート・ギャッツビー』の作者であるフィッツジェラルド。実は彼らの作品は、このパーキンズがいなかったら世に送り出されなかったと言われています。コリン・ファースはそんなパーキンズを、知的に演じきっています。

仕事に対する真摯な姿勢と敬意、パーキンズの支えをうけながらもがき続ける無名作家のトマス・ウルフ。単なる編集者と作家という関係ではおさまりきれない彼らの絆、そして家族や恋人との愛。そのストーリーには思わず、今まで気づかなった自分の中の“何か”を刺激されること間違いありません。切なくもあたたかい涙がこぼれる『ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ』。観終わったあとはぜひ、トマス・ウルフの小説も手にとってみてくださいね。

公開 : 2016年10月7日
監督 : マイケル・グランデージ
出演 : コリン・ファース、ジュード・ロウ、ニコール・キッドマン

コリン・ファースの活躍は止まらない！

56歳を迎えている今もなお、躍進がとまらないコリン・ファース。最近では『アイ・イン・ ザ・スカイ 世界一安全な戦場』や『ラビング 愛という名のふたり』の製作に携わるなど、俳優業以外にも活躍の幅を広げているんです。いつか彼が監督を務める映画も観ることができるかも・・・？知性と気品に満ち溢れた真の“英国紳士”。今回ご紹介した映画を観ればあなたももう、コリン・ファースの魅力の虜です！