福岡に行くなら!小倉「天寿し」で唯一無二の鮨を味わおう
江戸前寿司とは一線を画す「小倉寿司」。塩やすだちを使って仕上げた爽やかで極上の旨味を感じられる寿司は、小倉「天寿司」でしか頂けません。福岡に行くならぜひ足を運んで欲しい!寿司の名店をご紹介します。
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小倉「天寿し」
出典:50-s.jp
福岡・博多から新幹線で約15分。
北九州「小倉」という地に、今話題の寿司屋があることをご存知でしょうか?
小倉「天寿し」。
数々の名だたる食通が、この寿司屋に訪れるためだけに小倉へ出向くほど魅力あるそのお寿司には、江戸前寿司とは一線を画す独自のスタイルがあります。
「小倉寿司」とは
一般的に、「寿司」といえば醤油でいただく「江戸前寿司が主流。
東京のみならず、全国各地でいただく寿司はこの「江戸前寿司」が定番であり、このスタイルが暗黙のルールでもありました。
しかし、そんな寿司スタイルに新たな風を吹き込んだのが「小倉寿司」。
江戸前寿司のように醤油やツメと呼ばれるタレをつけて食べるのではなく、塩やすだちを使って魚本来の旨味をいただくという画期的な寿司を生み出したのです。
店主「天野功」
そんな小倉寿司の発祥となったのが、前述の「天寿司」。
約60年前に先代が開業し、今は2代目がその伝統を守りながら、新たな「小倉寿司」へのチャレンジを続けています。
お店は小倉駅から徒歩5分。
店主の天野さんは温かい笑顔とキレのあるトークが有名で、初めて訪れても緊張することなく寿司を楽しむことができます。
「小倉寿司」が生まれた理由
そもそも、醤油で食べるのが主流だった寿司を、なぜ塩やすだちで仕上げようと思ったのか?
それは、北九州という土地柄にあります。
北九州で取れる魚は白身魚や貝類などが多く、醤油ではその魚の深い旨味を消してしまうと考えた先代。白身魚は一見淡白な味に思われがちですが、繊細な甘みと旨味が詰まった品のある味わい。
そこで、塩で素材の旨味を引き出し、すだちでキリッと締めて頂くという独自のスタイルが生まれたのです。
今では、江戸前でも白身や貝をこのようなスタイルでいただくことがありますね。
これは昔では考えられなかったこと。小倉寿司のスタイルは、今や寿司の主流としても受け入れられているのです。
まさに「天寿司」劇場!
天寿司では、つまみを片手にお酒を飲むという寿司屋独特のスタイルはありません。
提供されるのは熱々の濃い緑茶。アルコールの提供は一切なく、コースの中にもつまみはないのです。
「握りの美味しさを存分に味わってもらいたい」そんな先代の思いを受け継いだ天野大将は、つまみがなくても飽きないようにと常時20種類以上の握りを用意。
同じ素材を使っても、全く違う握りを完成させられるという狂気な天才をも感じさせてくれます。
名物「いかの握り」
出典:50-s.jp
天寿しの名物は、赤烏賊の握り。
まるでイカが踊っているようなユニークなフォルムにもワクワクしますが、特筆すべきは上にトッピングされているふりかけ!
実はこれ、人参やかぼちゃなどの野菜の粉でコーティングしたオリジナルのゴマなのです。
サクサクのイカにゴマの風味とコク、さらには仕上げに絞られたすだちの爽やかな香りで、これまでに食べたことのない極上のイカの握りを楽しむことができます。
鉄火巻きに海ぶどう?!
さらに、もう一つの名物は特製の鉄火巻き。
通常、鉄火巻きといえば酢飯にマグロを海苔で巻き、お醤油をつけていただきますよね。
しかし、天寿しでは醤油は使いません。
ならば何で食べるのか。その塩気を生み出すのが「海ぶどう」なのです。
海ぶどうの塩気とつぶつぶとした食感が、マグロの濃厚な旨味と甘味に絶妙なマッチング!
この一度食べると病みつきになる方が多く、常連の方は必ず最後にリクエストするのだそうです。
青魚には粉醤油
塩とすだちで仕上げるのが「小倉寿司」のスタイル。
とはいえ、青魚には爽やかな香りのすだちはどうしても合いません。
そこで考え出されたのが「粉醤油」。
鯵やイワシなどの青魚には、ネタの上に粉醤油がトッピングされます。
口に入れると、まずは魚の旨味が広がり、後から粉醤油が溶け出して塩気をプラス。
魚の旨味を消すことなく、存分に堪能できるようにと考え出された至極のスタイルです。
店舗情報
店名:天寿し 京町店 (てんずし)
TEL・予約:093-521-5540
住所:福岡県北九州市小倉北区京町3-11-9
営業時間:12:30~15:30 17:00~21:00(オーダーストップ20:00)定休日の翌日の営業は16:30~
定休日:月曜日 火曜日
唯一無二の寿司を堪能しよう
天寿司でいただく寿司は、ここでしか食べられない唯一無二の握りです。
この握りを食べるためだけに小倉という地まで訪れる方も多数いるほど!
博多からもわずか15分ほどなので、ぜひ九州にお出かけの際は足を運んでみてくださいね。
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この記事のライター
フードアナリスト/体質改善アドバイザー/料理研究家。「食」は人生のエンターテイメントです。どんなテーマパークに訪れるより素敵なレストランと出逢う瞬間に心躍る私が、「本当に美味しい」「本当に使える」お気に入りグルメをご紹介します。