ベントレーのおすすめ人気車種・シリーズを徹底解説
ロールス・ロイスと双璧を成し、超高級車を創出するイギリスのベントレー。類稀なラグジュアリーと高性能を、ハイレベルに融合したモデルをラインナップしています。富裕層にも愛されるベントレーの魅力をご紹介しましょう。
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アイキャッチ画像出典:www.bentleymotors.jp
ウィングドBが煌く高級車ベントレー
歴史とモータースポーツ
1919年にウォルター・オーウェン・ベントレー(W・O・ベントレー)がロンドンで創業したベントレー。最高の車造りを目指していたベントレーは「3リットル」をはじめ「41⁄2リットル」や「ブロワー」など、次々とニューモデルを生み出していきます。1923年にはル・マン24時間レースが初めて開催され、翌年にはワークスチームとして参戦。ワークスチームは「ベントレーボーイズ」としてその活躍が語り継がれており、1930年までに5回の優勝を勝ち取りました。この「ベントレーボーイズ」の一人ジョン・ダフは当時ベントレー車のディーラーを経営。1920年代にイギリスに留学していた白洲次郎は彼の店から「3リットル」を購入したといわれており、現存する実車が埼玉県のワク井ミュージアムに展示されています。
1931年には100マイル以上の最高速度を叩き出し、傑作と呼ばれる「8リットル」をリリース。しかし価格に見合わない高品質車を製造し続けたこともあり、ベントレーは経営不振に陥ります。会社はロールス・ロイスに吸収されることになり、W・O・ベントレーはアストンマーティンに移籍しました。競合する車造りをしていた2社ですが、ショーファードリブン的な要素の強いロールス・ロイスに対して、ベントレーはスポーティなドライバーズカーとしての位置づけに。その後イギリスの重工業メーカー・ヴィッカースの傘下となり、初期の「コンチネンタル」や「ミュルザンヌ」をリリースしました。
現在ではフォルクスワーゲングループの一角を担い、SUVやハイブリッドなど新たな時代に対応したモデルも開発。モータースポーツにも参戦しており、ブランパンGTシリーズや鈴鹿10時間耐久レースで活躍しています。
そして2003年にル・マン24時間レースに復帰した際には、高級時計ブランドのブライトリングとパートナー契約を締結。現在もブライトリングフォーベントレーとして、秀逸なタイムピースのコレクションを展開しています。
ラインナップ
クーペがコンチネンタルシリーズに1モデル、セダンがミュルザンヌシリーズに2モデルと、フライングスパーシリーズに4モデル。そしてSUVのベンタイガシリーズが2モデルをラインナップ。コンチネンタルシリーズにはコンバーチブルの登場が予告されています。
そしてビスポーク部門として「MULLINER:マリナー」があり様々なカスタマイズに対応、ゴージャスな限定モデルもリリースしています。
類稀なラグジュアリーモデルをラインナップするベントレー、そのシリーズとモデルをご紹介しましょう。
コンチネンタル
コンチネンタルGT
現在1モデルのみをラインナップするコンチネンタルシリーズの「コンチネンタル GT」。現行型で3代目となるラグジュアリークーペで、2018年の秋からデリバリーが開始されるようです。
2パラレルツインスクロールターボを備え圧倒的なパワーを誇るW型12気筒エンジンと、スムーズかつ素早いシフトチェンジが可能な8速DCTを搭載。トルク配分を制御するアクティブオールホイールドライブシステムがその駆動力を余すことなく路面に伝達します。
高い制動力を持ち剛性感に優れたブレーキや3チャンバーのエアサスペンションを備え、快適で優雅なハンドリングを実現。4種類のドライブモードが用意されており、好みにあわせたドライビング特性をセレクトできます。
ロングノーズや優雅なフェンダーラインなど、クラシカルなグランドツアラーを表現するエモーショナルなエクステリア。アイコニックなヘッドライト・テールライトともLEDマトリックスを採用しており、クリスタルのような輝きを放ちます。
新型となってより洗練されたインテリアはダッシュボードからドアまで包み込むようなフェイシアがデザインされ、途切れのないウッドパネルを設え。ナビ画面も表示できるデジタルメーターや高解像度タッチスクリーンを備え、様々なインフォテイメントに対応します。最上級のマテリアルを駆使して仕上げられるエクスクルーシブな空間、多彩なオプションも用意しました。
【スペック例】
モデル :コンチネンタル GT
ボディサイズ :全長4850×全幅1965×全高1405(mm)
エンジン :6.0L-W型12気筒 635PS
トランスミッション:8速DCT
駆動方式 :4輪駆動
車両本体価格 :25,680,000円~
ミュルザンヌ
ミュルザンヌ
ル・マン24時間レースを開催するサルト・サーキットのコーナーから名付けられたフラッグシップのミュルザンヌシリーズ。「ミュルザンヌ」とよりハイパワーな「ミュルザンヌ スピード」があり、ベントレーを象徴するモデルです。
余裕の高出力を誇るV8エンジンは、アクティブノイズキャンセリング機能などの採用により騒音を抑制。油圧式ブッシュの効率化やタイヤノイズの低減によってハイレベルな静粛性を実現しています。
スムーズかつ滑らかな加速の8速ATはパドルシフトとスポーツモードを備え、ドライバーズカーとしても魅力的。最新のシャシーテクノロジーを採用することで、この上なく洗練された乗り心地を叶えています。
随所にウィングドBをあしらったエクステリアは、クラシカルな意匠を受け継ぎながらもより洗練されたスタイル。新たに縦ルーバーの大型フロントグリルを採用し、フロントからリヤエンドまで続く優雅なウェストラインと相まって高貴さを醸し出します。
インテリアは11種のウッドパネルや24色のアクセントカラーなどから選ぶことができ、マリナー仕様であれば可能性は想像力次第。イギリス・クルーにあるベントレー本社工場で製造されており、熟練の匠によって1台ずつ仕上げられます。
【スペック例】
モデル :ミュルザンヌ
ボディサイズ :全長5575×全幅1925×全高1530(mm)
エンジン :6.75L-V型8気筒 512PS
トランスミッション:8速AT
駆動方式 :後輪駆動
車両本体価格 :35,200,000円~
フライングスパー
フライングスパー W12 S
最速の4ドアセダンというDNAを受け継ぎ、コンチネンタルシリーズから独立したフライングスパーシリーズ。W12エンジン搭載車を2モデルと、V8エンジン搭載車を2モデル用意しており「フライングスパー W12 S」がシリーズの旗艦モデルです。
従来モデルよりもスープアップされたW12エンジンは635PSの高出力を発生し、40:60で前後トルク配分され4輪を駆動。0-100kmを僅か4.5秒で加速し、ベントレーの4ドアモデルとして初めて320km/hオーバーの最高速度を達成しました。
応答性を高めるチューニングを施したサスペンションや強力な制動力を発揮するブレーキを備え、ハイパワーを操るためのドライバビリティが向上。ドライバーズカーとしてスーパースポーツに匹敵する走行性能と、ショーファードリブンにも相応しい快適性を併せ持ちます。
ヒストリックなグランドツアラーを彷彿とさせるエレガントなシルエットのエクステリア。フロントグリルやヘッドライト周りをはじめ随所にグロスブラックをあしらい、専用バンパーが精悍さを際立たせます。
インテリアはコックピット感のあるスポーティなデザインに、独特のステッチを施したフェイシアがラグジュアリーな印象を与える仕上がり。直観的な操作感のタッチスクリーンでインフォテイメントも充実、WiFiホットスポットも装備します。
【スペック例】
モデル :フライングスパー W12 S
ボディサイズ :全長5315×全幅1985×全高1490(mm)
エンジン :6.0L-W型12気筒 635PS
トランスミッション:8速AT
駆動方式 :4輪駆動
車両本体価格 :26,650,000円~
フライングスパー V8
フライングスパーシリーズでV8エンジンを搭載するのが「フライングスパー V8」。2000万円近いプライスタグが付きますが、現行のラインナップで最もリーズナブルなモデルです。
搭載されるV8エンジンは、気筒休止システムやエネルギー回生機能を備えた高効率な設計。500PSオーバーの高出力を発生し、0-100kmが5.2秒で最高速が295kmというエフォートレスなスペックです。ZF製の8速ATを介して4輪を駆動することで、様々な走行シーンでも安定感の高い上質な走行性能を発揮します。
リヤセンターコンソールにもタッチスクリーンを備え、車内のコンディションやインフォテイメントのリモート操作が可能。丁寧なクラフトマンシップで仕立てられたインテリアは、ショーファードリブンにも相応しい仕上がりの空間です。
【スペック例】
モデル :フライングスパー V8
ボディサイズ :全長5315×全幅1985×全高1490(mm)
エンジン :4.0L-V型8気筒 507PS
トランスミッション:8速AT
駆動方式 :4輪駆動
車両本体価格 :19,450,000円~
ベンテイガ
ベンテイガ V8
ベントレーで初めてのSUVがベンタイガシリーズ。W12エンジン搭載車とV8エンジン搭載車を用意しており、本国にはディーゼルやハイブリッド仕様もあります。
Vバンクのインサイドに2つのツインスクロールターボを備えたV8エンジンは、余裕の高出力と低回転域からの高トルクを発生。総重量が3トンを越える巨体でありながら0-100kmを4.5秒で加速し最高速は290km/h、スーパースポーツ並みのパフォーマンスを発揮します。ZF製の8速ATが組み合わされ、40:60でトルク配分する先進のトルセン・オールホイールドライブが4輪を駆動し力強く加速。街乗りからアウトドアまで頼もしい走行性能を見せてくれます。
往時のシューティングブレーク※をイメージさせるエクステリアは、SUVらしい力強さと優雅さが融合した秀逸なフォルム。一目でベントレーと分かるアイコニックなデザインで、独特の存在感を現します。
インテリアは左右に流れるようにつながるダブルウィング型デザインで、レザーや天然木のウッドパネルなど素材も厳選。5シーター仕様であればリヤシートは分割可倒式で最大1774Lの大容量ラゲッジを確保、SUVとしての実用性も抜かりありません。
【スペック例】
モデル :ベンテイガ V8
ボディサイズ :全長5150×全幅1995×全高1755(mm)
エンジン :4.0L-V型8気筒 550PS
トランスミッション:8速AT
駆動方式 :4輪駆動
車両本体価格 :19,946,000円~
※シューティングブレーク:狩猟用として主にクーペをベースに造られたワゴン
超絶な仕上がりの高級車を揃えるベントレー
その車を構成する全てに一切の妥協がなく、贅の限りを尽くして匠の技で仕立てられるベントレーのモデル。手の届きにくい憧れの存在でもあり、手に入れることができたならばこの上ない歓びを享受できるでしょう。
※ 掲載内容は執筆時点、スペック・価格等は参考で変更になる場合があります。
※ 画像とグレードは一致しない場合があります。
※ 一部日本仕様と異なる場合があります。
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この記事のライター
信州の曲者が集まるCLUB Autistaに所属する道楽者。車と酒と湯を愛し、ひと時を執筆に捧げる。