20代に伝えたいツウ向き映画10選

20代にとっての「昔の映画」

その実、昔の映画より今世紀に入ってからの映画の方がVFXなど技術的な発展も遂げたことで「見ごたえ」がありますし、ストーリーも凝っていると感じます。新作映画を鑑賞するのにやっとで、なかなか昔の映画に触れる機会がない20代を始めとする若い世代に敢えて勧めたい、ツウ向けの映画を10本選んでみました。
異論はあるかもしれませんが、是非ご覧頂ければと思います。

フォレストガンプ

この映画、比較的最近のものですが、戦後文化史を知らない若者に時代を感じてもらうためには古き良き時代を美しく描いたメルヘンタッチの映画なので、うってつけだと思います。トムハンクスの演技が、とにかく絶品です。テーマ曲もノスタルジーを語るシーンではお決まりの名曲になっているので聞いたこともあるのではないでしょうか。人にやさしくしたいとき、見て欲しい映画です。

ショーシャンクの空に

"カタルシス"と言う言葉がありますが、その言葉を代弁する代表作とも言えます。もしあなたが"ブラック"な生活にあきあきしていたのなら
この映画をお勧めします- 決して負けない映画です。生きる力が欲しい時、諦めない意味を教えてくれるに違いありません。

タワーリング・インフェルノ

まだCGがなかったころ、本当にセットを燃やして作った火災シーンが超リアルな傑作。ドラマとしても極めてよくできていて、手抜き工事が原因のビル災害と言うストーリーは立派に今日にも通じる設定でしょう。余りの予算に単独の映画会社では制作できず、フォックスとワーナーが共同制作した異色作。それゆえにハリウッドの当時のスター達が集い、特に主役コンビのカッコよさは、絶品です。

サウンドオブ・ミュージック

ミュージカル映画の代表的傑作と言われています。ただこの映画、テレビで見てしまうと、殆どそのよさが解りません。4K化が待たれる最たる作品で、美しい景色はバーチャルな観光映画とも思えます。そしてなんと言っても劇中の音楽は、もう私達の生活必需品になっていますね。

スタートレック

そのサウンドオブミュージックと同じ監督が撮ったとは、思えないSF作品です。最近リメイクもされました。スターウォーズはメジャーですが、スタートレックはあまり知られていません。しかし、スターウォーズがスタートレックの人気にあやかって付けられた題名であり、また私達が今日手にしている携帯やタブレットなどのデジタルアイテムの殆どが、この作品の元になったテレビシリーズによって創られたことは、知っておかなければならないトリビアでしょう。

メトロポリス

もうひとつ元祖SF映画と言うと、なんと1927年に作られたこのメトロポリスが有名です。アトムがアンドロイドの元祖などと思っている若い人に、見識を新たにしてもらって、当時の未来を肌で感じて欲しいのです。なにせこの映画の描いた未来は、正にこの今の時代と言う設定なのですから。

ファンタジア

ディズニー映画は確固たる人気を誇っていますが、その最初の礎を作った元祖アニメ映画です。これも戦前、1940年に作られた初めてのステレオ映画です。いや、正確にはステレオどころか9チャンネルで録音され、そのサウンドが映画館で正しく再生できるようになったのがつい20年ほど前と言う、凄まじい映画です。美しい画像と音楽は、現在でも言葉通りに全く遜色していません。アニメファンの"聖書"とも呼べる作品です。

風と共に去りぬ

これも戦前のアメリカ映画です。南北戦争を描いた時代ものの映画ですが、この作品には、映画と言うものの要素やエッセンス、そう言ったものの基礎が全て揃っています。映画って何?　と問いた時の答えが正にこれだ、と語れる教科書的作品です。映画を学びたい時に、観ておくべき逸品だと思います。

2001年宇宙の旅

映画ベストテンを問われた時に必ずと言っていいほど1位になるSF映画と簡単には呼べない、いわば人類遺産的傑作です。これは近代科学の立場から描いた"例え"ではない文字通り"聖書"の物語であって人間とは何か、に関して、極めて達観した答えが用意されています。完成から半世紀になりますが、これほど論議を呼んでいる作品もありません。これを観て、人間とは何かについて考えてみませんか。

街の灯

最後に、このところ話題の"貧困"について描いた作品をご紹介したいと思います。有名なチャップリンの作品で決して"お笑いランキング"とは関係ない素朴な笑いと共に「清貧」と言う、今では聞かない言葉の意味を優しく教えてくれる映画です。若い人には、映画に言葉なんかいらない、と思わせてくれるトーキーに接する良い機会であると思います。寒い冬には是非、この作品で温まってほしいです。

平凡なストーリーの中に映画の良さを感じられる名作

いかがでしたでしょうか。古い作品ばかりになってしまい、今見ると平凡なストーリーに見えるかもしれませんが、これらの作品に触れることで、20代を始めとする若い世代に映画のよさをあらためて感じて欲しいと願う、映画が青春だった世代からのメッセージでした。