室内で楽しむ知的な遊び!おすすめボードゲーム5選
子供のおもちゃという印象があるボードゲーム。しかし、大人向けの作品も多数作られています。今回は、知的な大人にこそ楽しんでもらいたいボードゲームを5作品紹介します。
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アナログゲームの世界
出典:pixabay.com
日本ではあまりメジャーな存在ではないアナログゲーム。そのため、ゲームといえばゲーム機やパソコンで遊ぶデジタルゲームを想像する方が多いのではないでしょうか。デジタルゲームは、いまやクールジャパンを象徴するコンテンツの一角でもあります。しかし世界に目を向けてみると、ボードゲームの本場ドイツを始めとするヨーロッパ各国やアメリカでは毎年数多くのボードゲームが登場しており、多くのファンがいます。海外ドラマのホームパーティや家族の団欒といったシーンでボードゲームが登場する様子を見たことがある方もいるかもしれません。
なぜ子供だけではなく、大人までボードゲームに夢中になるのでしょうか? その最大の魅力は、人間同士が知恵を競い、運を比べ、あるいは協力して遊べるところです。プレイヤー間の駆け引きや連携が楽しめるゲームを紹介していくので、気になるものがあれば挑戦してみてはいかがでしょうか。
※便宜上、ボードを用いないカードゲームもボードゲームと呼称します
『ラブレター』
日本人デザイナー、カナイセイジが手がけた「新定番」とも言えるボードゲーム。大きなボードを使わないカードゲームのため持ち運びに便利で、プレイにも場所を取りません。ルールもシンプルかつ明快で迷うところがなく、子供でも十分理解できます。1プレイも10分以下と短く、初めてのボードゲームとしておすすめの作品です。お城のお姫様にラブレターを届けるという分かりやすくてロマンチックなストーリーも馴染みやすいですね。
手頃な作品ながら、奥の深い駆け引きが楽しめる点がこの作品最大の魅力。自分のカードを隠しながら相手のカードを探る感覚は、顔を合わせて遊ぶ対人ゲームならではです。日本人デザイナーの作品だけあり、大味さがなく緻密にバランスが調整されています。そういった意味でも、ボードゲーム初挑戦の方におすすめできます。また、カードイラストのタッチが変わったもの、世界的人気を誇るSF映画や怪奇小説、あるいは日本のアニメのテイストを取り入れたものなど関連作品も豊富です。
『ワンナイト人狼』
小ぶりで携帯性に優れたパッケージ、初めてでも手を出しやすい価格設定、少人数かつ短時間で遊べるシンプルなカードゲーム。上記『ラブレター』によく似た特徴を持つこの作品もまた、初めてのボードゲームとして優れています。ルールの複雑さがそのまま初めて遊ぶプレイヤーにとってのハードルの高さになってしまうので、ルールがシンプルなことは重要です。
ただし、こちらはやや殺伐とした世界観のゲームです。ストーリー上の目的は、議論を通して村人に紛れて村に潜む人狼を見つけ出し、処刑すること。ゲームとしては、人狼は人間側を欺いて自分の正体を隠し通すこと、人間側は会話と推理で嘘を見破って人狼を見つけ出すことが目的となります。パッケージやカードイラストはかわいらしいですが、裏の裏を読み合う真剣なやり取りが行われることになるでしょう。ハッタリと嘘で勝利を掴むのは、友情を破壊しない程度に。
通常のゲームに慣れてきたら、拡張版とも言える別バージョンを購入するのもおすすめです。ますます混沌に満ちた議論になることでしょう。
『パンデミック:新たなる試練』
未知の病原体が拡散し、滅亡の危機に瀕した人類。プレイヤーは世界中を飛び回って人類を救うことになります。男心をくすぐる壮大なテーマと、高いゲーム性で人気の作品です。プレイヤー同士が頭を捻って協力するゲームなので、友情破壊の心配もありません。
世界を表現したボードが大きく、使うカードの枚数が多いのでルールも少しだけ複雑になっています。それでも、ボードの上で各地の汚染状況を確認しながら作戦を立てるのは楽しい経験になるでしょう。プレイ時間は長考しなくても40分程度と、これまでのゲームに比べると少し長めになっています。違う時代・地域を舞台にしたものから邪神の復活によって滅亡に瀕した世界を救うという一風変わったものまで、関連作品が多数あります。
『ごきぶりポーカー』
タイトルにポーカーと入っていますが、ポーカーではありません。カードを使ったブラフゲーム(ハッタリをぶつけ合うゲーム)くらいの意味で捉えておくのが良いでしょう。相手に嘘をつきながら、もしくは事実を嘘らしく伝えながら手札を押し付け合い、押し付けられた札が「役」を作ってしまうと負けです。
嘘をつく、嘘を見破るという点で『ワンナイト人狼』に似たゲームです。こちらはそこまで殺伐としていないので、カジュアルに遊べますよ。表情を読み取られない方が強いゲームなので、ポーカーフェイスは役に立ちます。
『カタン』
この記事で紹介した他のゲームに比べるとかなり重い(プレイ時間が長く、ルールも難しい)ゲームですが、代表的かつ典型的なボードゲームとして挙げておきます。島を開拓して都市を作るというロマンある設定もさることながら、評価すべきは優れたゲーム性。タイルを組み替えることで島の地形は毎回変わるため、取るべき戦略も変化します。
発展させるための戦略とダイス運だけでなく、プレイヤー間での交渉が重要になるところもボードゲームらしいと言えるでしょう。開拓に必要な資源を巡って競争しながらも、妥協点を探っていくことが必要になります。
相手も人間だから面白い
この記事で紹介した作品は、協力ゲームである『パンデミック』を除いてプレイヤー同士が争うものです。しかも、自分の正体を隠したり腹の中を探りあったりと、相手が人間でないとできないやり取りがポイントになった作品ばかりを選んでいます。
他にも面白いゲームは多数ありますが、プレイ時間やルールのシンプルさで手を出しやすい5作品をセレクトしました。頭を使う趣味を始めたい方、お友達と一緒にボードゲームはいかがでしょうか。
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この記事のライター
翻訳家にしてライター、システムエンジニアで記者でもある。文章は読むのも書くのも好きな読書家で、幅広いジャンルの知識が豊富。その知識を活かして、記事はライフスタイルとエンターテインメントが中心になりそう。