伝説ロック【Bob Marley】One Love

ひとつの思想を信じ守り通しながらも、その枠を飛び越えロックの歴史に名を刻んだ男。ジャマイカから愛を世界に発信したレゲエの第一人者、ボブ・マーリーのお話でございます・・

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Bob Marley

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1945年ジャマイカで生まれたボブ・マーリー、父親はイギリス海軍大尉であり、ジャマイカで建設会社を経営していた白人のノーヴァル・マーリー、母親はジャマイカ人のセデラ・マーリー。この出生が後にボブの音楽活動における大きな要因の一つになっていきます。

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トレンチタウンへ

父母はボブが生まれてすぐに別れ、ボブが10歳の時に母と二人で首都キングストン郊外のトレンチタウンに移り住みました。ここはいわゆるスラム街で、貧しい人々が狭い居住区で暮らす場所でした。
幼少期もそうでしたがこのトレンチタウンでも白人でも黒人でもないボブは差別的な扱いに心を痛める日々が続きました。そしてこのトレンチタウンで友人のバニー・リビングストンと共に音楽活動をスタートさせます。そしてレゲエの父と呼ばれるジョー・ヒッグスに出会い、音楽の教えを受けると共にラスタファリ思想に傾倒していきます。

ラスタファリ

ラスタファリは聖書を聖典としていますが、特定の教祖や開祖などはなく、宗教というよりも「思想」「運動」という捉えられ方になっています。
アフリカ回帰主義を思想の軸とし、生活様式には菜食やドレッドロックス(頭髪を自然に成長させたままで絡まり合いロープ状になった髪型)、ガンジャ(大麻、マリファナのこと)が見られます。
このラスタファリの思想がボブの歌詞創作を支える大きな柱になっています。

メジャーデビュー

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ボブはバニーらとともにバンド「ウェイラーズ」を結成、マイナーレーベルでレコードも発表しますがセールスも低く、そして不当な報酬に悩んでいました。そして1970年に自らのレーベル「タフ・ゴング」を設立し、アイランドレコードと契約を結びます。
そして1972年メジャーデビューアルバム「キャッチ・ア・ファイアー」を発表します。

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狙撃事件

ボブはその後順調に活動を続け、海外でもその名を知られる存在となりビッグ・スターとなっていきます。しかし祖国ジャマイカは政治状況は不安定であり、PNP(人民国家党)とJLP(ジャマイカ労働党)との対立は激しく、抗争事件も多く治安は悪くなっていく一方でした。そんな中での1976年、この二つの政党の抗争に巻込まれたボブは狙撃され腕を負傷し、イギリスへの亡命を余儀なくされてしまいます。

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帰国そして奇跡の瞬間

亡命中もジャマイカ情勢は一向に好転することなく、むしろ悪化していきました。ボブはジャマイカにおいても分け隔てなく人と付き合いがありました、そしてPNP、JLP双方の友人がイギリスのボブを訪れ、情勢の改善のため帰国するよう説得に来ました。彼らがそうするほどボブは派閥関係なくジャマイカ国民の英雄だったわけです。
そして1978年ボブはジャマイカに戻り、首都キングストンで「ワン・ラブ・ピース・コンサート」に出演することになりました。バンドメンバー達からは先の狙撃事件のこともあり不安視する声もありました、しかしボブはある決意をもってこのステージに立つのです。
そして奇跡が・・

1978 One Love Peace Concert

当初予定になかったことです、演奏中にボブはPNP党首マイケル・マンリーと、JLP党首エドワード・シアガ、この二人にステージから呼びかけます。そして二人の党首をステージ上に招き、集まった多くの観衆の前で二人を握手させます。これによりその後ジャマイカ情勢は改善へと向かっていきました。
これまでの両党の対立構図からは考えられなかった事をボブの手で実現させたのです。

そして伝説に・・

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足の怪我から悪性の黒色腫を発症していたボブは医師から足の親指の切断を勧めれていましたがラスタファリ思想に反すると拒否、やがてガンは全身に転移しており医師の診断を受けた頃には手の施しようがなくなっていました。そして1981年ドイツの療養先からジャマイカに帰国途中で容態が悪化、5月11日に帰らぬ人となりました。
生前のインタビューにおいて、「あなたの望みは?」という問いに対しボブは「皆が共に平和に暮らす事だ、白人も黒人も、そして黄色人種も」と答えました。ラスタファリの思想を元にそれを飛び越え、世界中の人々に向けて愛を唱え歌ったボブ・マーリー、彼の遺した歌は今も世界中の人々に愛され、伝説として語り継がれるでしょう。

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都内在住。コーヒーとサンドイッチが大好きで1日1カフェ生活を送っている。夏の定番はレモネード、冬の定番はホットチョコレート。オシャレやヘルシーという言葉に敏感なミーハー系女子。

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