伝説ロック【Sex Pistols】反骨の魂!
【温故知新】:古い物事を究めて新しい知識や見解を得ること。(広辞苑) 古きをたずね新しきを知る、ロックもまたこれ然りでございましょう・・・
1970年代、数々のエピソードと伝説を残したパンクロックの代名詞「セックス・ピストルズ」のお話でございます。
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Sex Pistols
1976年結成、ジョニー・ロットン(vo.)、スティーブ・ジョーンズ(gt.bs.)、ポール・クック(dr.)、グレン・マトロック(bs.)の4人。後にクック脱退後シド・ヴィシャス(bs.)が加入。
ロンドンでブティックを営むマルコム・マクラーレンが、当時店に出入りしていたジョーンズとクックのバンドに目をつけ、そこに店員のマトロック、オーディションでロットンを加入させセックス・ピストルズが誕生しました。王室や社会体制に反発する過激な歌詞とファッション、パフォーマンスはすぐに話題となりイギリス労働階級の若者たちの間ですぐに人気を獲得していきます。
ジョニー・ロットン
デビューまで
そのセンセーショナルな活動で話題性もあったピストルズは、大手レコード会社EMIから「アナーキー・イン・ザ・UK」を発売します、しかしテレビ出演時の放送禁止用語連発などの行動によりすぐに契約を破棄されてしまいます。その後ベースのマトロックが脱退し、そして伝説の一人シド・ヴィシャスが加入します。
シド・ヴィシャス
シドは元々ピストルズの大ファンで、ロットンともファッション専門学校からの友人であったため、バンド内での発言力を高めるためロットンがマルコムに推薦したとも言われています。マルコムと共にバンドをプロデュースしたヴィヴィアン・ウェストウッドからの寵愛も深く、そのルックスとカリスマ性でロットンと人気を二分するようになります。
シド加入後、A&Mレコードと契約に至りますが、シングル「ゴッド・セイブ・ザ・クイーン」発表の目前にまたもや契約破棄。そして最終的にヴァージンレコードと契約します。
最初で最後のアルバム
1977年、ヴァージンレコードよりデビューアルバム「勝手にしやがれ!」発表、これがピストルズのオリジナルアルバムとしては最初で最期の1枚となります。
シングル「ゴッド・セイブ・ザ・クイーン」のプロモーションでは、エリザベス女王在位25周年祝典の日にテムズ川のボート上でゲリラライブを敢行し逮捕、その効果もあってか全英チャート2位を記録。ロットンとクックが右翼に襲われ重傷を負うなど、過激な話題に事欠きませんでした。
Sex Pistols-God Save The Queen
CD セックス・ピストルズ「勝手にしやがれ!(NEVER MIND THE BOLLOCKS)」Original recording remastered
¥1,427
アメリカツアーそして破滅へ・・
1978年、初のアメリカツアーを決行します。しかしマルコムや他のメンバーとの衝突も多かったロットンがツアー中に脱退し、アメリカツアーも中止。事実上セックス・ピストルズはバンドとして成立しない状態に陥ります。それでもマルコムはシドにフランク・シナトラの「マイ・ウェイ」の替え歌カヴァーをレコーディングさせ発売させたりもしました。そしてシド・ヴィシャスが恋人ナンシー・スパンゲンを刺殺した容疑をかけられ、その後ヘロインの多量摂取により21歳の若さで死去します。
こうして実質数年間の活動期間でセックス・ピストルズは終焉を迎えてしまいます。
Sid Vicious-My Way
PUNKS NOT DEAD!
1970年代、アメリカニューヨークで生まれたパンクロックが海を渡り飛び火し、ロンドンで鮮烈なパンクムーブメントを巻き起こしました。その旗手として時代を疾走し一瞬に光り輝き去っていったセックス・ピストルズ。活動期間も短く残した作品も少なかったですが、衝撃と共に焼き付けられた記憶と伝説は語り継がれ、パンクスの反骨の魂の火は今も燃え続けています。
Sex Pistols-Anarchy In The UK