シティユースがしやすくなったトローヴの2015秋冬コレクションをご紹介!
みなさんトローヴというブランドは知っていますか?個性派アイテムを展開するブランドでしたが、今年の秋冬のコレクションではシンプルさとモードさが強くなり、多くの人に使いやすいデザインになりました。
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ヒッピースタイルを現代風に柔らかくアレンジ
2004年に上出大輔がデザイナーとなってスタートさせたのがこちらのトローヴというブランドです。海外アパレルブランドの人気の強い日本ですが、このブランドはご察しの通り日本で生まれたブランドで、海外ブランドにはない新しい空気感を表現しています。
「TROVE」は英語で「貴重な収集品」という意味があります。そこには「ときが経っても下割らずに価値があるアンティークのような服を作りたい」というデザイナーの思いがこめられています。
そんなブランドのコンセプトは「ミニマムヒッピー」。主に60年代、70年代のサブカルチャーなどのアンティーク、ヴィンテージコレクションからインスピレーションを受けて、当時のスタイルを現代風にアレンジすることで今までは見られなかった新しいスタイルを生み出しています。
ヒッピーというとカラフルな服に身を包んだロングヘアの若者たちを想像するかもしれませんが、いわゆるヒッピーとはトローヴのコレクションは違います。ゆるっとしたシルエットや優しい印象は変わらないが、色使い、素材使いに差が見られます。60年代の音楽シーンなどに影響を受けた、ミニマルかつヴィンテージなイメージが強いのが特徴です。
ヒッピーとは1960年代にアメリを中心に起こった反体制、自然賛美派の若者のことを指します。彼らはベトナム戦争をきっかけに宗教と自然に戻ることを呼びかけるようになりました。
体制的で物欲主義の社会に反発し、自然の中で集団生活を行っていたり、インドの瞑想が代表的な東洋の哲学にふけっていたりと、中には彼らの言動は非生産的だという人もいます。
ファッションに関しては、長髪、髭、Tシャツ、ジーンズトレードマークです。60年代にアメリカで生まれてから70年代には世界中の若者に広まりました。
彼らのスタイルをパーツごとに具体的に見てみると、カールされた髪の毛にはインディアン風のヘッドバンド、花飾りをつけたり、民俗調のテイストが特徴です。
2004年に誕生したこちらのブランドですが、正式にコレクションを発表したのは2008年のことです。2008春夏東京コレクションでは、展示形式で発表しました。2008秋冬シーズンの東京コレクションで初めてランウェイ形式でコレクションを発表しました。
コレクション発表当時はアンティーク調が今よりも少し弱く、ナチュラルさが強い印象があります。
2013年春夏コレクションをもって上出大輔が退任し、トローヴのクリエーションは、デザインチームが引き継ぎました。
そんな彼らは2014年に新たに「和ROBE(ワローブ)」という新しいメンズラインを発表しました。ブランドの名前の由来は和服の和と長くゆったりとしたヒッピーウェアの一つであるROBEを掛け合わせたことです。ヒッピースタイルと日本らしさを融合させたテイストは確実に今まではみることのできなかった新しさを持っています。また、感じられるのは新しさだけではなく、特別感のある和服を日常により取り入れやすくなるという懐かしさもより身近になることを目指しています。
「浴衣を、普段着として定着させたい。」そんな想いから、浴衣を普段着慣れたシャツの形で落とし込みました。
このシャツは一見普通ですが、首元が浴衣のような形になっているのでなんとなく和の雰囲気を演出することができます。
素材は40/2コーマ天竺を使っており、柔らかな肌触りと丈夫さの両立を可能にしました。
浴衣のアンダーウェアとして切るのはもちろんですが、1枚でさらっとカットソーとして着るのもおすすめです。
日本人の夏を象徴する浴衣を英国の伝統的生地メーカー『LIBERTY』社のリバティアートファブリックスを使用してつくられました。『LIBERTY』社が開発した「タナローン」と呼ばれる素材は、スーダンのタナ湖付近から採取された上質な綿で織り上げる事で、独特のしなやかさと柔らかな肌触り、さらに軽さを再現しました。また、豊かなドレープ性も持たせたのでしっとりと大人っぽい一面も演出することができるでしょう。
2015年秋冬は素材感とシルエットがポイント
もともとゆるっとしたシルエットが特徴的なこちらのブランドですが、今年の秋冬はジャストサイズからやや大きめのサイジングのものが多いです。もともとヒッピースタイルからインスピレーションを受けているということでゆるっとしたところとピタッとしたところを作ることで60年代風な雰囲気を演出していましたが、今年の秋冬コレクションはゆるピタのコントラストはあまり見られていません。
しかし、全体的に等しくゆるさをもたせたことで、リラックス感の漂うコレクションになりました。また、トローブのコレクションはヒッピースタイルをもとにデザインされたものを色を落ち着けて現代風にアレンジされているのでレトロさとモードさのハーモニーも楽しむことができます。
今年のトローブのアイテムは今までと比べるとヒッピー感が弱いので個性的すぎて今まで敬遠していた方も比較的チャレンジしやすいと言えます。
柔らかなウールベースのカラーコートです。イタリアの名門ニットメーカー“Lanificio Becagli”社のスライバーニットを使用しました。スライパーニットとはイタリアで生まれた製法で、編むときに空気を入れながら編んでいくので「エアウール」と呼ばれることもあります。
肉厚で重厚な見た目ながら、エアウールによるふっくらとした弾力性も感じることができるので着たときに重くなりすぎません。
このコートの軽さは様々な色の糸で編まれた表面の生地も関係しています。
キュプラを裏に縫い付けることでウール独特のかゆさをなくし、なめらかな肌触りを実現しました。
価格:39,960円(税込)
オリジナルウールテキスタイルを使用したブルゾンです。英国羊毛をベースに、タテ、ヨコ、ループ糸と色を分けて編まれているので独特の深みのある色になっています。
創業100年の歴史を持つ織屋のションヘルという織機で2日がかりでやっと一反織れるという特殊生地によって作られたブルゾンは抜群の弾力性を持っています。起毛加工を施した見た目は厚みがあるように編みせていますが、実際は軽く、ニットのような雰囲気を表現されています。袖部分はヌメリ感のあるナイロン素材を使用しており、切り替えのデザインがぬくもりだけではない現代スタイルの新しさを感じさせます。
価格:39,960円(税込)
国内最大の織物産地である尾州で製作したヘリンボーンツイードテキスタイルの丸首カーディガンです。
袖もボディーもウールですが、糸の色と編み方の密度の差で素材感の違いをうまく表現しています。
つまり気味の丸首のデザインなので下からシャツの襟をチラッと見せるとおしゃれです。
羽織りものですが、大きめではなくジャストサイズのものの方がおすすめです。
価格:23,760円(税込)
モヘアの中で最も上質なスーパーキッドモヘア(アンゴラ山羊の極細毛)をふんだんに使用したダブルジャガードニットです。モヘア特有の柔らかでふんわりとした厚みを感じることのできる生地ですが、モヘアは毛玉になりやすかった李、すぐに伸びてしまったりするので、これを解決するために若干アクリル糸を織り込みました。オリジナルの図案をダブルジャガードで表現した温かみの感じられるデザインです。
価格:29,700円(税込)
雲の様に軽く、ふんわりとしたオリジナルウールテキスタイルのクルーネックニットです。総裏で天竺を配す事で、ウール特有のチクチクを一切排除しました。
ラグランスリーブでゆるっとリラックス感の漂う一枚です。
シンプルな形ですが、生地から見えるダークグレーの色味が絶妙なアクセントになっています。
どんなシーンでも使える万能ニットです。
価格:21,600円(税込)
TROVE定番のインサイドシャツです。
スーピマコットンの高密度タイプライター素材を使っているので、適度なパリッとしたハリがあります。しかし、だからと言ってドレッシーな雰囲気にするわけではないのがトローヴのすごいところです。表面を微妙に起毛させているのでハリを維持したまま柔らかくカジュアルな雰囲気もプラスしました。
身丈、腕の部分もやや緩めのデザインになっているので、プライペートで活躍すること間違いなしでしょう。
価格:16,200円(税込)
国内最大の織物産地である尾州で製作したヘリンボーンツイードテキスタイルのクロップドパンツです。ウエストはイタリア産の圧縮ウールニットテキスタイルで切り替えられています。ウールのパンツは着心地が悪くてあまり好きではなという方もいるかもしれませんが、裏地にキュプラを使っているのでさらっと着ることができます。
厚みの感じられるウール素材のパンツなので重たくなってしまいがちですが、クロップド丈なのでバランス良く着ることができます。腿のあたりに余裕のあるショッパーズタイプなのでシンプルな着こなしのときに合わせれば個性派おしゃれ要素を加えることができるでしょう。
価格:23,760円(税込)
シンプルの中に光る「個性」がおしゃれ!
いかがでしたか?
ヒッピースタイルがベースにあるということで今まであまり興味を持っていなかった方も、今年のコレクションは比較的カジュアルに落とし込まれていてデイリーユースに向いているのではないでしょうか。
今までシンプルな着こなしが多くて周りと同じような着こなしばかりをしてしまっていたという方はトローヴのような個性派ショップの無難に落とし込みやすいアイテムを取り入れることをおすすめします。個性のあるアイテムをシンプルな着こなしの中に取り入れるだけで自分らしさや季節感など、コーディネートをおしゃれに見せることができるようになるのです。
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この記事のライター
東京生まれ大阪育ちの慶応義塾在学の女子大生です。グルメ、ファッション、あとは旅行が大好き。でも実は、それと同じくらい手の綺麗な人が好き!