現役外資系コンサルタントが選ぶ。コンサルティング業界でよく使われる用語3選
コンサル用語を通して、コンサルタントになりたい人・なる人だけでなく、なりたくない・ならない人も必見です!
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カタカナだけじゃない!カッコつけるためじゃない!コンサル用語
バリュー、MECE、アウトプット・・・などの言葉が「コンサル用語」として揶揄されることの多い昨今ですが、
今回は、コンサルティング業界でよく使われる用語のうち、カタカナ以外も含めてあまり知られていない用語をピックアップし、その中で、コンサルティング業界の実態や特徴を紹介したいと思います。
アップルトゥアップル(Apple to apple)
(使用例)「この分析、アップルトゥアップルじゃないから意味ないよね」
Apple to apple comparisonの略で、直訳すると「リンゴとリンゴの比較」となります。
コンサル業界では、「同種・同質・同条件のものを比較すること」という意味で使用されます。
お客さんに価値を出すための重要なキーワード
出典:オイシックス.asia
コンサルタントがお客さんに提案・助言する際に、「他業界・他社事例を用いて論理を補強する」ことがあります。
特に他業界の事例はお客さんも知らないことが多いので、コンサルタントの発揮できる価値の一つではあるのですが、一方で他社・他業界だと、商品・業務の性質や顧客層、価格帯等が変わってくるので、自社・同業界の比較対象とする際は本当に意味があるのかを十分に検討する必要があります。
その際に「アップルトゥアップル」の考えが非常に重要になってきます。
よしなに(上手い具合に、適当に)
(使用例)「さっきメールでちらっと話が出てた件、よしなにやっといて」
上司が部下に指示をする際、細かい説明が不要・面倒で、説明を省きたい時に使用されます。
あえて指示をしないこともある
出典:c-youme.com
上司がちゃんと指示をしないのは、もちろん上司の怠慢やその仕事の重要度が低いから、という可能性もありますが、この言葉には、コンサル業界の「人の育て方」が表れています。
コンサル業界は人材の入れ替わりが激しく、短期間でお客さんに価値を出すことが求められます。
そのため、「丁寧に説明してじっくり教育する」のではなく、「自分でゼロから考えさせて成長してもらう」という考えが根底にあり、そういった育成方針が「よしなに」の言葉の多様に繋がっているのだと思います。
しみじみ感(実感がこもっている様)
(使用例)「この資料、論理的には正しいけど、しみじみ感がないな~」
コンサルタントがお客さんに提案する資料について、ストーリー展開やロジックに問題がないけれども、どうも腑に落ちない、お客さんに見せるには何かが足りないという時に、「しみじみ感がない」という言葉が使われます。
コンサルタントの真の価値
コンサルタントは、ロジカルモンスターとか冷徹な人間の集まり、などと(特に皮肉を込めて)言われますが、
ロジックやそれを裏付けるデータや分析はあくまで必要条件であり、それだけでは不十分です。
重要なのは、お客さんが資料を見て、「その通りだ、そういうことをしたかった」と共感してもらい、「行動に移してもらう」ことです。
しみじみ感のある資料にするには、お客さんとの何度も議論を交わし、現場の本質的な問題を理解して、
常に当事者意識をもつ(=自らの問題として考える)必要があります。
そのような心理的・感情的な部分も含めて、お客さんと一体となってこそ、真に価値のある提案・助言ができるのです。
転職でコンサルタントを目指す方へ
コンサルタントは、カッコいい、頭がいい、冷たいなどのイメージがあり、正しい面もありますが、
実態は、細かく、泥臭く、そして頭がいいだけでは成果を出すことはできません。
他の業界・職種にも共通する部分もあるのではないでしょうか。
本記事を参考に、見た目や言葉だけじゃない、真に“カッコいい”ビジネスマンを目指してくださいね!
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この記事のライター
1987年生まれの理系院卒コンサルタント。