プジョーのおすすめ人気車種・シリーズを徹底解説
世界最古といわれる量産自動車メーカーの1社フランスのプジョー。ハッチバックやSUVをメインに独創的なモデルをラインナップしており、国内でも人気の高いメーカーです。プジョーのおすすめモデル・シリーズをご紹介しましょう。
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アイキャッチ画像出典:www.peugeot.co.jp
高品質を示すライオンのエンブレムが煌くプジョー
歴史とモータースポーツ
【歴史】
1800年代初頭から金属製品の加工製造業を始め、1889年に最初の蒸気エンジン自動車をパリ万博に出展したプジョー。世界最古といわれる量産自動車メーカーの1社で自動車産業の黎明期から活動、高品質の証としてライオンのエンブレムを掲げています。1929年に現在でも採用されている命名規則によって名付けられた201を発表し、その後ディーゼルエンジン搭載車や電気自動車なども開発。戦後の1948年には初めてモノコックボディを採用した203がデビューし、50万台以上を生産しました。
1955年からイタリアのカロッツェリア・ピニンファリーナによる、エレガントなデザインのモデルをリリース。1969年には504がヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、1983年には”砂漠のライオン”の異名をとる名車205がデビューしました。現在では同じくフランスのシトロエンやドイツのオペルを傘下とするグループPSAを形成し、ヨーロッパで多大なシェアを誇ります。
【モータースポーツ】
1895年には既にレースに参加し、フランスグランプリやル・マン24時間レースで活躍したプジョー。1963年のサファリラリー優勝を皮切りにラリーで活躍し、1985年には名車205 T16がWRCでチャンピオンとなりました。その後もパリ‐ダカールラリーを2連覇、多くのラリーレイドでその名を馳せています。
ラインナップ
国内ではハッチバックが「208・308」の2モデルで、SUVが「2008・3008・5008」の3モデル。そしてステーションワゴンが「308SW・508SW」の2モデルと、セダンの「508」をラインナップしています。
モデル名はSUVが4桁(モデルレンジ+00+数字)で、その他が3桁(モデルレンジ+0+数字)で構成。1929年からこの命名規則を採用しており、ポルシェがリリースした901の車名を変更するようプジョーが申し立てた結果911になったという逸話が残ります。
代表的なテクノロジー
【PureTechエンジン】
200バールの高圧燃料噴射システムを採用して高い燃焼効率を実現、1.2Lの排気量で一般的な1.6Lエンジン以上の高トルクを発生します。優れた燃費性能を備え、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーで部門最優秀賞を受賞しました。
【BlueHDiエンジン】
1.6Lの排気量で、17.0の高圧縮比や軽量化・摩擦低減を実現したディーゼルターボエンジン。そしてシリーズでは最強の2.0Lモデルもあり、どちらも低燃費・高トルクを発揮しています。
【EAT:エフィシェント・オートマチック・トランスミッション】
フリクションを低減しロックアップ領域を拡大、ハイギヤード化によって優れた燃費性能を発揮するトランスミッションです。
【EMP2:エフィシェント・モジュラー・プラットフォーム2】
アルミや超高張力鋼板を多用し軽量化と高剛性を実現、加速性・俊敏性・静粛性などに優れた性能を発揮するプラットフォームです。
【i-Cockpit】
視認性の高いヘッドアップインストルメントパネルや小径ステアリング、スマートフォン感覚で操作できるタッチスクリーンを備えたドライバー志向のインテリアです。
【アクティブシティブレーキ】
レーザーセンサーによって前方の車両や障害物を検知し、ドライバーの回避行動が間に合わない場合に自動的にブレーキを作動させます。
ライオンの紋章が高品質を示すプジョー、その全シリーズとおすすめのモデルをご紹介しましょう。
ハッチバック
208
国内のラインナップでは最もコンパクトな「208」。5MTや6EAT仕様など3グレードがありパノラミックルーフを備えたパッケージや限定仕様・特別仕様も用意、ハイパフォーマンスな「GTi」も揃えます。
ご紹介するのは1.2L PureTechターボエンジンを搭載する「208 Style 6AT」。高い燃焼効率によって高トルクと低燃費を実現したエンジンに、静粛性が高くスムーズな加速の6速EATを組み合わせています。高張力鋼板や超高張力鋼板を採用した衝撃吸収力の高いモノコックは軽量かつコンパクト。名車「205」のDNAを継承する、スポーティなドライビングテイストのホットハッチです。
力強さと躍動感を感じさせるエクステリアは随所のプレスラインが印象的。開放感のあるインテリアはブラックを基調としたシックな仕立てで、静粛性の高い快適な空間です。優れたパッケージングによってコンパクトボディにゆとりのラゲッジを確保、分割可倒式リヤシートやユーティリティフックなど優れた実用性も兼ね備えています。
【スペック例】
グレード :208 Style 6AT
ボディサイズ :全長3975×全幅1740×全高1470(mm)
エンジン :1.2L-L型3気筒 110PS
トランスミッション:6速EAT
駆動方式 :前輪駆動
車両本体価格 :2,170,000円~
308
「307」の後継車としてデビューした「308」。ガソリンとディーゼルエンジンで4グレードを展開、限定車や特別仕様もあり高性能な「GTi」も用意します。
ご紹介するのは「308 GTi by PEUGEOT SPORT」で、モータースポーツ部門のプジョースポールが手掛けるハイスペックモデル。搭載されるツインスクロールターボエンジンは、高圧燃料噴射システムや高い耐熱性を誇る鋼製エキゾーストマニホールドを備え1.6Lの排気量で270PSを発揮します。
組み合わされる6速MTはローギヤード化によって俊敏な加速と減速性能を発揮。4ポッドキャリパーを備えた大容量ブレーキが高い制動力を、トルセンLSDが的確なトラクションを確保、ハイレベルなドライビングプレジャーを与えてくれるマシンです。
エクステリアは「GTi」専用フロントバンパーを備えたアグレッシブなスタイルで、鮮烈な光のフルLEDヘッドライトを採用。インテリアにはアルカンタラとテップレザーを基調に仕上げられた専用バケットシートを備え、i-Cockpitがスポーティなドライブをサポートします。そして随所にレッドステッチを施すことでレーシーな高揚感をアップ。ボディカラーにはレースカーを想起させるレッド×ブラックとブルー×ブラックのクープフランシュを用意、エモーショナルなホットハッチです。
【スペック例】
グレード :308 GTi by PEUGEOT SPORT
ボディサイズ :全長4275×全幅1805×全高1455(mm)
エンジン :1.6L-L型4気筒 270PS
トランスミッション:6速MT
駆動方式 :前輪駆動
車両本体価格 :4,443,000円~
SUV
2008
コンパクトなクロスオーバーSUVが「2008」で、2グレードを用意します。
ご紹介するのは「2008 GT Line」で、トラクションとブレーキを統合制御し走破性を高めるグリップコントロールを搭載するグレード。高トルク&低燃費なPureTechエンジンを搭載し、信頼性の高い6速EATを組み合わせることで優れた走行性能を発揮します。
スポーティで躍動感に溢れるエクステリアは、新たにライオンの鉤爪と呼ばれるテールライトを採用するなど先進的なスタイル。i-Cockpitのインテリアは直観的な操作が可能で洗練されたスポーティな空間、高めのアイポイントで取り回しも良好です。フラットでゆとりのあるラゲッジを備え、フロア下にも収納スペースを用意しました。
【スペック例】
グレード :2008 GT Line
ボディサイズ :全長4160×全幅1740×全高1570(mm)
エンジン :1.2L-L型3気筒 110PS
トランスミッション:6速EAT
駆動方式 :前輪駆動
車両本体価格 :2,880,000円~
3008
クロスオーバーSUVのミドルレンジが「3008」。ガソリンとディーゼルエンジン仕様車があり、特別仕様車など5グレードを揃えています。
ご紹介するのは「3008 GT Line」で、走破性・快適性に優れたスポーティなグレード。クラスオーバーの出力を誇るツインスクロールターボエンジンを搭載し、パドルシフトを備えた6速EATを組み合わせます。先進のプラットフォーム・EMP2は、ロングホイールベース化によってゆとりの室内空間を生み出し静粛性も向上。アドバンスドグリップコントロールがトラクションを制御し高い走破性を発揮します。
くっきりとしたフェンダーラインや複雑な面構成のフロントマスクが、エモーショナルかつ先進的なSUVのスタイルを表現。インテリアは独創的なデザインと直観的なレイアウトのi-Cockpitによって、優れた運転感覚を味わえるでしょう。フラットで広いラゲッジには、ハンズフリー電動テールゲートを備えイージーアクセスが可能です。
【スペック例】
グレード :3008 GT Line
ボディサイズ :全長4450×全幅1840×全高1630(mm)
エンジン :1.6L-L型4気筒 165PS
トランスミッション:6速EAT
駆動方式 :前輪駆動
車両本体価格 :3,990,000円~
5008
2代目となりクロスオーバーSUVに進化したのが7シーターの「5008」、ガソリンとディーゼルエンジンの2グレードを展開します。
ご紹介するのは「5008 Allure」で、クラスオーバーの動力性能を持つツインスクロールターボエンジンと伝達効率に優れたパドルシフト付き6速EATを搭載。「3008」と同様に先進のプラットフォーム・EMP2を採用しており、加速性や俊敏性に優れた高いハンドリング性能を発揮します。
彫刻的かつ独創的な造形のエクステリアは、ブラックダイヤモンドルーフがスマートな印象を与えるデザイン。進化したi-Cockpitはフルデジタルのヘッドアップインストルメントパネルを備え、ドライバーズライクなレイアウトを実現しています。シートは7席全てが独立シートで、それぞれにゆとりのある寛ぎの空間。シートアレンジも多彩でフラットなラゲッジスペースを確保しており、便利なハンズフリー電動テールゲートも標準装備しました。
【スペック例】
グレード :5008 Allure
ボディサイズ :全長4640×全幅1850×全高1640(mm)
エンジン :1.6L-L型4気筒 165PS
トランスミッション:6速EAT
駆動方式 :前輪駆動
車両本体価格 :4,040,000円~
セダン・ステーションワゴン
308 SW
「308」をベースにしたステーションワゴンが「308 SW」。ガソリンと2種類のディーゼルエンジンがあり3グレードを展開、特別仕様車も用意します。
ご紹介する「308 SW Allure」は1.2LのPureTechエンジンと6速EAT搭載するグレードで、プラットフォームは「308」のために開発されたEMP2を採用。軽量化と低重心化によって運動性能が向上しており、ハッチバックよりも110mm延長されたホイールベースがゆとりのある走行安定性をもたらします。
エクステリアは「308」のスポーティさと、ウィンドエリアが広く開放感のあるワゴンスタイルが融合。プジョー独自の「マジックフラット」ラゲッジはワンタッチでシートアレンジも簡単、大きな開口部を持つテールゲートは荷物の積み下ろしがしやすい設計です。ラゲッジは最大で1660Lを確保、1800mmの長尺物も積載できます。
【スペック例】
グレード :308 SW Allure
ボディサイズ :全長4600×全幅1805×全高1475(mm)
エンジン :1.2L-L型3気筒 130PS
トランスミッション:6速EAT
駆動方式 :前輪駆動
車両本体価格 :3,047,000円~
508
2018年のジュネーブショーでワールドプレミアが行われたプジョーのフラッグシップ「508」。新型は「508」としては2代目で、新たにファストバックスタイルの流麗な4ドアクーペとなりました。新世代のデザイン言語を導入したことにより、アグレッシブで挑戦的なフロントマスクの造形やワイド感のあるシャープなリヤスタイルを実現。ワイド&ローなシルエットで、スポーティとエレガントが見事な調和を魅せます。
インテリアはより洗練されたi-Cockpitスタイルで、操作性や質感を追求し造形美を感じられる空間です。本国では既にデリバリーが開始されておりステーションワゴンも追加予定。国内では9月末から「ALL-NEW PEUGEOT 508 ROAD SHOW」と銘打って各地で先行展示イベントを開催、2019年のリリースが予告されているようです。
ライオンを戴き進化し続けるプジョー
自動車産業の黎明期から活動し、高品質の証にライオンの紋章を戴くプジョー。過酷なモータースポーツから得たテクノロジーをフィードバックし、独創的なモデルをラインナップするプジョーの魅力をご紹介しました。
※ 掲載内容は執筆時点、スペック・価格等は参考で変更になる場合があります。
※ 画像とグレードは一致しない場合があります。
※ 一部日本仕様と異なる場合があります。
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この記事のライター
信州の曲者が集まるCLUB Autistaに所属する道楽者。車と酒と湯を愛し、ひと時を執筆に捧げる。