伝説ロック【The Doors】リザードキングの軌跡
【温故知新】:古い物事を究めて新しい知識や見解を得ること。(広辞苑) 古きをたずね新しきを知る、ロックもまたこれ然りでございましょう・・・
リザードキング(トカゲの王)とよばれたジム・モリソンとそのバンド、ザ・ドアーズのお話でございます。
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The Doors
ドアーズは1965年から1970年代初頭において活躍したアメリカのロックバンドです。ロサンゼルスのナイトクラブ「ウィスキー・ア・ゴーゴー」での演奏がプロデューサーの目にとまり、1966年にエレクトラレコードと契約。ジム・モリソン(vo)、レイ・マンザレク(key)、ロビー・クリューガー(gt)、ジョン・デンズモア(dr)の4人編成です。ジム・モリソンのセクシーなルックスと甘く激しい声、詩的な歌詞、幻想的な演奏によって人気を博しました。
衝撃のデビューから、突然の終焉へ
1967年デビューアルバム「THE DOORS(ハートに火をつけて)」をリリース、大ヒットとなります。第2弾シングル「ハートに火をつけて」はビルボード1位を獲得し、ザ・ドアーズは一気にスターダムに駆け上りました。セカンドアルバム「まぼろしの世界」もヒット、続くサードアルバム「太陽を待ちながら」はアルバムチャート1位を獲得と、順調にバンドは活動を続けていたのです。
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2ndアルバム「まぼろしの世界」
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しかし、アルコールとドラッグに徐々に蝕まれていくジム・モリソン。反逆児、セックスシンボルといったイメージが一人歩きしていく、そして彼は飲み込まれていく。エキセントリックな行動や発言、次第に周囲の状況も悪化させていきました。それでもその後もアルバムを発表し、高評価も得ていましたが、実質的なラストアルバムとなった6枚目「L.A.ウーマン」収録後、モリソンは休養に入り、恋人のパメラと共にパリに渡ったのです。
そして1971年7月3日、パリのアパートの浴槽で変死しているモリソンが発見されました。突然の死にいろいろな噂が飛びましたが、死因はヘロインの過剰摂取による心不全とされています。27歳の若さでした、彼の遺体はパリのペール=ラシェーズ墓地に埋葬され、現在でも多くのファンが訪れています。
モリソンの死後、クリューガーとマンザレクがそれぞれヴォーカルを担当しながら2枚のアルバム「アザー・ヴォイセズ」「フル・サークル」を発表しましたが、商業的に失敗し、その後ザ・ドアーズは正式に解散しました。
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【映画】
モリソンの死から20年後の1991年、オリバー・ストーン監督による映画「The Doors」が公開されました。一部事実とは異なる描写もあったようですが、当時のドアーズ、モリソンの人気や時代の空気感などはよく感じられると思います。ざっくりとですがザ・ドアーズの大まかな活動や、ジム・モリソンの人生の流れが見えながら、音楽映画として楽しめる作品だと思います。
モリソンを演じたヴァル・キルマーの演技も素晴らしく、見入っていると本物ソックリに見えてきます(笑)またキルマーの歌声もよく似ていますよ!(カイル・マクラクラン演じるマンザレクもよく似ています。)
もう25年も前の映画ですが、是非一度ご覧ください。
また、フランシスコ・フォード・コッポラ監督のベトナム戦争を舞台にした映画「地獄の黙示録」では、冒頭の大爆撃のシーンでドアーズの「ジ・エンド」が使われています。サイレントで空爆シーンを見せながら、静かに退廃的で幻想的な「ジ・エンド」、なんとも印象深いシーンです。こちらも是非。ちなみにUCLAの映画専攻科で、モリソンとコッポラは同級生だったようです。
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The Doors【The End】
今もなおカリスマとして
死後45年が経った今でも、ロック界のカリスマとして語り継がれるジム・モリソンそしてザ・ドアーズ。
今やロックファッションの定番アイテムと言えるレザーパンツも、実はモリソンがその走りだといわれています。その音楽性だけではなくファッションでも後の多くのロックバンドに影響を与えているようです。幻想的な演奏に乗せ、ジム・モリソンの静かに訴えかけてくるような甘い声、そして怒りの中に悲しみを内包したようなシャウト。「The Doors」の音楽はジッと眼を閉じて聴いていると、吸い込まれていくような陶酔感があります。