【死亡率は3.87%】平成のスーパー戦隊シリーズで犠牲になった戦士達について語りましょう。
悪の組織から地球を守るという使命を背負ったヒーローには、子ども向け番組であっても容赦なく死の危険が存在します。
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155名中、6名が死亡
高速戦隊ターボレンジャー(1989年)から列車戦隊トッキュウジャー(2014年)までの平成戦隊シリーズでは、登場した戦士155名に対して6名の犠牲者が出ています。率にして3.87%となり、最も死亡率の高い職業と言われる漁業であっても0.1%程度なので非常に高い数字だと言えます。
今回は、亡くなった6名の戦士達を当時の思い出とともにご紹介します。
①鳥人戦隊ジェットマン:ブラックコンドル(1991年)
死因:チンピラにナイフで刺され失血死
一般的に子ども向けとされるスーパー戦隊シリーズの中でもメンバー間の恋愛模様を強く描き「戦うトレンディドラマ」と評された異色の作品である鳥人戦隊ジェットマン、その中でも酒・タバコ・女をこよなく愛する異端児のブラックコンドルですが、今でも高い人気を誇るキャラクターだと言えます。
彼が死亡したのは最終話「はばたけ!鳥人よ」でありまして、特筆すべきは悪の組織によってではなく一般人のチンピラに殺されてしまったことです。
上記の画像を見ていただくと何となくの流れがわかるのですが、ブラックコンドルは最終話に親友であるレッドホークの結婚式に参加するべく花屋で花束を購入した道すがら、ひったくり犯を捕らえた際に逆上した犯人にナイフで刺され、死亡します。
すぐに病院に行けばよかったものを、傷をかばいながら結婚式に向かい、レッドに「顔色が悪いぞ?」と心配されながらも「例によって二日酔いさ」と笑顔で答えます。その後、幸せそうな戦友の姿を見ながら絶命するのでした。
戦いの中以外で死亡したのは、もしかすると彼だけかもしれません。
②恐竜戦隊ジュウレンジャー:ドラゴンレンジャー(1992年)
死因:命の時間切れ。死神がひく人力車に揺られてあの世へ
彼についてはもともとの設定がかなり特殊であります。
登場時にすでに肉体と命を失っており、時間限定の命を与えられていました。普段は時間の停止した部屋におり、6人目の戦士である彼はヒーロー達のピンチなどに現実世界に駆けつけて、都度命の残り時間を消費していたのでした。
敵の策略により現実世界に長く留まらされたり、また、作中後半ついに時間の停止した部屋を破壊されてしまいます。
ヒーロー達はドラゴンレンジャー(ブライ)を救うために「命の水」を求めて生命の泉を目指しますが、敵の妨害により無情にも間に合わず、ブライは死亡します。
なお、ブライが死亡する話のタイトルは「ブライ死す」でありまして、タイトルでネタバレするのは本当にやめて欲しいと思いました。
ジュウレンジャーの死の描写で特徴的だと感じたのは、死神がひく人力車に乗って死の世界へいくという描写を用いていた点です。ブライが死の直前に一人の男の子の命を救ったことで、その子は人力車を待つ停留所からいなくなります。男の子が生き延びたことに安堵しながら、ブライはやって来た人力車に揺られていったのでした。
また、ブライは命を落とす直前に自身の武器である獣奏剣を弟であるティラノレンジャー(ゲキ)に託しており、次の話からゲキは二刀流になります。これは本当に燃える展開でした。
ちなみに恐竜戦隊ジュウレンジャーについてすごくどうでもいいことを述べると、「恐竜戦隊」にもかかわらず登場するのがティラノレンジャー(恐竜)、マンモスレンジャー(非恐竜)、トリケラレンジャー(恐竜)、タイガーレンジャー(非恐竜)、プテラレンジャー(翼竜なので非恐竜)、ドラゴンレンジャー(非恐竜)となっており、6名中4名がそもそも恐竜ではありません。
③未来戦隊タイムレンジャー:タイムファイヤー(2000年)
戦隊史上初のダブルレッドとなっています。右がタイムレッド、左が死亡するタイムファイヤーで、目の部分のギザギザの有無が見分けるポイントです。
死因:拳銃の暴発により死亡
未来戦隊タイムレンジャーも、鳥人戦隊ジェットマンと同様に恋愛模様を盛り込み大人層の取り込みを図った作品であり、vokka読者の皆様におかれましても楽しめること請け合いのおすすめ作品であります。
さて、恐竜戦隊ジュウレンジャーから8年ぶりの犠牲者であるタイムファイヤーですが、彼は30世紀から来た未来人であり、「自身が20世紀の世界で死亡する未来」を見てしまい、その改変のために暗躍することになります。
作中終盤、自分の身代わりを立てることで死亡する未来を回避したと思われた次の話で、拳銃の暴発により死の未来は変えられないことを悟りながら死亡します。
出典:tiyu.to
本作の主人公であるタイムレッドは長身イケメン俳優 永井大さんが演じており、タイムファイヤーはタイムレッドの子孫という設定から同様に永井大さんが演じています。初主演で二役というのはかなり珍しいと思っています。
キャラクターもタイムレッドは熱血漢、タイムファイヤーは冷血漢と正反対であり、ご苦労されたことと思います。
④忍風戦隊ハリケンジャー:シュリケンジャー(2002年)
死因:敵を道連れに爆散
「忍風戦隊ハリケンジャー」には、忍風戦隊ハリケンジャー(3名)・電光石火ゴウライジャー(2名)・天空忍者シュリケンジャー(1名)がそれぞれ別チームとして登場し、死亡したシュリケンジャーはこの中でも最強の実力者でした。
恐竜戦隊ジュウレンジャーでも未来戦隊タイムレンジャーでもそうでしたが、追加の6人目の戦士というのはどうやら死亡しやすい傾向があるようです。皆様におかれましてもスーパー戦隊加入の際には、自分が何番目の戦士なのかは知っておいた方がいいかもしれません。
巨大化した怪人サタラクラを倒すべく、こちらも巨大ロボット天空神に乗り込んだシュリケンジャーですが、サタラクラの攻撃を全く避けずに攻撃を浴びながら接近し、サタラクラを掴みます。その直後、狼狽するサタラクラと共に爆発四散という最期を遂げます。
「天空忍者シュリケンジャーの力!今こそ見せてやる!」
「御前さまの仇を、この星の未来を」
「頼むぞ、ハリケンジャー!」
「頼むぞ、ゴウライジャー!」
(ドッカーーーン)
という感じで爆死します。
⑤爆竜戦隊アバレンジャー:アバレキラー(2003年)
死因:不死の身体を失ったことで失血死(直後に宇宙空間で爆散)
アバレキラー(壬琴:みこと)は14歳で医師免許を取得した天才という設定であり、戦いを「ゲーム」と呼び、作中はほぼアバレンジャーと敵対している状態という珍しい戦士です。
彼は不死身の特性を持っており傷を負っても即座に回復する驚異の肉体でしたが、作中終盤にその力を失い、戦いの中で受けた傷により血まみれで死亡します。
壬琴が死ぬ直前、彼の変身ブレスレット「ダイノマインダー」が暴走を起こし、間もなく大爆発を起こすという状態になりました。そこで彼のパートナーであった爆竜トップゲイラーは彼を乗せて空へ飛び立ちます。壬琴はトップゲイラーに「宇宙に出たら、俺を放り出して帰れ」と伝えますがトップゲイラーはそれを無視して飛行を続け、二人は宇宙空間で爆散して運命を共にします。
トップゲイラーは壬琴のことを普段は「ニンゲン」と呼んでいましたが、彼の最期を見届けた時に初めて彼の名前を呼びました。なお、トップゲイラーの声優はクールなイケメン役を演じさせたらまず間違いない緑川光さんとなっています。
⑥特命戦隊ゴーバスターズ:ビートバスター(2012年)
死因:身体のデータが負荷に耐えられず崩壊
新西暦1999年のクリスマス、転送研究センターのスーパーコンピューター内に侵入した謎のコンピューターウイルスがメインプログラム「メサイア」に感染した。ウイルスの影響で意思を手に入れたメサイアは暴走、世界の支配を提唱し、瞬く間に転送研究センターのコンピュータを乗っ取っていく。センターの研究員たちは暴走の拡大を抑えるため、施設ごと亜空間に転送する道を選ぶ。施設が亜空間へ飛ばされた直後、跡地に3人の子供と3体の作業用ロボットが転送されてくる。彼らは事件のとき施設にいた者たちで、その身にはワクチンプログラムが宿っている。
上記のような事件が13年前に起こり、ビートバスター(陣マサト)もそれに巻き込まれました。実は現実世界のマサトは「分身体」と呼ばれる状態で、本体は亜空間に昏睡状態で取り残されています。
彼の退場は通常の死亡とは異なり、亜空間においてきた本体のデータの崩壊という形で訪れました。
ゴーバスターズのラスボスである「エンター」は、バックアップデータを持ち何度倒しても復活するという特性を持っており、それを克服するためにビートバスターは亜空間に存在する自身の本体へバックアップデータを流し込み、エンターを倒せる状態にしました。
ゴーバスターズは無事にエンターを撃破しますが、その代償として過重なデータによりビートバスターの本体は崩壊(=死)を起こします。
そうして、現実世界の分身体も消失することとなります。
崩壊していく自分の身体に向かって「13年、余分に生きられてよかったな」という言葉をかける彼の最期は、涙なしには見られないシーンだと言えます。
常に死と隣り合わせ
毎話毎話ドンパチやり合うわけですから、いかにヒーローと言えど一定数の死者が出るのは仕方ないのかもしれません。
また冒頭でお伝えした通り、一般に危険職種と言われる仕事の数十倍(負傷のリスクを考慮するとさらに高い)の危険度となっています。
おそらく通常の生命保険にはまず入れませんし、住宅ローンの団体信用生命保険にも加入できないのでマイホームが欲しければ一括キャッシュでの購入以外難しいと思われます。
生命保険会社各社におかれましては、スーパー戦隊シリーズとタイアップして「ヒーローは保険に入れるの?入れたとしたら保険料はいくら?」といったような記事を掲載すればSNSでもバズる気がしますし、日曜朝にそのテレビCMを流せばファミリー層にかなり訴求できる気がしているのですが、いかがでしょうか。
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この記事のライター
慶應→金融→Web89年世代。幼少期からアニメと漫画に触れながら育ち、高校時代は2年半ほどネットゲームを毎日6時間以上という生活を送っていました。読みやすく納得感のあるものを書いていきたいと思っています。