現代思想の源泉 ~『「原因」と「結果」の法則』ジェームズ・アレン~
デール・カーネギー、アール・ナイチンゲール、ナポレオン・ヒルら、多く哲学・思想に影響を与えたジェームズ・アレンの代表作をご紹介します。
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著者 ジェームズ・アレン
ジェームズ・アレンは今から約150年前の1864年、英国・イングランドで生まれました。15歳の時に父親の事業破綻により学業を断念、様々な職に就いて働きながら独学し、38歳から執筆活動に入り、1912年、48歳で急死します。
生前から英国以外での著作権を放棄していたため、裕福な生活とは言えなかったようですが、アレンの思想はアメリカを中心に世界中に広がっていきます。
絶大な影響力
本書の原題は『AS A MAN THINKETH』。
日本でも多くの方が翻訳を手がけていますが、『「原因」と「結果」の法則』のタイトルで坂本貢一氏による翻訳が最も有名です。坂本氏訳の題名からわかるように、仏教の因果律を基本に、キリスト教をはじめとする宗教、東西の哲学思想を融合した思想書です。
アレンの影響は、デール・カーネギー、アール・ナイチンゲール、ナポレオン・ヒルら、多く哲学・思想に影響を与えています。明示されてはいないものの、スティブン・R・コヴィーの『7つの習慣』にも影響を与えたと思われる箇所があります。
引き寄せの法則
「心は、それ自身が密かに抱いているものを引き寄せます。それは、それ自身がほんとうに愛しているもの、あるいは恐れているものを引き寄せるのです。」
出典:「原因」と「結果」の法則
どこかで目にしたり、耳にしたりしたことがありませんか。
現在でも静かにブームが続いている「引き寄せの法則」です。何人もの著作や言葉を経ていますが、その源流は本書のこのわずか2行にあります。ここからいわゆる「引き寄せ本」と呼ばれる膨大な数の書籍が生まれました。
深い思想
本書の内容は非常にシンプルです。
「思い」が人格をつくり、環境をつくり、健康をつくります。正しい思いを抱くことによって、よい人格、よい環境、よい健康を手にすることができます。
正しい思いで目標を立て、努力することによって成功を得ることができます。そのためには、大きなビジョンを持ち、常に穏やかな心で接していくことが最も大切である、と述べられています。
言葉・文章もシンプルで、読むのが早い方なら1時間あれば充分に読み終えることができるでしょう。
しかし、その短く、シンプルな文章の行間にはとてつもなく深いものがあります。
アレンと戦争
アレンが急死したのは、第一次世界大戦前夜の1912年です。アレンが第一次大戦と、それに続く第二次大戦をどのように見つめ、どのように感じたであろうか、というのは非常に興味深いところです。
しかし、アレンは第一次大戦を見ることなく亡くなります。そこに深い暗示的なものを感じさせます。
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