あの有名映画達の原作!SFの鬼才「フィリップ・K・ディック」の世界
多数の作品が映画化されているSF作家「フィリップ・K・ディック」。名前を知らなくても、話題になった超大作が実は「ディック原作」ということも。ここでは映画化された彼の作品をご紹介します。
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10本が映画化済み!「映画から愛されるSF作家」
海外SFがあまり注目されない昨今、アメリカを代表するSF作家「フィリップ・K・ディック」を知らないという人も増えているようです。
でも彼の作品は多数が映画化されているので「知らないうちに作品に触れていた」という人も多いはず。
ここでは映画化された「フィリップ・K・ディック」の原作作品とその魅力を紹介していきます。
アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
「SF映画の金字塔」と言われる『ブレードランナー』の原作。
独特のタイトルもインパクトを残し、パロディとして使う作品は跡を絶ちません。
「宇宙から地球へ逃げてきたアンドロイドを追う刑事」という基本の物語は原作も映画も同じですが、その内容・質感は大きく異なります。
「人間」としての存在の不確かさを問う謎めいた物語には、SFというより哲学的な印象を与えられるはず。
追憶売ります
シュワルツネッガー主演の話題作『トータル・リコール』(1980)の原作。
2012年にも再度映画化されています。
原作は平凡なサラリーマンが「夢」を実体験できるサービスを使い、何故か捜査官から追われる…という短編。
皮肉の効いた話であり、「電気羊」同様「妻が主人公に冷たい」というところが悲哀を感じさせます。
映画は様々なディック作品のイメージからストーリーを膨らませています。
マイノリティ・リポート
2002年にトム・クルーズ主演、スピルーバーグ監督で映画化された超大作の原作。
予知能力者によって犯罪が防止される社会、主人公は「来週、無関係の男を殺す」と言う予知を知り、これは陰謀だと考えるようになる…というストーリー。
短編ですがサスペンスとしてよく練られており、オチの捻りにはアッと驚かされるはず。
アクションを増やした映画に比べると「謎」を重視した展開となっています。
アジャストメント
マット・デイモン主演で2011年に映画化。
人間の運命を裏手から「調整」している「何か」に出会ってしまうストーリー。
原作は「しゃべる犬」が登場したり、調整班員達のドタバタぶりが想像できたりと、コメディとしても読める作品です。
映画ではラブストーリーという大きなアレンジが施されましたが、調整班員の健闘ぶりはやはりコメディタッチ。
ディックの中では「軽め」な作品と言えるでしょう。
日常的かつ普遍的なフィリップ・K・ディックの魅力
SFと言うと、例えば「スター・ウォーズ」のような壮大なスペース・オペラを想像する人も多いはず。
しかしディックの作品は労働階級等の「未来社会の普通の人々」を主人公としていますし、テーマも現代社会に通じるものが多いです。
特に短編はサラッと読める量なので「SFは難しそう」と言う人でも気軽に挑戦できることでしょう。
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