総額5千億!TDRの新開発は「閑散期消失」と「酒類の全解禁」なるか
先日、東京ディズニーリゾートの新エリア開発が発表され大きな話題を呼んでいます。
TDLではエリア拡張、TDSでは新エリアを増設します。これらは各100億円という予算での大拡張なのですが、実は総額5000億円という大規模投資計画の一つなのです。
年間3000万人来園を目指すTDRの新たな取り組みを徹底検証します。
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2013年度、14年度と東京ディズニーリゾートは「閑散期」を失くした
例年、「東京ディズニーリゾート」では1月中旬〜2月中旬が閑散期と呼ばれています。
クリスマスや年末年始、成人式の連休の混雑を終え、学生が休暇に入るまでの谷間の時期は、真冬の厳しい寒さも相まって人気アトラクションでも5〜10分待ちで入れる状況となっています。
また、その期間は営業開始時間が2時間遅れ、終了時間が3時間早まり、メンテナンスによる休止となる施設も多いのが通年の状態です。
ところが、昨年と今年の冬は閑散期の来園者数に大きな変化がありました。
2013年度は、4月から始まった東京ディズニーリゾート30周年“ザ・ハピネス・イヤー”の影響が閑散期にも及び、過去最大を記録する下半期来園者数1593万人の数字を叩き出しました。
そして2014年度は、前年度の30周年イベントが終わったにもかかわらず、なんと、さらなる過去最大の来園者数を記録したのです。
その数、脅威の3129万人。特筆すべきは下半期の来園者数です。上半期1509万人に対し、下半期は1627万人。
真冬の閑散期が含まれるにもかかわらず、下半期はより多くの集客に成功しました。
2015年冬、想定を上回る集客の背景は「アナと雪の女王」
入園者予想値を大幅に上回った背景には、「アナと雪の女王」の世界観をモチーフに、第4四半期に東京ディズニーランドで実施した新規スペシャルイベント「アナとエルサのフローズンファンタジー」が、当初の想定を上回る集客効果を発揮したことが主な要因だとオリエンタルランドは分析しています。
あまりの人気ぶりに、プロジェクションマッピング「ワンス・アポン・ア・タイム」の特別バージョンである「ウインターエディション」は、冬期プログラムにも関わらず盛夏の7月7日まで期間を延長されることとなりました。
TDSの大規模な新エリアのテーマは「北欧」。集客力の強い「アナ雪」の世界で閑散期は変わるのか
「東京ディズニーシー」の新テーマポートの開発は、 一部エリアを「アナと雪の女王」の世界をテーマとし、新テーマポートの全体テーマを「北欧」とする方向性が発表されました。
敷地のおよそ半分が埋立地の海沿いに面している「東京ディズニーシー」は、以前より“ランドより寒い”とファンから評され、真冬の入園を回避される傾向がありました。
その「寒さ」を逆手に取ったといえる今回の新テーマポートの増設。
同社は「大ヒットした“アナと雪の女王”は、物語の舞台が北欧の港町で、TDSの方がふさわしいと判断した」(横田明宜取締役)としており、今後、「東京ディズニーシー」では閑散期の来園者数すら増加させることが予想されます。
TDLは「美女と野獣」「ふしぎの国のアリス」でファンタジーランドを二倍に拡張!「アルコール解禁」&「訪日外国人」の取り込みか
一方、「東京ディズニーランド」では、「イッツ・ア・スモールワールド」などがある「ファンタジーランド」をおよそ二倍に拡張します。「美女と野獣」や「ふしぎの国のアリス」にちなんだエリアを設け、遊戯施設を複数建設するとのこと。
これらは2020年の東京オリンピックまでに開業する予定で、国の観光客誘致政策や五輪開催などによる増加する訪日外国人旅行者の来園促進を意識していると思われます。
TDLに2つめの「城」。「アルコール」も解禁と予想
オリエンタルランドが公開したアートには野獣の城に続く橋が描かれており、その奥には城があります。
この構図は、フロリダ州のウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート(マジック・キングダム)で唯一お酒を楽しむ事ができるレストラン「Be Our Guest Restaurant」に酷似しています。
これにより、高い確信度で「東京ディズニーランドにおいてアルコール飲料が解禁される」のではと考えられます。
同社では、可処分所得の高い中高年層の集客強化を中期経営計画で発表しており、このレストランによって飲酒習慣のある中高年層の取り込みが強化されると予想されます。
また、現在開園している世界の5つのディズニーパークの城のうち3つは「眠れる森の美女の城」であり、「シンデレラ城」の2つを上回っています。
つまり、外国人にとっては「ディズニーパークの城」=「眠れる森の美女の城」と考える者も多く、彼らの期待を裏切らない施設が追加されると考えられます。
これによって訪日外国人旅行者数の来園も促進されるのではないでしょうか。
フロリダでの再開発計画で頓挫したアイディアが日本へ?
情報やヒントの少ない「ふしぎの国のアリス」をテーマとしたエリア。
右手にあるホワイトラビットが顔を出す家は、現在「イッツ・ア・スモールワールド」がある位置になります。
コンセプトアートをさらに細かく見ていくと、この方向に向かってゲストが並んでいるのが分かります。これにより、なんらかの大型施設が造られると考えられます。
ちなみに、マジックキングダムのファンタジーランド再開発計画では、当初アリスエリアを建設する計画がありました。こちらで使われなかったアイディアを、東京に持ってきた可能性は高いでしょう。
5000億円の大型投資で「夢と魔法の王国」はどう変化するか
日本が誇る「東京ディズニーリゾート」。幅広い世代と訪日旅行者のさらなる取り込みでどう変わるのか。
これからも「夢と魔法の王国」から目が離せません。
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この記事のライター
20代後半、渋谷区在住、丸の内勤務の今時OLです。休日はジムに通って料理して、オシャレなスポット巡りをして美味しいお酒を飲むのが好きです。