窯元巡りブレイクタイムのお気に入りうつわを探しに小旅【佐賀編】
陶器の産地佐賀。大陸から伝わってきた絵付けや窯焼きの技術が最初にこの佐賀に伝わってきたことから有名な窯元が存在しています。小旅行にぴったり、佐賀の陶器巡りスポットをご紹介します。
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国内外に有名な窯元が点在する佐賀
出典:aritasu.jp
佐賀は大陸に近いことや陶器の原料となる陶石があったことから陶芸産地となりました。有田焼だけでも表現方法に、白磁や青磁、色絵など約8種類あります。そして県内には、人間国宝の陶芸家が3人認定されていています。
最近はブレイクタイムやオフタイムには、お気に入りのうつわでコーヒーやお酒を飲みたいという人が増えていて、特集記事をよく目にします。今回は眺めてるだけで癒されるうつわが見つかる佐賀の窯元をピックアップ。合わせて訪れた時の宿泊におすすめのお宿もご紹介します。
美しすぎる白磁が魅了「井上萬二窯」
出典:www.arita.jp
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平成7年に人間国宝に認定された井上萬二さんの窯元です。白磁の第一人者と言われている人です。器には付け絵など加飾が無いのが特徴。うつわの色は青みがかった白色が多く、神の手がつくり出す形が勝負というところでしょうか。
名門柿右衛門で修業を重ねた井上萬二さん。面白い経験を持った人で、アメリの大学に行き講師として有田焼を教えたことがあります。しかも通訳なしでの講義。有田焼きの伝統を国外にも発信した人でもあるのです。
ドイツやハンガリーでも個展を開くほど国際的にも認められている人がつくったうつわ。手に入れたいですね。
■基本情報
住所:佐賀県西松浦郡有田町西部丁
電話番号:0955(42)4438
■人間国宝 井上萬二(監修)
有田焼カップ&ソーサー(紫結晶 珈琲茶碗皿)
価格:47,520円
レトロな洋館で過ごせる嬉野温泉「 ハミルトン宇礼志野」
有田周辺で泊まるなら、少し車を走らせ嬉野温泉の「ハミルトン宇礼志野」がおすすめ。大正ロマン風の洋風の館は、上質な雰囲気で訪れる人を迎えています。
レストランでいただく、地元食材を使用したイタリアンも絶品。有田散策の疲れの癒しにいかがでしょうか。
■基本情報
住所:佐賀県嬉野市嬉野町岩屋川内甲288-1
電話番号:0954-43-0333
人間国宝がつくる青磁器「弓野窯」
陶芸家の父親と窯跡や物原という廃棄された陶器の集積場を調べ歩いた中島宏さん。そこで見つけた青磁のかけらに魅了され、青磁の道に進んだ人です。つくり出されている陶器は「中島ブルー」と言われるほど美しいものです。人間国宝中島宏さんがつくった唯一無二のうつわに出会えます。
「弓野窯」は、武雄市弓野にあります。元々ここには「弓野焼」の窯元がいくつかありましたが現在はなくなっています。「弓野焼」の窯元の家だった古民家で、青磁器をつくる中島宏さん。風情ある佇まいも素敵です。
■基本情報
住所:佐賀県武雄市西川登町大字小田志14982
電話番号:0954-28-2068
美しい自然に囲まれた武雄温泉「御宿 竹林亭」
館内のお部屋は11室。プライベート感がある純和風旅館です。四季折々表情を変える庭園に心が和みます。窯元巡りで見つけたお気に入りのうつわをうっとり眺めながら過ごしてみませんか。
■基本情報
住所:佐賀県武雄市武雄町大字武雄4100
電話番号:0954-23-0210
佐賀県武雄温泉の旅館「御宿 竹林亭」の公式サイト。「ミシュランガイド福岡・佐賀 2014 特別版」で最高評価「5レッドパビリオン」を獲得。武雄鍋島家ゆかり15万坪の御船山楽園の中に佇む、数寄屋造り純和風旅館。
伝統の色鍋島に新しい風が吹き込んでいる「今右衛門窯」
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現在窯を守るのは、十四代今右衛門さん。2014年に陶芸界最年少で人間国宝に選ばれた人です。父親の十三代今右衛門さんも人間国宝。「今右衛門窯」は、二代続けて人間国宝という由緒ある窯元なのです。
「今右衛門窯」は、代々色鍋島をつくり続けていますが、十三代目が新しく「吹墨」と「薄墨」という技法を生み出しています。伝統と斬新さが織り込んだ美しい色合いのうつわに出会えます。
■基本情報
住所:佐賀県西松浦郡有田町赤絵町2-1-15
電話番号:0955-42-3101
創業100年を超えるお料理旅館の武雄温泉「懐石宿 扇屋」
創業100年を超える老舗旅館「懐石宿 扇屋」。歴史を感じる建物は、日本家屋の温かさが漂っています。手入れをされた室内には、季節の草花がそっと活けてあり風情があります。
「懐石宿 扇屋」は、武雄温泉の中でも数少ない料理旅館です。運ばれてくるお料理は、目も楽しませてくれる絶品料理揃い。それもそのはず、料理長はテレビで料理人の腕を競うテレビ番組に出演経験を持っている人です。美味しい時間が過ごせますね。
■基本情報
住所:佐賀県武雄市武雄町武雄7399
電話番号:0954-22-3188
海外にもファンを持つ「柿右衛門窯」
柿右衛門窯がスタートしたのは、17世紀。白いうつわに赤の絵付けの「柿右衛門様式」はあまりにも有名です。そして有田焼の中でも人気はトップクラス。国内外にファンがいて、窯元を遠方から訪れている人も多いです。
現在窯元を守るのは、十五代酒井田柿右衛門さん。伝統の技術を受け継いだうつわをつくり続けています。訪れたなら乳白色の「濁手」のうつわを手に取ってみてください。うっとりさせられ、きっととりこになりますよ。
■基本情報
住所:佐賀県西松浦郡有田町南山丁352
電話番号:0955-43-2267
小川のせせらぎが聞こえる御宿嬉野温泉「椎葉山荘」
有田から車を走らせ嬉野の山間へ進むと「椎葉山荘」があります。木々や風の音に加え近くを流れる小川からのせせらぎも聞こえてくるお宿です。
運ばれてくるお料理に使われているうつわも素敵なものばかり。近くには波佐見焼もあるので、有田焼以外のうつわもここでは楽しめます。
■基本情報
住所:佐賀県嬉野市嬉野町岩屋川内字椎葉
電話番号:0954-42-3600
嬉野温泉大正屋の姉妹旅館「椎葉山荘」は「ななつ星in九州」で巡る九州の旅ツアーの宿泊先にも選ばれました。嬉野温泉街より少し外れた大自然の中の一軒宿。日帰り利用できる嬉野温泉最大の露天風呂「しいばの湯」、バイキングレストラン「山法師」も。
素朴さが美しい土物のうつわ「中里太郎右衛門陶房」
初代が、肥前国唐津藩のお抱え陶芸家だった「中里太郎右衛門陶房」。現在の窯元主十四代 中里太郎右衛門は、人間国宝です。唐津焼は土物のうつわで、ここでつくられているものは、一点ものが多いのが特徴。自分だけのうつわに巡り合えます。
ここを訪れれば、古の中里太郎右衛門がつくったうつわや唐津焼の歴史を知ることができます。また今は使われていませんが、ここには国指定史跡の「登り窯跡」がありこちらも必見です。
■基本情報
住所:佐賀県唐津市町田3-6-29(御茶碗窯通り)
電話番号:0955-72-8171
唐津焼が観賞できる老舗旅館「洋々閣」
映画「グラン・ブルー」の題材と言われるジャック・マイヨールが愛し訪れていた「洋々閣」。趣のある佇まいは、心ゆったり寛げます。「洋々閣」の名物女将も旅好きには有名な人。唐津にまつわるお話が聞けるといいですね。
特記したいのは、館内に唐津焼のギャラリーがあること。それも14代中里太郎右衛門さんの末の弟中里隆さんの作品が観賞できるのです。陶器巡りの小旅行にぴったりのお宿です。
■基本情報
住所:佐賀県唐津市東唐津2-4-40
電話番号:0955-72-7181
時計と同じく受け継げる芸術品のうつわ
うつわは、店頭でも購入できますが、窯元を訪ねると運が良ければ作家さんと話ができる醍醐味があります。何度となく足を運ぶと「上がってお茶でも」と言われる可能性もあるとか。日頃から使えるうつわから代々受け継げる芸術品まである佐賀の窯元へ、お気に入りのうつわを探しにでかけませんか。
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この記事のライター
大好きな場所、ニューヨークのタイムズスクエア。パワーが漲ってるところが惹かれるポイント。だけど将来は、ハワイでのんびり暮らしたいと思ってます!