メンズジレ徹底解説!おすすめコーデからベストとの違いまで
ジレは今や、カジュアルファッションからビジネススーツまで、コーディネートの定番となりました。しかし、同じような形状でベスト、ウエストコート、チョッキなど様々な呼び方があり、実は1つ1つちゃんとした意味があります。それぞれの歴史と共に、形・素材の違いや種類、そしておすすめコーデを徹底解説しました!
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そもそもジレって?
ジレとは、袖がなくジャケットやコートのように着用するアウターウェアのこと。ジレの原型となったのは、ヨーロッパにて15世紀後半頃から着用され、17世紀の半ば頃まで男性用の上着として多く着用されていた「タブレット」と呼ばれる物です。
1650年頃になると、流行によってタブレットは徐々に着丈や袖丈が短い物が主流となっていき、身幅が少しずつ狭くなっていったことで、アウターではなく中衣として着用されるようになりました。1660年代にはタブレットに変わって「カサック」と呼ばれる市民や兵士の防寒着が流行しましたが、後にそれが変形した「ジェストコール」という上着を使用することが主流となって行きました。17世紀の後半では、ジェストコールの前を空けたままにしてジレが見えるように着て、上着の袖から中のシャツを出して着るというのが流行の着こなしだったのです。そのためジレには徐々に派手な配色や豪華な刺繍などが施されていったのですが、この頃のジレには袖がついてたため、袖にも様々な装飾が施されていました。
17世紀後半以来紳士服はジュストコール(上着)、長袖のジレ(ベスト)、キュロット(半ズボン)、クラヴァット(ネクタイの原型)から構成されていましたが、18世紀に入るとジェストコールはさらに細身なデザインとなり、袖もタイトになりました。そのため、ジレの袖部分がきつく邪魔となったので、ルイ15世の時代になると、ジレの袖が無い物が流行し、その形は今もなお定着し続けているのです。
ジレ、ベスト、ウェストコート、チョッキの違い
4種類アイテムの形や素材、言語などをまとめました。
ジレ(Gilet)
日本においてのジレの形は、ほぼベストと変わらないと言って良いでしょう。しかし、質感に違いがあります。
フランスで使われるジレという言葉には、中衣という意味や、カーディガン、シャツなどインナーウェア的な意味を強く持っているため、ベストよりも広い意味の認識が存在します。この場合、ジレを着る際ほぼ必ずジャケット等を羽織るため後ろ身頃は外から見えません。それゆえに、前面にのみ上質な生地を使用し、背面への装飾はあまり行われないのが特徴です。
つまり本来は、前面と背面で生地や質感の違う袖無しの胴衣の事をジレと呼びます。
過度に装飾されていない事から、サラッと着れるとあって現在ブームとなっています。
ベスト(Vest)
現在では、単に「ベスト」といえば、男女問わず丈が短めで袖が無い上着の下に着る胴着という意味で用いられることが一般的です。アメリカ英語でベストは袖のない中衣全般を意味し、日本語でのベストは主にこの意味です。しかし、イギリスにおいてベストは、アメリカ英語でのアンダーシャツを意味することが多いようです。
現在では古語ですが、僧服の意味もありました。上着を着たときに胸元にベストが見えることから、ジャケットやブラウスなどのベスト風に飾りをつけた胸元部分もベストと言うことがあります。
日本国内で使われるベストという言葉には、袖無しの胴衣をアウターウェアとして使う為に生まれて来た為、装飾性が高い物であるという意味合いが強くあります。前から見ても、横から見ても、後ろから見ても上質な物である事が分かるように作られていて、シャツの上に着用してそのまま出かけるようなデザイン、それがベストです。また、ジレのように前開きでない、頭から被るタイプのデザインの物もベストと言います。学生などが制服として着る、ウール製の物もこちらです。
ウエストコート(Waistcoat)
ウエストコートは、英語で袖の無いベストという意味があります。つまり、フランス語を語源としたジレの英語版と思って良いでしょう。男性の洋装において上衣の下に着用して胴体部分を覆う被服のことで、主に正装や礼装、スリーピーススーツに中着として着用されており、ベストよりも正装感の強い物になります。
ウエストコートを着用するときは、伝統的にはベルトを用いず、サスペンダー(ズボン吊り)を用いていました。最も典型的には正面を縦1行で5、6個のボタンで留め、前身頃の生地は背広と同じもの、後身頃の生地は裏地同様の物か、表地と同様の物が用いられる形状です。背中には尾錠が付いていて、サイズの調整が出来るようになっています。正装・礼装に於いては燕尾服、フロックコート、モーニングコート及びディレクターズスーツ等の下にウエストコートを着用するのが正式とされています。
チョッキ
チョッキは、単刀直入に言えば毛糸で編み込んだベストのことです。言語については不明確な点も多く、フランス語の「jaque」やポルトガル語の「jaqueta」から来た説、あるいは直着(ちょくぎ)が訛った説があります。形にはベストと変わりませんが、主に冬の防寒着として用いられます。他の3点よりもフォーマル感は薄く、カジュアルなイメージが強いアイテムです。
ベストを使ったコーディネート
ここからはベストを使ったコーディネートを紹介します。
シャツ×ベスト
シンプルな白シャツの上にベストを羽織ったジャケットオフスタイル。お腹も隠れるので、スタイルに自信の無い方も挑戦しやすいコーディネートです。休日には写真のようにスニーカースタイルもばっちり。チノパンツと合わせてカジュアルコーデがおすすめです。
チェックシャツにベストを合わせたスタイル。柄物のシャツにはシンプルなベストを合わせましょう。デートやパーティーなど、カジュアル過ぎない場にもおすすめ。全体的にエレガントな印象になります。
ライダースジャケット×ベスト
出典:kurumani.com
セットアップのベストにライダースジャケットを合わせたスタイル。全体的にダークトーンでまとめたコーディネートは、お洒落初心者さんにも取り入れやすいですよね。シンプルかつエレガントなスタイルはデートにも間違いなしです。
ベストをレザーのライダースジャケットの中に着たコーディネート。写真のように鮮やかな色の物を選ぶと、差し色として全体がパッと明るくなりますよね。デートやパーティーで目を引くコーデになります。いつも暗めのアイテムを選びがちな方にもおすすめです。
カットソー×ベスト
白Tシャツに黒のベストを羽織ったコーディネートは、お洒落初心者さんにも取り入れやすいスタイル。写真のようにチノパンに合わせて、夏のカジュアルコーデにいかがでしょうか。ハーフパンツやアンクルパンツもおすすめ。
出典:i7.wimg.jp
白Tシャツにデニムのベストを羽織ったコーディネート。アンクルパンツにスニーカーを合わせたカジュアルスタイルです。流行りの白Tはもう飽きた…という方におすすめ。持っているアイテムにベストを組み込むだけで、いつもとは違う印象を与えます。
スーツ×ベスト
出典:lafabric.jp
やっぱりジレはスーツと合わせるのが1番!ジャケットの中に1枚着るだけでエレガントで華やかな印象を与えます。スーツとセットで販売していることも多いので、スーツに合わせた色や素材を選ぶと、取り入れやすいですよね。写真のように鮮やかなネクタイと合わせるのもおすすめです。
出典:lafabric.jp
薄いグレーのスーツにネイビーのジレを合わせたスタイル。涼しげな春先のコーディネートをグッと引き締めます。室内ではジャケットを脱いで、ジレをアウターとしても素敵ですよね。スーツと違った色や素材を合わせると、コーディネートのアクセントになるのでおすすめです。ウールの物や刺繍のある物など、いつもは着ることのない素材を選んでみてはいかがでしょうか。
最新のアイテムでおしゃれな着こなしを!
いかがでしたでしょうか?ジレは着るだけで印象がガラッと変わり魅力が増すことから、大人の男性のファッションアイテムとして注目されています。スーツの下にも、休日のラフなコーディネートの引き締めにもおすすめです。ジレを羽織って毎日のコーディネートに変化を付けましょう!
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この記事のライター
よく寝てよく食べる都内の女子大生。元セレクトショップ店員。メンズアパレル業界で得た知識を生かしてトレンドに敏感な記事を書いていきます!珈琲と日本酒とおいしいごはんがすき。休日は漫画を読んだり、ごろごろしたりするインドア派ですが、海外旅行にもよく行きます。