【ブランドストーリー】サルヴァトーレ・フェラガモの歴史

数あるイタリアブランドの中でもデザイン性、機能性、クォリティ抜群の靴のメーカーとして知られるサルヴァトーレ・フェラガモ。創設者フェラガモの靴にかけた思いを辿ってみましょう。

mariko77kato政府公認フィレンツェ観光ガイド 加藤まり子
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ハリウッド女優たちを魅了したサルヴァトーレ・フェラガモ

サルヴァトーレ・フェラガモといえばクォリティーの高い靴で有名なイタリアのブランド。現在では高級ブランドの一つとして知られていますが、元々はハリウッド俳優のためにオーダーメイドの靴を作ったのが人気のきっかけでした。靴の世界で確固たるブランドを築き上げたフェラガモ。十代でイタリアからアメリカに移住し、アメリカンドリームをつかんだ彼の波乱板状な人生を見てみましょう。

最初の靴は妹のため 南イタリアから新大陸アメリカ移住まで

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サルヴァトーレ・フェラガモが生まれたのは1898年の南イタリア。14人兄弟の11人目として誕生したサルヴァトーレ少年は幼くして靴への興味を示します。9歳にして妹の靴を作り、11歳でナポリの靴職人の元に弟子入り、13歳にして自分の故郷ボニトの町で自分の店をオープンします。14歳の時、渡米していた兄たちに続きサルヴァトーレ少年もアメリカを目指します。ちょうどアメリカでは映画が盛んになる頃。カリフォルニアに居を定めたサルヴァトーレは映画撮影のための靴をデザインするようになりました。

ハリウッド黄金時代とともに発展したハンドメイドの靴

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カリフォルニアで始まった映画産業はどんどん拡大。ハリウッドに大きな撮影所ができ、サルヴァトーレへの注文も増えていきました。そしてアメリカで最初の店を開くことになります。ハリウッド・ブーツショップと名付けられた店には映画俳優たちが押し寄せるようになりました。サルヴァトーレの店はハリウッドスターたち御用達として知られていくようになります。しかし、注文が増えるに従って彼は人手不足に悩むようになります。より良い靴を作りたいという気持ちの強いサルヴァトーレにはアメリカの職人の技術は不十分。伝統的な職人のたくさんいる街への移転を考えるようになります。

より良い品質を追求してたどり着いた故郷イタリア

新大陸アメリカで地位と富と名声を築き上げたサルヴァトーレ。しかし彼にとって重要なのはより良い靴を作ること。そのためにロサンゼルス大学で解剖学を研究し、はき心地の良い靴の追求もしました。そして最終的に革製品を伝統的に扱う故郷イタリアのフィレンツェに移動することを決めたのです。イタリアの新しい工房で作られる靴は全て手作り。それをアメリカに輸出する方式をとりました。そんな中、世界大恐慌が襲います。

倒産からの復活、そして世界ブランドへの成長

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世界恐慌の煽りを受けてフェラガモは倒産。しかしフェラガモの靴への情熱は揺らぎませんでした。市場をアメリカからイタリアに変更。ついにフィレンツェでも高級ショッピング街として知られるトルナブオーニ通りに店を開店するところまで復活しました。第二次世界大戦を乗り越え、再びハリウッドのスター達の御用達となったフェラガモ。イタリアを代表するブランドとして世界にその名を知られるようになりました。

サルヴァトーレ・フェラガモ・ミュージアムで歴史と魅力を味わおう

そんな波乱万丈な人生を見ることができるのがサルヴァトーレ・フェラガモ・ミュージアムです。サルヴァトーレが最高の職人を探してたどり着いたイタリアのフィレンツェの本店にあるこのミュージアムでは、彼がデザインした歴代の靴が展示されています。そしてオーダーメイド用の木型があるのもここの魅力の一つです。マリリン・モンローやオードリー・ヘップバーンといったハリウッド女優だけでなく、マイケル・ジョーダンの木型、そして最新のものでは英国のロイヤルベビーのものまで幅広くあり、彼の靴がどれだけ著名人から愛されているかを実際に見ることができます。

Ferragamo Museo

Ferragamo Museo

より良いものを追求する心を忘れない

職人としても実業家としても魅力いっぱいのサルヴァトーレ。彼の精神は彼の死後もしっかりと引き継がれています。履きやすさ、デザイン性ともに優れたフェラガモですが、創業者の精神を知ると魅力が増すこと間違い無し。手に取る時にはぜひ彼の靴への愛情を感じてください。

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この記事のライター

政府公認フィレンツェ観光ガイド 加藤まり子

イタリア政府公認観光ガイド。本場イタリアからグルメ、ワイン、そしてイタリア男のカッコイイ生き様をお届けします。大手外資系企業で勤務中のある日「トスカーナの風に吹かれたい!」と思いつき、キャリアを捨ててイタリアに移住。フィレンツェ公認観光ガイドとして、大好きなルネサンス発祥の地フィレンツェで、現代にも通じる芸術、歴史、ライフスタイルを紹介しています。Twitterでほぼ毎日イタリアの「生」の情報を提供中。

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