変幻自在な魅力に迫る!山田孝之出演映画おすすめ15選!

時に熱血漢な溢れる主人公、時に残忍で冷酷な悪役、主演助演問わず様々な役になりきるカメレオン俳優山田孝之。異性からも同性からも人気な彼の出演作品の中から厳選して15作品をご紹介します。

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アイキャッチ画像出典:matome.naver.jp

常に話題に上がる仕事を選ばない男・山田孝之とは

出典:news.livedoor.com

1983年、鹿児島県出身。女の子と間違われてスカウトされたことをきっかけに1998年より芸能活動を開始、ドラマ「WATER BOYS」や「世界の中心で、愛を叫ぶ」などで爽やかな主人公を演じ人気を博しました。近年では、本人のキャラクター性が活かされた「勇者ヨシヒコシリーズ」をはじめ、「dele」にて菅田将暉とW主演をしたり、長澤まさみ主演の月9ドラマ「コンフィデンスマンJP」に特別出演として出たり世間を賑わせています。

デビュー当初は爽やかな少年や好青年の役が多くありましたが、いつ頃からかワイルドな風貌に変わり、ヘタレやハイテンションの変わった役が増え、最近では渋く大人の貫禄も出てきました。
人気漫画「荒川アンダーザブリッジ」の実写化においては誰かわからないメイクで人気キャラクターの星を演じたり、同じく漫画原作の実写化「銀魂」では顔の見えないエリザベス役で出演したり、長澤まさみ主演月9ドラマ「コンフィデンスマンJP」にカメオ出演した時には東出昌大から台詞で「あんたは絶対に仕事を選んだほうがいい」と言われ話題になりました。他にも、ジョージアのCMではひとりで何役もこなし、NHKのバラエティ番組「植物に学ぶ生存戦略話す人・山田孝之」では終始真面目にふざけ倒したシュールな番組進行を行いました。最近では、人気漫画「聖 おにいさん」の実写ドラマ化にあたり製作総指揮を執るなど俳優だけでなく裏方としても活躍しています。
そんな彼の魅力を今回は、出演映画作品の中からおすすめ15作品に限定して探っていきましょう。

1.闇金ウシジマくん(2012年 129分)

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あらすじ・見どころ

借金回収の為にセレブのホームパーティに訪れた丑嶋(山田孝之)。あまりにも非道な取り立て方法に、その場に偶然居合わせたイベント系サークル代表のジュン(林遣都)は衝撃を受ける。そして去り際、丑嶋はジュンに「金は奪うか奪われるかだ」と言い放ちます。数日後ジュンは丑嶋の経営するカウカウ・ファイナンスに金を借りに来ました。同じ頃、丑嶋は母親の借金の肩代わりをジュンの幼馴染・未來(大島優子)に請求します。イベント資金の調達が間に合わないジュン、母親の借金返済の為に翻弄する未來、闇金融の世界と隣り合わせに強く生きる人々の姿が描かれます。

ポーカーフェイスな闇金社長

ビッグコミックスピリッツで連載中の真鍋昌平が描いた同名人気漫画の実写化であり、山田孝之の代表作とも言える作品です。主人公・丑嶋役として10日で5割という違法な金利で金を貸し付ける闇金業者の社長を演じています。主演ですが、冷静に人々を見守るストーリーテラーの役割が強いですね。台詞の数や登場シーンで考えると林遣都や大島優子の方が多いですが、それでも山田孝之の存在感は抜群です。ドラマシリーズの後に人気を博し劇場版が作られましたが、映画から観ても充分話についていけます。劇場版は全4作、ドラマシリーズが3シーズン。基本的には1話完結で作られていますので、まずは映画を観て気に入ったら、映画2作目かドラマシリーズと観続けても良いでしょう。

2.クローズZERO(2007年 130分)

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あらすじ・見どころ


ヤクザ組の一人息子である滝谷源治(小栗旬)は高校3年の春、鈴蘭男子高等学校に転入します。鈴蘭高校は偏差値最低の男子校であり喧嘩を生きがいとする不良ばかり。喧嘩好きな輩を倒し鈴蘭の頂点に立つことが生徒たちの憧れであり、源治もまたその為に転入してきました。3年の芹沢多摩雄(山田孝之)は喧嘩も強く、そして仲間からの人望も厚いまさに頂点に最も近い男。卒業までに頂点に立つのは源治か、多摩雄か、男たちの熱い闘いがここに幕を開けます。

貧乏でちょっと馬鹿だけど頼れるリーダー

月間少年チャンピオンにて連載された高橋ヒロシが描いた人気漫画を基に作られたオリジナルストーリーです。小栗旬を主演に高岡蒼甫、桐谷健太、上地雄輔、大東駿介、そしてライバル役に山田孝之と豪華俳優陣の共演になっています。学校中を巻き込んだ乱闘シーンは、俳優でなく実際の不良たちがエキストラ出演し、撮影時は一触即発な雰囲気だったそうです。海外人気も高く、この映画に影響を受けて実際に乱闘が起こったとか。拳一つで闘う喧嘩ってなんか憧れますもんね。山田孝之は全3作のうち、「クローズZERO」「クローズZERO Ⅱ」の2作に出演しています。

3.電車男(2005年 101分)

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あらすじ・見どころ

電車内で酔っ払いに絡まれている女性を助けた電車男ことヲタク青年(山田孝之)。助けた女性からお礼に頂いたエルメスのペアカップから、彼女の通称をエルメスとし、どうにか彼女とお近づきになりたくて、ネットの民にアドバイスを求めます。最初は興味本位から為になるようなならないようなアドバイスをするネット民たち(看護師、引きこもり、サラリーマン、主婦、ヲタク3人組)。彼らのアドバイスを基に電車男は、エルメスを食事に誘い、髪を切ってコンタクトに変えて人生初のデートに挑みます。ひとつでも不安なことがあったらすぐにネットに聞く電車男、ネット民達もいつしか真剣にアドバイスをするようになっていました。果たして年齢イコール恋人いない歴である彼のこの恋は上手くいくのか。

心優しい秋葉系ヲタク青年

社会現象にもなり、後にドラマ化もした大ヒット作。山田孝之演じる電車男の最初のセリフは「ありがとう」。この時点で主人公は見た目こそ社会的不適合者に見えるけど、根は良い人だと分かります。ネット及び心の声は流暢に話すのに、実際に声に出すと噛んで裏返って言葉遣いもズレている、おまけに興味のある話題が出た途端に饒舌。ヲタクといったものを、これでもかと誇張し記号化していますが、なんだか面白く見えています。10年以上前の映画なので、この頃はヲタクに対する理解が今より少なかったのでしょう。ちょうどこの作品のおかげでヲタクという存在が広くライトなものになった気がしますね。電車男に影響されネット民達も少しずつ成長する姿が描かれているのもまた良いです。脚本が面白くテンポも良いので、明るい気持ちで観て勇気をもらえること間違いなしの映画です。

4.土竜の唄(2014年 130分)

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あらすじ・見どころ

正義感が強く、誰にでも臆することなく意見を言って立ち向かっていく警察官・菊川玲二(生田斗真)。正義感の強さのあまり一般人に向けて発砲してしまい、クビを言い渡されてしまいます。しかしただのクビではなく、実は犯罪組織に潜り悪徳犯罪を挙げる潜入捜査官モグラに任命されたのでした。正義感と持ち前の精神力で数寄矢会に潜り込み、合成麻薬MDMAの密売ルートを暴くために奮闘します。数寄矢会の権力闘争や、日本最大の暴力軍団・蜂乃巣会との争いに巻き込まれていきます。

頭のキレる暴力団幹部

こちらも週刊ビッグコミックスピリッツにて大人気連載漫画の実写化。主演の生田斗真をはじめ、ヒロイン役仲里依紗、兄貴分の堤真一、他にも岡村隆史や上地雄輔らが原作に寄せたビジュアルづくりで個性豊かな映画になっています。山田孝之も今作では髪も眉も金髪に染め、見た目から恐怖を感じる仕上げになっています。CGを多用し、テンポよくギャグを含んだ映画なので、犯罪を扱っているものの、あまり気を詰めずに見ることができます。

5.凶悪(2013年 128分)

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あらすじ・見どころ

雑誌記者である藤井(山田孝之)は上司に言われてある男に会いに行きます。ある男とは須藤純次死刑囚(ピエール瀧)。殺人の罪で収容されている須藤はまだ公になっていない殺人事件をまだ起こしているというのです。編集部の上司は記事にならないと、藤井に撤退を命じますが、藤井は単独で取材を続けある男に行き着きます。それは須藤が先生と慕っていた人物(リリー・フランキー)。首謀者である先生が捕まっていないと告発する須藤。彼は自分の罪な重くなることを承知で凶悪事件を暴きたいと言います。正義とは一体何なのか、社会派サスペンス映画です。

倫理を正す正義感溢れる雑誌記者

今作を見るまでは山田孝之は悪役かなと思ったのですが、正義感の強い週刊誌記者を演じます。この映画公開前年には悪役を2つ演じているので、役幅の広さに驚きます。ピエール瀧、リリーフランキー演じる凶悪犯罪者たちの何が恐いって平気で人殺しの話をした後に家族に対して優しい顔を向けているところ。生きている人間って、恐ろしいなと感じました。では主人公・藤井が、絶対的正義なのかというと、彼は仕事に熱中するあまり家庭を蔑ろにしてしまいます。不正の悪を暴こうとする彼の行動は正義なのかもしれませんが、家庭や様々なことを犠牲にする彼もまた悪に感じます。正義とは一体何なのか、深く考えさせられます。

6.新宿スワン(2015年 139分)

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あらすじ・見どころ

男も女もお金のあるなし関係なくすべてを飲み込み受け入れる街・新宿。金もプライドもない白鳥龍彦(綾野剛)はアテもなく新宿に流れ着きました。チンピラに絡まれていたところを助けてくれた真虎(伊勢谷友介)にスカウトマンにならないかと誘われます。それは人生に迷っている女性に声を掛けてクラブや風俗に紹介する仕事。「俺がスカウトした女の子には必ず幸せだって言わせます」そう意気込んで新宿の一員となった龍彦。多くの欲望が交差するこの街で彼は信念を曲げずにどこまで行けるのか。

新宿を舞台に暴れまわる影ある悪役

山田孝之は熱くて喧嘩っ早い主人公と何かいわくのある男・南秀吉を演じます。道で声掛けた女性を風俗に売り飛ばして金を稼ぐのがスカウトマン。最初はなんだか嫌な話だなんて思いましたが、女性側も了解の上で働きます。彼女たちが傷つくと自身も悲しむ、そんなアツい男が綾野剛演じる主人公・龍彦。悩みを抱え新宿に迷いつく女性を沢尻エリカや真野恵里菜が演じます。そして山田孝之演じる秀吉もまた壮絶な過去を持ち新宿に流れ着いたひとり。原作者の和久井健が実際に体験した出来事を基に描いており、ただの娯楽ではなくメッセージ性のある映画です。

7.大洗にも星は降るなり(2009年 103分)

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あらすじ・見どころ

茨城県大洗町の砂浜、クリスマスイブという季節外れの時期にある5人の男が集まりました。男たちはその年の夏に海の家で一緒に働いた間柄。しかし、どうしてこの時期に集まったのか、話を聞くと同じく海の家で働いた皆んなのマドンナ・江里子(戸田恵梨香)から手紙で呼ばれたようです。しかし肝心の江里子が見当たらない。どういうことか考えていくうちに、この中に江里子の本命がいるとなりました。自分こそが江里子の本命だと言い張る5人の男たち。果たして彼らに幸せなクリスマスはやって来るのでしょうか。映画「銀魂」や「勇者ヨシヒコ」シリーズでお馴染み福田雄一監督によるシチュエーションコメディです。

山田孝之×福田雄一のシュールでハイテンションコメディ

バカだったり天然だったり、チャラい奴から奥手な奴までどこか駄目な部分を併せ持つどうしようもない5人の男たち。その中で山田孝之が演じるのは勘違いストーカーの杉本。自分こそが江里子の本命だと素直に言いたいものの、プライドが邪魔をして牽制し合う姿が面白おかしく描かれています。そして回想シーンに出てくる戸田恵梨香もマドンナとして可愛く描かれていて癒されますよ。山本裕典、ムロツヨシ、安田顕、佐藤二朗を迎えて福田ワールド全開に描き、スピンオフとして本編では描かれていない夏の様子が描かれたDVDも発売されています。個人的にはスピンオフ作品のくだらなこそさが福田ワールド全開なのではないかと感じたので是非観て欲しいです。

8.十三人の刺客(2010年 141分)

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あらすじ・見どころ

将軍の異母弟という地位に物を言わせる極悪非道な暴君・松平斉韶(稲垣吾郎)。斉韶の老中就任が来春に内定し、このままではこの国の未来が危ぶまれると感じた御徒目付役組頭の倉永左平太(松方弘樹)は島田新左衛門(役所広司を呼び出し暗殺を計画。そして彼のもとに集まった身分も年齢もバラバラな13人を引き連れて出立します。新左衛門らは参勤交代帰国途中に斉韶を討つことにし入念な計画を立てます。300人を超える武士に対して13人でどのように戦うのでしょう。お国のために命をかけて一世一代の大勝負、2億円を使って作られた撮影セットに迫力満点のラスト50分の死闘は息を飲むのも忘れるほど。

武士道溢れる二枚目

1963年公開工藤栄一監督の同映画をリメイクした作品であり、役所広司、山田孝之、松方弘樹、沢村一樹、石垣佑磨、高岡蒼甫、六角精児、伊原剛志、古田新太、窪田正孝、伊勢谷友介、稲垣吾郎、市村正親、内野聖陽、松本幸四郎、斎藤工ら豪華俳優陣の共演に目が2つでは足りません。山田孝之はダメ男やどこか残念なところがある役が多かったのですが、今作は正統派男前、非常に人情にアツく武士道溢れる青年です。13人ひとりひとり見どころが丁寧に描かれ、山田孝之は役所広司演じる主人公のの右腕的存在として描かれています。300人対13人の戦いではひとりひとりの戦い、死に様が丁寧に描かれています。それも綺麗にではなく汚くて泥臭く、見ていて辛くなるくらいに。ところどころ違和感のある笑顔のシーンがありますが、これこそが戦争の無意味さだと言うように描かれています。楽しいから笑うのではなく、あまりにも人生が無情であると悟った諦めの笑顔、力強く生きた男たちの生き様を観てください。

9.何者(2016年 97分)

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あらすじ・見どころ

演劇サークルに所属していた拓人(佐藤健)、音楽サークル所属の同居人・光太郎(菅田将暉)、留学から帰ってきた瑞月(有村架純)は就活生。拓人たちの上の階に住んでいる瑞月の友人・理香(二階堂ふみ)もまた就活を始めたということで、みんなで内定を貰うために協力しようと就活対策本部と名付けて定期的に集まるようになりました。就活はしないと公言するも参加している理香の彼氏・隆良(岡田将生)やすでに内定を貰っている院生のサワ先輩ら、能力も性格も全く違う彼らが、就職活動に挑みます。いかに自分を良く見せるか、それぞれの思いが複雑に入り混じり、隠されていたどす黒い本音が露わになる現代日本を描いたヒューマンストーリーです。

早々に内定を手に入れた達観理系男子

それぞれの登場人物が分かりやすく記号的な側面を写して描かれています。山田孝之演じるのは物語が始まった時点ですでに内定をもらっているサワ先輩。彼は一足先に就活を終えて、佐藤健演じる主人公・拓人の相談に乗り、ときにはアドバイスを送ります。サワ先輩以外の登場人物は、内定をもらうためにみんなで一致団結して協力するのですが、内定者が現れることによってだんだんと本音が表れ、彼らの関係は変化していきます。内定というのは貰う前は喉から手が出るほど欲しいのに、貰った途端魅力を感じなくなってしまう、あの感覚一体何なのでしょうね。
ニュースでも度々話題になっている、今の就職活動システム。現代日本の闇と人々の心の闇を描いています。

10.その夜の侍(2012年 119分)

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あらすじ・見どころ

小さな鉄工所を営む冴えない中年男の中村健一(堺雅人)は、今は亡き妻の声を聞くため何度も留守電をリピートしています。彼の妻は5年前のひき逃げ事件で亡くなり、彼女をひいた犯人の木島宏(山田孝之)は刑期を終えすでに出所していました。もうすぐ妻の命日という頃、木島のところに匿名の脅迫状が届くようになります。「お前を殺して、俺は死ぬ。復讐まであと○日。」中村からの脅迫状と、勘付いた木島は、中村の義兄・青木順一(新井浩文)にどうにかするよう近づきます。青木は中村に幸せになってほしいため色々と行動を起こしますが、結局うまくいかず、ついに妻の5回目の命日を迎えます。復讐に駆られる中村と復讐の対象である木島の静かで長い夜が始まります。

山田孝之史上最も最低なクズ役

この映画は人それぞれの孤独が描かれています。山田貴之はひき逃げをしていながら一切反省しておらず、出所後も犯罪行為を繰り返す男・木島を演じています。この木島は孤独であることを自覚していませんが、木島から子分のように扱われる小林(綾野剛)やなぜか木島を受け入れる関(谷村美月)を彼の周りに描くことで妻を亡くした主人公・中村とは違った孤独が浮き彫りになります。小林に向けて新井浩文演じる青木が言った「平凡ってコツコツと積み上げていくものじゃないんですか。」という台詞が印象的でした。孤独で辛くても、愚かでも、無様でも、生きていく人間の姿が描かれています。

11.鴨川ホルモー(2009年 113分)

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あらすじ・見どころ

安倍(山田孝之)は二浪の末、京都大学に合格した1回生。大学受験で燃え尽きてしまった彼は、なんとなく誘われたサークル青竜会の新歓コンパに参加します。サークルに入るつもりはなかったものの、コンパで知り合った早良(芦名星)に一目惚れし、彼女とお近づきになる為に青竜会に入部します。ところで青竜会って何のサークル?安倍と同じ1回生の高村(濱田岳)、楠木(栗山千明)らもよく分からないまま入部し先輩に聞きますが時すでに遅し。聞いたからには退部できない、青竜会とは千年以上の歴史を誇るホルモーのサークルでした。

ホルモーって何?恋にサークルに全力な大学生

原作は「鹿男あをによし」などの著者万城目学の同名小説。この映画の中で重要なのがホルモー。ホルモーとは鬼や式神を使って戦う謎の競技です。山田孝之は好きな子にモテないし、試合には負けるし良いとこ無しの主人公安倍を演じます。ヒロインにあたる楠木を栗山千明が演じ、ぶっきらぼうで眼鏡も髪型もださいリケジョなのに眼鏡の奥の美しい素顔を歪ませて全力でホルモーに身を投じる姿がキュートです。CGで作られているオニ達は、最初なんやねんこいつらと思うのですが、見ているうちに愛着が湧いていき、気持ち悪いけどかわいく見えてくるはず。競技に参加していない一般人からはオニ達は見えない為、側から見たら学生達が変な言葉を叫んで変な動きをしている明らかに不審な競技です。親が見たら泣きます。最初は主人公達も視聴者もなんだこのサークルはと思うのですが、気がつくと本気になっている、そんな映画です。京都タワーが見えたり、京都大学や立命館大学など実在の名前が出てくるので、観ていてホルモーって本当にあるのではという錯覚に陥りますのでご注意。

12.乱暴と待機(2010年 97分)

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あらすじ・見どころ

引っ越してきた番上(山田孝之)と妻のあずさ(小池栄子)。なかなか職の決まらない番上に代わり、身重ながらもあずさはスナックで働き生計を立てていました。番上は引っ越しの挨拶にご近所まわりをしていると、奇妙な兄妹に出会います。妹の奈々瀬(美波)と兄の英則(浅野忠信)。仲の良い普通の兄妹に見えますが、英則の顔を見るや否や吐いてしまったあずさはこう言いました。「あの2人、兄妹なんかじゃないよ。」1組の夫婦と兄妹を巻き込んだ奇妙な四角関係が始まります。

だらしない無職のダメ男


山田孝之演じる主人公・番上のダメ男振りがとにかく素晴らしいです。妊娠中の妻がいるにもかかわらず、積極的に奈々瀬を口説き罪悪感を感じやすい彼女の性格につけ込み、映画の後半では「もうその辺(妻がいるとか男女の間柄における倫理観)はさ、積極的に麻痺してこうよ」という迷台詞を残してくれます。ストーリーだけ見ると観たいと思わないのに富永昌敬監督の画面作りと大谷能生とバンド・相対性理論の音楽が合わさり、どこか品のある作品になっています。お洒落で心地の良いテンポはもう一度観たくなるほど。また山田孝之を筆頭に小池栄子、美波、浅野忠信の演技も必見です。

13.猫の恩返し(2002年 75分)

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あらすじ・見どころ

ハル(池脇千鶴)は学校に遅刻したり、友人カップルを横目になかなか好きな男の子に告白できない、ごく普通の女子高生。ある日、目の前でトラックに轢かれそうになった猫を助けました。助けた猫はその場で二足歩行になりお礼を言います。まるで人間のような振る舞いに驚いて声の出ないハルですが、このことをきっかけに猫の国へ招待されました。猫の国とは?よく分からない状況に、どこからともなく聞こえてくる声にしたがってハルは助けを求め、猫の探偵事務所へ行きバロン(袴田吉彦)と出会います。優しくてカッコいい紳士的なバロンのことを素敵だなと思っていると、王国の使者達に攫われて猫の国に入ってしまいました。ちょっとだけなら、なんて考えていると自分も次第に猫になっていきます。現代を舞台に描いたファンタジー映画。

爽やかでスマートな猫の国の王子

俳優を声優起用することで有名なスタジオジブリですが、実は山田孝之が出ていたって知っていましたか。主演の池脇千鶴、袴田吉彦と共に、猫の国の王子ルーン役で出演しています。山田孝之の初期に多かった爽やかな好青年です。台詞は少ないですが物語上とても重要な役柄。のんびりと観ていたら気づきませんので、もう一度観てみましょう。ちなみにこの「猫の恩返し」は、ジブリ映画「耳をすませば」の主人公・月島雫が描いた小説だなんて都市伝説もあります。

14.のぼうの城(2012年 119分)

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あらすじ・見どころ

阿呆で役立たずだけれど、威張らず優しいその人柄で農民たちからのぼう様、つまりでくの坊の意味で慕われている城主・成田長親(野村萬斎)。いつまでものんびりとこのまま暮らしていたいと願っていた長親でしたが、世は戦国時代。天下統一目前の豊臣秀吉(市村正親)が長親の領地、そして城の忍城にも攻めてきました。武将として名を挙げることに闘志を燃やす石田三成(上地雄輔)は2万の兵をチラつかせて降伏するよう話の場を設けましたが、なめ腐ったその態度に長親は降伏ではなく戦うと言ってしまいました。どうしようもないけど大好きな城主のために、農民たちは力を合わせて豊臣軍に挑みます。2万人対500人の戦いはどうなるのか、そして長親の秘策とは。

秀吉の右腕であり、徹底的なヒール役

山田孝之はこの年、今作と「悪の教典」「その夜の侍」の3作でヨコハマ映画祭にて助演男優賞を受賞してました。主演野村萬斎の演技も素晴らしく、今回は三成の盟友であり秀吉の部下である大谷吉継役を演じている山田孝之。役作りのため髭を伸ばしたら、犬童一心監督に日本人でこんなに髭の生える人は滅多にいないと絶賛されこの作品以降、髭を生やした姿が多くなりました。最近定着しているワイルドな風貌はこの頃から出てきたんですね。日本アカデミー賞において10部門で優秀賞を受賞し、美術部門にて最優秀賞を受賞しました。

15.ミロクローぜ(2012年 90分)

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あらすじ・見どころ

オブレネリ・ブレネリギャー(成人後、山田孝之)は美しく神秘的な女性ミロクローゼ(マイコ)に恋をしますが、失恋してしまい胸にぽっかり穴が空いてしまいます。熊谷ベッソン(山田孝之)は草食系男子の悩みを一刀両断する恋の伝道師です。片目の浪人・多聞(山田孝之)は、何者かに誘拐された大切な恋人ユリ(石橋杏奈)を探し放浪の日々。それぞれの愛の物語が交差したりしなかったり、これ以上は語るより観て確かめて欲しい、そんな映画です。

メルヘンであったり、ワイルドであったり、日本男児であったり

フランス映画のようなお洒落な恋愛モノを見ていたかと思えば、気がつけば着流しの山田孝之を見ています。全く違うキャラクターを演じる山田貴之が楽しめるボリュームたっぷりな1本です。一応3役ですが、多聞は場面によってはスーツで決めた紳士であったり、着物姿の武士であったり、3役どころか6役ぐらいあるのではと思いながら鑑賞していました。ちなみに山田孝之には芸能活動を行っている2人の姉が居ますが、今作でそのうちのひとり長女の椿かおりと共演を果たしています。それもスタッフは誰も姉弟と知らず、撮影がすべて終わってから監督に伝えたのだとか。約30の国の映画祭で上映された本作、国が違っても笑えるコメディ映画です。

終わりに

なるべく役柄の違う15作を選びましたが、福田雄一監督や三池崇史監督作品の常連であり、なんだか漫画の実写化が多いなという印象ですね。作品ごとにビジュアルを変えていることが演技力と相まってカメレオン俳優と呼ばれる所以でもあるのでしょう。ここでは語りきれませんでしたが、「GANTZ」シリーズや、「50回目のファーストキス」などまだまだ魅力たっぷりの出演作があります。常に我々の斜め上に進化する山田孝之からこれからも目が離せませんね。

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