フロイト・ユングと並ぶ心理学者のエッセンスを読む  ~『嫌われる勇気』岸見一郎・古賀史健~

フロイト・ユングと並ぶ心理学者のエッセンスを読む  ~『嫌われる勇気』岸見一郎・古賀史健~

2013年末に発売され、いまだにロングセラーを続けている『嫌われる勇気』(岸見一郎・古賀史健著)を紹介します。

vokkaVOKKA 編集部
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ロングセラー

本書は2013年末に発売され、いまだにロングセラーを続けています。また、引っ張られるようにアドラーやアドラー心理学の書籍も多く出版されています。
近代の精神学者ではフロイトとユングが群を抜いて有名ですが、アドラーもまたフロイトらに勝るとも劣らない業績を残した心理学者です。
デール・カーネギーの思想に影響を与え、スティーブ・R・コヴィーやリチャード・カールソンらの著作にもアドラーの影響を見ることができます。

対話形式で綴られる人生の諸問題

本書は、諦観した境地にたどりついた「哲人」と「青年」との対話形式の書籍です。
あとがきで著者の一人・古賀氏が述べているように、ソクラテスやプラトンの対話を参考に、人生を巡る諸問題を哲人と青年との対話によって綴ったものです。
初めは哲人の言葉に懐疑的であった青年が、対話によってアドラー心理学やギリシヤ哲学を学び、その教えに感化されていく物語です。

アドラー心理学とギリシヤ哲学の融合

出典:blog-imgs-68.fc2.com

本書はアドラー心理学だけではなく、岸見氏が研究を続けてきたギリシヤ哲学とアドラー心理学とを融合した(決して批判的な意味ではなく)岸見哲学と呼んでいいものです。
アドラーの研究とギリシヤ哲学が、双方を研究した岸見氏によって、融合し、新しい哲学としてまとめられたものといえます。

ヒットの秘密はタイトルにあり

本書がヒットした背景には、『嫌われる勇気』というタイトルが大きなインパクトをもたらしている可能性があります。
人間は、誰でも嫌われたくないもの、好かれたい、受け入れられたいものです。特に日本ではやや古びた表現ですが「KY」などというように、空気を読んでその集団に属していることに安心を覚え、さらには優越感すら感じる傾向が強くあります。
『不機嫌な職場』というタイトルの本がヒットするように、多くの人がぎすぎすした、居心地の悪さを感じています。しかし、何か言ってしまえば「空気が読めない」とか「和を乱す」と言われてしまうので我慢をします。そのため、さらに人間関係がぎすぎすしたものになる、という悪循環が起きています。
そうした中で、「嫌われる勇気」という言葉には我々を引きつけるものがあります。嫌われることが怖くなくなれば、嫌われる勇気を出せば、もっと居心地のよい生き方ができるように感じさせてくれるのです。

iTunes – ブック – 岸見一郎 & 古賀史健「嫌われる勇気」

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入門編も

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アドラーの生い立ちや研究を体系的にもっと知りたいのであれば、岸見氏が著した『アドラー心理学入門』をお読みになることをお勧めします

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