内淵玄が脚本を担当!アニメーション映画「GODZILLA」公開前にゴジラ映画を振り返る

2016年に公開され、映画シーンを震わせることになった「シン・ゴジラ」。一時期は衰退していたゴジラブーム復権の鍵となった作品ですが、「シン・ゴジラ」に続いてアニメーション版ゴジラの公開も控えています。そこで、今回はアニメ版ゴジラ公開前に、ゴジラの歴史を振り返りたいと思います。

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「ゴジラ」に込められたテーマをひも解く

「ゴジラ」は各世代ごとで様々な形が生まれた映画作品。日本だけでなくハリウッド版も生まれるほど、このキャラクターは万国共通のイコンとして存在しています。そんなゴジラが各世代ごとにどのような変貌を遂げてきたのかチェックすると共に、共通するメッセージについても確認してみましょう。

すべてのはじまりである初代「ゴジラ」

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昭和29年(1954年)に1億円以上の予算を掛けて作られた特撮、それが初代「ゴジラ」です。ゴジラの誕生は解呪映画の元祖と言われており、1950年代の映画とは思えないクオリティを体感できる映画となっています。もちろん、現代の進んだCG技術と比べると映像的に劣っている点はあるかもしれません。ですが、ゴジラの襲撃やそれを見て逃げ惑うシーンなどの緊迫感は、下手な現代映画よりも迫力のある作品となっています。

出典:eiga.com

この初代ゴジラで使われた音楽は、リメイクや「シン・ゴジラ」も含めてほぼすべての作品にて使われているほど完成度の高いものとなっています。特に、オープニングや自衛隊などがゴジラと闘うシーンに使われる曲は、ゴジラ作品以外でも耳慣れているものとなっているでしょう。音楽を務めた伊福部昭氏は戦争によって放射能被害を経験していることもあり、観客に対してゴジラを畏怖の対象として印象付けるような音楽を目指したというのは有名な話です。

この初代ゴジラが現代でも鑑賞に堪える作品となっているのは、強いメッセージを絶え間なく発信しているからではないでしょうか。昭和29年3月に発生した第五福竜丸の水爆事故をヒントに、海底で眠っていた前世紀の恐竜が放射能因子を受けることで復活したのがゴジラという設定です。第二次世界大戦によって核の恐怖を知った日本人が再び放射能によって生命の危機にさらされる皮肉や、進み過ぎた技術が人類に与える影響を刻銘に描いています。本作は監督の本多猪四郎氏が経験した戦争がベースになっていることもあり、原爆に対する恐怖と怒りが垣間見れる作品です。

キャラクターとしてのゴジラを払拭した「ゴジラvsビオランテ」

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大ヒットを受けた初代「ゴジラ」ですが、その後も次々と新作が生まれることになりました。しかし、ゴジラ単体ではなく怪獣同士の対戦ものへと変容し始め、昭和期にはモスラやキングギドラ、メカゴジラなどのキャラクターがどんどんと登場してきました。しかし、初代ゴジラのような強いメッセージ性を込めたものが少なくなり、徐々に衰退の一途をたどることになります。

その中で、大人向けのゴジラとして生まれたのが1989年(平成元年)作品の「ゴジラvsビオランテ」です。この映画ではゴジラのライバルとしてビオランテが登場しますが、この生物はゴジラの細胞を研究して生まれた怪獣です。ビオランテはゴジラの特異な細胞とバラ、さらに人の遺伝子が組み合わさることで誕生する怪獣で、行き過ぎた技術を開発することで人類に危機が訪れる点は初代「ゴジラ」を思わせるものがあります。

また、怪獣同士の対決だけでなく、自衛隊をはじめ人類が怪獣に闘いを挑むシーンも豊富になったのが本作の魅力となっています。戦車や戦闘機だけでなく、平成ゴジラシリーズに登場する特殊な兵器は特撮ファンをうならせる設定となっていました。この辺りの設定も、平成ゴジラならではでしょう。

「ゴジラvsビオランテ」はゴジラ復権を掛けてメッセージ性が強いものとなりました。ですが、次回以降の「ゴジラvsキングギドラ」や「ゴジラvsメカゴジラ」などは、再び怪獣同士の対決が中心の作品に戻ってしまいます。そして、平成VSシリーズのゴジラは1995年に上映された「ゴジラvsデストロイア」で一度幕を閉じることになります。

2016年、突如をして姿を現した「シン・ゴジラ」

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VSシリーズと共に終了に見えたゴジラシリーズですが、1998年と2014年にはハリウッド版ゴジラが上映され、日本でも1999年から2004年の間に再びゴジラシリーズが復活しました。しかし、どれも興行面で振わず、初代ゴジラや平成VSシリーズのようなブームは巻き起こりませんでした。

すでにゴジラは世間から忘れ去れる存在と思われた中、再び一世を風靡することになったが「シン・ゴジラ」です。2004年に上映されたゴジラシリーズから計算すると12年もの歳月を経て復活した本作ですが、「新世紀エヴァンゲリオン」で知られる庵野秀明氏が総監督を務めることで注目を集めるだけでなく、見た人間の度肝を抜く作品となっていました。

「シン・ゴジラ」に登場するゴジラやストーリーは、初代ゴジラをオマージュしている点が多く見受けられます。本作に登場するゴジラは遥か太古より生き延びていた海棲生物で、海底に投棄された放射性廃棄物を摂取して異常進化と成長を繰り返して生まれたという設定となっています。また、初代ゴジラには国会内にて議員が言い合うシーンなどがありますが、「シン・ゴジラ」でも政局を大きくピックアップしているのが特徴的でした。

出典:eiga.com

さらに、群衆がゴジラから逃げるシーンに関しても、現代風にアレンジすることでよりリアリティのある映像となっています。もちろん、初代「ゴジラ」になぞって核を軸にした人間ドラマが繰り広げられており、原子爆弾によって被害を受けた日本の風景を差し込むなどの演出が取り入られえています。東日本大震災で原子力発電所が問題となった日本にとっては非常にタイブリーな作品となりました。

アニメで有名な庵野氏がゴジラ映画で成功した理由としては、彼が異常な特撮マニアであることが挙げられるでしょう。彼は大学の卒業制作で「帰って来たウルトラマン」を自主制作しており、そのクオリティを見れば「シン・ゴジラ」しかり「エヴァンゲリオン」が生まれるのも頷けます。また、2012年には東京や名古屋、熊本、松山、長岡で庵野氏が触れてきた特撮シリーズを公開する「特撮博物館」が開かれ、その膨大な知識量を余すことなく披露しました。実は、エヴァンゲリオンの作中に出てくる「光の巨人」はウルトラマンがモチーフになっていると言われており、さらに彼がデザインした巨神兵を見ると、特撮に出てくる巨大怪獣などの影響がにじみ出ているのがわかります。特撮で培われたノウハウはアニメ作品だけでなく、「シン・ゴジラ」においても遺憾なく発揮されることとなったわけです。

2017年にはアニメ版「ゴジラ」が上映予定

出典:eiga.com

2016年に誕生した「シン・ゴジラ」により、再びゴジラブームに火が付きました。その流れでアニメ版ゴジラの制作が決定しており、「GODZILLA 怪獣惑星」というタイトルで11月17日に上映予定となっています。アニメ版では従来の「ゴジラ」シリーズとは違い、未来世界を舞台に2万年に及ぶ人類とゴジラの闘いを描く予定となっています。

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これ以上の詳細は未だに解禁となっていませんが、ストーリー原案と脚本は「魔法少女まどか☆マギカ」や「PSYCHO-PASS サイコパス」などで知られる虚淵玄氏が担当することになっています。特に、「まどか☆マギカ」は大きなブームを作っただけに、どのようなゴジラを生み出すのか楽しみになってきます。さらに、監督にはSF大作「シドニアの騎士 第九惑星戦役」で知られる瀬下寛之氏が担当することになっており、今までに見たことのない「ゴジラ」となることは間違いないでしょう。

出典:eiga.com

ですが、ゴジラといえばやはり核が大きな軸となってくる作品。「ゴジラ」という文化的にも大きなアイコンを、どのような形で表現するのかぜひ劇場にてチェックしてみたいところです。

ゴジラは永久に不滅の作品である

今回はアニメ版「ゴジラ」の公開に先駆けて、過去のゴジラ作品について振り返ってみました。時代に合わせて変容し続けたゴジラですが、根幹にあるのは核など最新技術によって危険にさらされる人類への警鐘であると思われます。もちろん、エンターテイメントの1つとしても十分に楽しめますが、ゴジラに込められたメッセージを踏まえた上でもう一度見直してみるのはいかがでしょうか。

知らないなんて言えない!映画「ゴジラ」シリーズの歴史と魅力

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